“安定志向層”に向けて最先端の技術を凝縮――ITmedia読者×シャープISW16SH開発者座談会WiMAX、NFC、Feel UX採用の秘密(1/3 ページ)

シャープのau向けスマートフォン「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」をテーマにした、ITmedia読者とシャープ開発陣による座談会が実施された。2年前から開発していたというWiMAXの性能は。なぜNFCとFeliCaの両方を採用したのか。Feel UXで抜本的にUIを変えた意図は――。

» 2012年07月23日 09時30分 公開
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 7月10日、ITmedia読者6人とシャープ商品開発担当者による「ITmedia読者×シャープISW16SH開発者座談会」がアイティメディア主催で実施された。

 「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」は、au夏モデルとして発売された、シャープ製のAndroid™ 搭載スマートフォン。HD表示(720×1280ピクセル)対応の4.6インチ高透過CGSilicon液晶や約1211万画素CMOSカメラに加え、シャープ端末では初のWiMAX、世界で初めてのFeliCaとNFCダブル搭載など、最先端の技術を詰め込んだモデルだ。今回のイベントではWiMAX、NFC、Feel UXに焦点を当て、シャープの開発者にこだわったところや、カタログには載っていないエピソードなどを語ってもらった。製品全般については通信システム事業本部 グローバル商品開発センター プロダクト企画部の福山享弘氏、WiMAXについては通信システム事業本部 グローバル商品開発センター 回路開発部 Cグループ 主事の長見良氏、NFCについては通信システム事業本部 グローバルソフト開発センター 第二ソフト開発部 主事 田中洋氏、Feel UXについては通信システム事業本部 グローバル商品開発センター Gプロジェクトチーム チーフの白石奈緒樹氏に話を聞いた。モデレーターはITmedia +D Mobile編集長の園部修が務めた。

「SERIE」の名に込めた意味、ディスプレイ強化のポイント

photo ISW16SH全体の特徴について説明する福山氏

 まずは福山氏が、ISW16SH全体のコンセプトや、主な機能を搭載した背景を説明した。ISW16SHに冠された「SERIE」はイタリア語で「シリーズ」を表し、頭文字の「S」には「Special」「Supreme」などから「特別な」といった意味を込めたという。今後もau向けのハイエンドなAQUOS PHONEには「AQUOS PHONE SERIE」の名が冠されることになる。

 au向けには2010年に「IS01」や「IS03」を投入するなど、シャープは初期からAndroid搭載スマートフォンを開発してきた。今回ISW16SHを開発するにあたり、福山氏は「スマートフォンからスマートフォン、フィーチャーフォンからスマートフォンへ買い替えるお客様が増えています。安定志向のお客様が多いので、長く使っても陳腐化しない安心のスペックを込めました」と説明する。

 強化したポイントの1つがディスプレイだ。「液晶のシャープ」と言われるほど同社の液晶には定評があるが、ISW16SHでは従来機よりも液晶パネルの透過率を約20%向上させて見やすくした。画質については、「ダイナミック」モードに加えて新たに「ナチュラルカラー」モードを選べるようにし、より自然な色合いを表現できるようこだわった。「PCの液晶とスマートフォンの液晶は色味が違うことがあり、例えばネットショッピングで服の色が実際の製品と違って見えるようなことがありましたが、ナチュラルカラーモードではPCと同じ色を出せるようになりました。画質モードはブラウザのサブメニューにある「画質モード設定」から変えられるので、Webサイトを見ながら適宜変えていただければと思います」(福山氏)

 4.6インチの大型ディスプレイを備えながら、狭額縁設計により、幅は従来機と大きく変わらない66ミリに抑えた。見栄えにもこだわり、「画面をそのまま持っているかのようなデザインをイメージして作りました」と福山氏は話す。ISW16SHではフレームの周りに傾斜を付けることでディスプレイ部を独立させ、画面を持っているかのような感覚を得られる。また電源キーの周囲に溝を設けることで、キーが押しやすくなるよう配慮した。

photophoto スマートフォンを安心して使いたい“安定志向層”のユーザーが増えてきたとシャープはみる(写真=左)。さらに美しく表現できる「SVエンジン3」を搭載(写真=右)
photophoto より自然な色合いに変更できる「ナチュラルカラーモード」(写真=左)。ディスプレイそのものを持っているかのようなデザインを目指した(写真=右)
photophoto ディスプレイのフレームの傾斜を設けた「クレッシェンドエッジ」(写真=左)。持ちやすさとサイドキーの押しやすさにもこだわった(写真=右)

