プチプチしない、切れないauのネットワーク 高品質の裏側5年以上の歳月をかけて実現(2/2 ページ)

» 2012年07月24日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR
前のページへ 1|2       

 電話や通信が途中で切れてしまったら、お客様は「なんだよつながらないじゃないか」と思われるわけですが、その状況を逐一教えていただくことは不可能です。後でフォームなどからお客様に送っていただくのも容易ではありません。ですから、その煩わしさをお客様に与えることなく、エリアの状況を教えていただくために用意した機能です。

Photo

 お客様が普段何気なく利用していただいている中で、どこで切れたかという位置情報を取得し、データを蓄積していきます。それがある程度たまってきたら、夜中に送信します。データサイズは小さいので、バッテリーの消耗やストレージにはほとんど影響がないことは検証済みです。

 何か不満を感じられたお客様が100人いらっしゃったとして、実際にクレームを言ってくださる方は2%未満といわれ、氷山の一角なんです。この自動送信機能は、残りの98%の漏れているお客様の声を拾う技術なんです。エリア外の対策は簡単で、クレームをいただいたりして比較的容易に分かるのですが、エリア内なのにつながらないところはなかなかお客様にもおっしゃっていただけません。そういう所を、収集したデータをもとにしてつぶしてきました。現在のエリア設計のシミュレーションにもこのデータが生かされていて、精度はだいぶ高くなってきました。

ITmedia それはすごい仕組みですね。auのすべての端末がその機能を搭載しているのですか?

大内氏 いえ、今はフィーチャーフォンだけです。

ITmedia ということは、最近増えているスマートフォンではまだ対応できていない、ということですね。

大内氏 ええ。でもスマートフォン向けの仕組みも今開発を進めています。今後はスマートフォンにも搭載していきます。

ITmedia 時間をかけて改善してきたからこそ、今のエリアがあるわけですね。

大内氏 これまで私たちは、9万2000件の個人宅を訪問してエリアを調整してきました。こうしている今も2000人くらいのスタッフがエリアの改善に向き合って仕事をしています。実際に作業に当たっていただいている業者さんも含めれば、相当な数になります。こうした地道な作業に手間暇を惜しまず、約5年の歳月をかけてやってきたことで、2011年くらいになって、ようやく及第点と言えるくらいまで品質を高めてこれたと思っています。

 もちろん生活動線上の通信品質の強化も引き続き進めます。地下鉄が一時的に地上に出るエリアや、地下鉄の駅などは、急激に通信が発生する場所ですので、つながらないとお客様が不満を感じやすい場所です。こうした場所の品質も向上させていきます。

エリアの容量を上げるEV-DO Advance

ITmedia エリア内のはずなのにうまく通信できないような、前述の穴のエリアを1つ1つつぶして改善してきたKDDIさんの「質」を改善する取り組みはとても興味深いお話でした。では、「容量」の方はいかがですか。「EV-DO Advance」という技術を、4月10日から世界で初めて導入されましたね。その成果なども教えてください。

大内氏 EV-DO Advanceは、混雑している基地局に接続されている端末を、混雑していない周辺基地局に接続させる技術です。従来より、1.5倍のデータトラフィックが収容可能になり、「実効通信速度が平均2倍に向上する」と予想していましたが、実際にそれを裏付けるデータが取れています。渋谷や池袋など、夜遅い時間帯に混雑する場所でも体感速度が2倍以上に向上しました。

 もともとフィーチャーフォンが主流だった時代は、エリアの容量にはそれほど神経質になる必要はなかったのですが、スマートフォンが増えてからは容量も気にしないと影響が出るようになってきました。EV-DO Advanceは、こうした容量の問題を解決するのにとても有効でした。新しく開発する端末だけでなく、すでにお客様が使っていらっしゃる端末でも効果を感じていただけます。

 また容量という点では、Wi-Fiへのオフロードも積極的に推進しています。家庭では「HOME SPOT CUBE」を75万台以上導入していただきました。公衆無線LANサービスとして展開している「au Wi-Fi SPOT」も10万カ所を設置さらに拡大しています。3Gの通信が混雑しているエリアを中心にWi-Fiスポットを効率的に設置していたりもします。

イベント対策なども含め、これからもつながるauを全力で追求

ITmedia 質と容量の両面から、ユーザーが快適に通信できる環境を整えるのはとても大変な作業ですね。安心して使えている裏に、みなさんの日々の努力があることがとてもよく分かりました。ちなみに旧800MHz帯から新800MHz帯への電波の切り替えが7月24日に予定されていますが、こちらの対策ももう済んでいるのでしょうか。

Photo

大内氏 そうですね。3月には新800MHz帯のエリアはほぼ完成していまして、今は微調整をしている段階です。どうしても電波が止まってしまうとご迷惑をおかけするようなところでは、お知らせをして適宜修正しています。基本的にはノウハウとトライアルの積み重ねがあるので、ほぼ万端と言っていいかと思います。希に、建物の奥のトイレで今まで使えていたのが使えなくなってしまう、といったケースも起こる可能性がありますが、こうした場所も引き続き補っていきます。

ITmedia 前述の自動送信機能などを活用して、しっかり穴をつぶしていくわけですね。

大内氏 あまり努力していることを前面に押し出すべきではありませんが、私たちはぶっちぎりでつながりやすい環境を作るためにひたすら努力を重ねています。花火大会やイベントなど、人が集まる場所には車載型基地局を出して対策をし、極力通信規制が発生しないようにしていますし、行列ができるお店があれば待ち時間のトラフィックが増えますのでそのエリアの対策をしたりします。お客様が気にすることなく、快適に使えるネットワークをこれからも作っていきます。

ITmedia とても勉強になりました。どうもありがとうございました。



前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:KDDI株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年8月31日