―― 裏面イラストの徐倫が意外!でした。ジョジョといえば、承太郎やスタープラチナが定番だと思っていたんですけど。なぜ徐倫だったんでしょう。
岡野氏 その理由は荒木先生しか知らないですし、僕らも聞こうとは思わなかったです。別に知りたくないというか。でも、本当にびっくりしましたよ。3人でメールをやり取りしていて、「ええーッ徐倫キター!」みたいな(笑)。
鹿島氏 この描き下ろしイラストが出来上がったときが、1つのピークでしたよね。
岡野氏 まず徐倫に見えなかったんだよね、最初。
鹿島氏 連載時の表情と違っていましたしね。服も違う。
岡野氏 子供時代なんじゃないかとか、いろいろな想像を張り巡らして。でも意外に、斜め上からの予想していない感じの方が、話題になるんじゃないかという気がします。個人的には、最初は承太郎じゃない方がいいと思っていたんですよ。ジョルノ(※第5部の主人公、ジョルノ・ジョバァーナ)、仗助(※第4部の主人公、東方仗助)、露伴(※第4部の登場人物、岸辺露伴)くらいならありえるなと。そのへんを勝手に想定していたんですけど、まさか徐倫か! みたいな。まったく想像していなかったですね。
―― ですよねぇ。ドコモさんとしては、背面パネルのイラストはどのようにお願いしたんですか?
岡野氏 コミックの中トビラにある、スケッチのようなタッチで描いてくださいとしかお願いしなかったんです。あと、描き下ろしの壁紙の詳細をお話ししようとしていたら、先に荒木先生が承太郎を描かれて(笑)。フルカラーで待受画面に入るものを……くらいしか言ってなかったんです。本当は歴代ジョジョ(8人)のオールスターを描いてくださいとお願いしようと思っていたんですが、徐倫と一緒に承太郎も返ってきちゃって。でも、それでよかったと思います。多分、承太郎と徐倫を描いてきたのには意味があるんじゃないかなと。
―― 2人は親子ですもんね。表に父親(承太郎)、裏に娘(徐倫)という。
岡野氏 はい。それはもうファンが1人1人が想像してくれればいいかなと。だから僕らも(荒木先生の真意は)知らないです。この承太郎の絵は凄いんですよ。なぜか背景に「世界(ザ・ワールド)」(※第3部の敵、DIOのスタンド名)のスタンドが入っていたり。
鹿島氏 細かいですよね。石仮面(※第1部のキーアイテム。装着すると強力なパワーを得て吸血鬼になる)や矢(※第4部のキーアイテム。射貫かれた人間がスタンド使いになる)のモチーフもたくさん入っています。
―― スマートフォンを意識して描き下ろされたんでしょうか?
岡野氏 だと思いますね。画面サイズはお伝えしていたので、この画面に合うものを描いていただけました。
―― この壁紙の承太郎は、連載当時とはタッチが違いますよね?
岡野氏 これは最近(現在連載中の8部)のタッチですね。
鹿島氏 格好いいですよね。エンブレム調というか。
岡野氏 実は、(イラストの)徐倫の角度にも荒木先生のこだわりがあるんですよ。最初、イラストが紙で送られてきて、それをどうスマホに配置するかを、デザイナーさんと相談しながら決めていきました。で、(斜めに入っている)徐倫の身体が、最初は真っ直ぐになるよう置いていたんですよ。すると荒木先生が「違う。僕のサインが辺に対して平行になるようにしてほしい」とおっしゃって。そうすると、徐倫の身体が後ろにのけぞって歩いているように見えるんです。徐倫が歩いている躍動感が欲しかったそうです。
―― 徐倫と荒木先生のサインは1枚の絵で送られてきたんですね。
岡野氏 はい、この状態で届きました。サインを書くと右斜め上に角度が付くと思い込んでいたんです。
―― なるほど、この徐倫の角度にも意味があったんですね。これがジョジョスマホの顔になってますよね。
→TO BE CONTINUED...
(第2部では、メーカーにLGエレクトロニクスを起用、端末にOptimus Vuを採用した意図を聞く)
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