 シャープ製スマートフォンでは初のWiMAXについては、通知バーから簡単にオン/オフができるほか、テザリングの設定も通知バーに用意し、手軽に利用できることを特長とした。NFCについては、NFC搭載機器とBluetoothでペアリングをして利用する連携機能も備えた。例えば、NFCとBluetoothに対応したヘッドフォンにISW16SHをかざすと、Bluetooth接続ができるというもの。この機能は「ISW16SHのみが持つ」(福山氏)といい、発表してから「いろいろな機器メーカーから問い合わせがあった」ようだ。NFCとBluetoothを介して外部機器と連携する機能の広がりにも注目したい。

photophoto Wi-Fiテザリングは通知バーからワンタッチでオン/オフを切り替えられる(写真=左)。世界で初めてNFCとFeliCaの両方を搭載した(写真=右)

 シャープが今夏モデルから提供している新しいUI(ユーザーインタフェース)である「Feel UX」は、アプリ/ウィジェット/ショートカットの3列から構成される「3ラインホーム」と「ウェルカムシート」で具現化されている。ロック画面をあえて「ウェルカムシート」という名前にしたのは、「自分らしくカスタマイズしたり、最新情報を得ることができるスマートフォン操作の入り口の1つであるため」と福山氏は話す。例えば画面を左右にフリックすると壁紙(最大5枚)が切り替わり、画面下部には天気予報や音楽プレーヤーの情報が表示される。一方、(ロック解除後に表示される)3ラインホームの壁紙はユーザーが自分で用意した画像を設定することはできないが、5月15日の製品発表後に「壁紙をもっと増やしてほしい」という要望が挙がっため、当初の4種類から急きょ8種類を追加し、製品版では12種類の壁紙が選べるようになった。

 5枚の写真を設定できるウェルカムシートは楽しいが、3ラインホーム上の背景画像に好きな写真を設定することはできない。参加者からは「こうした要望はかなりあると思うが、なぜ設定できないのか。3ラインホームではアイコン周辺が半透過なので、そこまで気にならないのでは」という指摘も出た。これには「好きな写真の上にアイコンが重なるとノイズに見えるという意見もある」と白石氏が回答。ただし「3ラインホームにも好きな写真を設定したい」という声は多いようなので、今後の改善に期待したい。

 この3ラインホームはKDDIからも好評だという。「Androidではウィジェットが使いにくく、スマートフォンユーザーがウィジェットをあまり使いこなせていないという調査結果もあります。一方で、auの夏モデルには新たにauウィジェットを搭載していて、3ラインホームと相性がいいと思っています」と福山氏。3ラインホームでは画面を上下にスクロールするだけで、貼り付けたウィジェットを一覧できるので、閲覧性が高いといえる。ただ、「従来のホーム画面の方がよかった」という声もあるそうで、Android 4.0ベースの「SHホーム」をGoogle Playで配信している。このように選択肢を用意してくれるのはありがたいところだ。

 なお、auのAndroid搭載スマートフォンには「au HOME」というau共通のホームアプリをプリセットしていたが、ISW16SHには3ラインホームしか採用されていない。今回au HOMEを採用しなかったのは、KDDIの意向によるもので、シャープからやめたわけではないという。「夏モデルでは、まだケータイから替えてくる人が多いと思っています。スマートフォンから変える方もいるでしょうが、購入してから2年たっていない方がほとんとだと思います。シャープとしては、スマートフォンに乗り替えたときに直感的に使っていただきたいので、Feel UXを前面に打ち出しました。この点はキャリア様とお話をする中で、共感を得ていただきました」

 これまでのシャープ製スマートフォンのホームUIは幾度となく変更されてきたが、「何かしらのアイデンティティが欲しい。ぱっと見てAQUOS PHONEだと主張したかった」との想いから、今後もFeel UXを継続させていくという。

photophoto ウェルカムシートでは、画面下部に天気予報などが表示されるほか、最大5枚の壁紙を設定できる
photophoto 3ラインホームの壁紙は、発表時から8種類が追加された(写真=左)。アプリは標準アクセス、ウィジェットは情報アクセス、ショートカットはカスタムアクセスとして活用できる(写真=右)
photophoto 「auウィジェット」もプリセットしている(写真=左)。シャープ機種向けの「SHホーム」をGoogle Playからダウンロードできる(写真=右)
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年7月30日