“軽量”を追求、それが使い方を変える──ドコモタブレット「MEDIAS TAB UL N-08D」とNECの攻めどころ(2/2 ページ)

» 2012年09月11日 22時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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ほかよりリアリティのある振動・触感「HDハプティクス」 SDKも公開・CPとのエコシステムも

 「軽さもそうだが、こちらもぜひ体験してもらいたい」とするMEDIAS TAB UL N-08Dのウリ機能、それが「HDハプティクス」による新体感のタッチフィードバック機能だ。

photophoto HDハプティクスとHDリバーブの仕組みと意図を説明するImmersionのウーリッヒ副社長

 HDハプティクスは、米Immersionが開発した新たな小型機器向け振動・フィードバック技術。従来のバイブレーションに用いる小型モーターではなく、ピエゾ素子(電圧により体積が変化する素子。これを制御し、振動させる)を用いて端末全体で細かい振動を感じさせる。反応が速く、より細かく(波長の違い、強さといった)振動を表現できるのが特長だ。例えば、複数のピンポン球と鉄球が当たる感触の違い(コツコツとゴンゴン)、さいころがコロコロ転がっている方向、ギターの弦をはじいて震える位置などを、タブレット単体で擬似的に体感できたりする。

 ゲームとの親和性もかなり高い。本機に合わせて開発したというセガの「ソニックCD」や「ぷよぷよナラベ」はキャラクターの動き・状態に応じて異なる振動が連動して発生し、より奥行き感と臨場感のあるゲーム体験ができる。

 「さらにコンテンツの音に合わせて振動を連動させる、“HDリバーブ”機能も強く訴求したい。既存コンテンツをそのまま“振動対応”にできるのが特長で、音の高揚や変化を解析し、それに合わせた振動を再現できる。また、本機と本機能で新たなゲーム体験を提供できるようImmersion、NEC、コンテンツプロバイダでエコシステムを構築する。アプリ開発者にSDKも配布する」(Immersion ユーザー体験担当副社長のクリストファー・ウーリッヒ氏)

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 「自宅用/家族用とする比率の高い10型クラスに対し、7型クラスのタブレットは60%が常に持ち歩く、70%が個人利用で使う機器で、スマートフォンプラスαの体験を望むニーズに対応できる。ドコモが2012年秋モデルとして2機種の7型タブレットを投入するのも、そんな増えつつある需要に応えるため」(NTTドコモプロダクト部商品企画担当の樋口健氏)

photophotophoto 機器進化速度の速まりとユーザーニーズの多様化に応じ、例年とは異なる時期であっても新モデルを随時投入することにしたドコモ。個人タブレットの市場は順調に拡大しつつあると予測している


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 フィーチャーフォン→スマートフォンの乗り換えシーンとは違い、タブレットは何かの変わりではなく基本は新たに追加導入する機器になる。そこが「それならいらないや」となかなか一般層まで普及しない要因の1つと思うが、とにかくMEDIAS TAB UL N-08Dは、タブレットとしてすごく軽い。この軽さ/薄さなら、確かにノートのような感覚でバッグへ気軽に入れたままにしておける。

  Androidタブレットは、普及しつつあるスマートフォンに対してまだ一部のガジェットファンにしか受け入れられていないかもしれないが、そんな状況は「“圧倒的な軽さ”によるさまざまな恩恵により、これまで興味のなかった人も振り向かせられる」。近々のスタンダードタブレット訴求戦略としては、これでまずは振り向いてほしい──といったところだろう。


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