LTEフルサービスで平均4175.4円/月、純正よりおトク──「@nifty do LTE」のコスパを検証(1/3 ページ)

» 2012年10月30日 17時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

LTEの定額サービスを4000円前後/月で利用可能

photo ニフティが展開するLTEサービス「@nifty do LTE」

 2012年後半、ある新スマートフォンの登場を機会に新世代の高速通信サービス「LTE」が国内すべての通信事業者で展開され、都市圏を中心にサービスエリアも急速に拡大している。

 では、この新世代のサービスはドコモやau、ソフトバンクと契約し、同時にスマートフォンやタブレットを購入しなければ利用できないのか。実はそれ以外に方法はある。しかも、通信事業者の料金プランよりリーズナブルとなればいかがだろう。

 その方法が、MVNOのサービスを利用することである。今回は筆者が「LTEをよりリーズナブルに」をテーマに選択した、ニフティのLTEサービス「@nifty do LTE」の特長と使い勝手を紹介する。


photo 「@nifty do LTE」はXi/FOMA対応のSIMカードが付与され、レンタルのLTEルータとして「AtermMR01LN」を用意する

 @nifty do LTEは、国内大手のインターネットサービスプロバイダである「@nifty」が展開するLTEデータ通信サービスだ。LTEサービスと言っても通信速度を100kbpsほどに低く抑えることで低料金とするサービスも増えている。それはそれでよいが、筆者は@nifty do LTEにおける高速・低遅延なLTEの特長はそのままに、比較的低料金で利用できるサービスとした点に着目したい。

 本サービスはNTTドコモのMVNOとして、同社のXiおよびFOMAのネットワークを利用する。MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)とは、携帯電話通信事業者の無線通信ネットワークを借り受けてサービスを提供する事業者のこと。MVNOのサービスは、携帯電話通信事業者の料金プランにはない利用者のニーズに応じた独自のプランを用意する点を特長としている。


photo 関東圏のXiサービスエリア状況

 最大通信速度およびサービスエリアはドコモのXiと同じ。速度は最大75Mbps(屋内施設など一部エリアにおいて。基本は下り最大37.5Mbps)で、Xiエリアのほか、すでに人口カバー率100%に達している下り最大14MbpsのFOMA(3G)エリアでも利用できる。つまり、Xiエリアではより高速に、そうでないエリアでも国内で携帯電話が使える場所ならほぼ大丈夫。速度とエリアを両立するサービスであるのが大きなポイントだ。

 基本利用料金は定額3937.5円/月(通信料金+@nifty基本料金262.5円を含む。ほかの@nifty接続サービスと併用する場合は3675円/月)だ。契約期間は25カ月(契約月+24カ月)で、以降24カ月単位で自動更新する「定額にねんプラン」で契約する。初回登録手数料は3150円、LTE対応ルータのレンタル価格は24カ月間980.7円/月(機器到着月無料)、26カ月目以降100.8円/月となる。

 なお、2012年11月30日まで実施する初回キャンペーン「Let's do キャンペーン」によりキャンペーン価格を適用したよりお得な価格になる。具体的には、

  • 通信料金を、レンタル機器の到着翌月から24カ月間3480.7円/月に割り引き
  • @nifty基本料金を、レンタル機器の到着翌月から24カ月間0円に
  • レンタル機器のレンタル料金を、機器到着から7カ月目まで0円/月に(8カ月目から25カ月目までは980.7円/月)

 になるお得な特典を用意する。

 こちら、ちょっと分かりにくいかもしれないが、これにレンタル機器到着月(入会月)は通信料金とレンタル料金が発生しないことも加えてまとめると、

@nifty do LTE 利用料金
入会・レンタル機器到着月 0円/月(通信料金:0円+@nifty基本料金:0円+ルータレンタル料金:0円)+登録手数料:3150円
入会・レンタル機器到着月の翌月〜7カ月目 3480.7円/月(通信料金:3480.7円+@nifty基本料金:0円+ルータレンタル料金:0円)
8カ月目〜25カ月目 4461.4円/月(通信料金:3480.7円+@nifty基本料金:0円+ルータレンタル料金:980.7円)
※2012年11月30日まで実施する「Let's do キャンペーン」適用時の実質価格

 となる。

 “入会・レンタル機器到着月”は実際に利用できる期間が申し込み日のタイミングによって異なるので、レンタル機器到着翌月からの24カ月間で考えると、1カ月あたりの平均利用料金は約4175.4円/月となる計算だ。レンタルとはいえLTEルータ機器の料金込みで、高速なLTEも、人口カバー率100%のFOMAエリアでも定額利用できるモバイルブロードバンド接続サービスとしてはかなり魅力のある料金と思う。

 さて、キャンペーン価格が終了する26カ月目以降は通信料金の3675円/月と@nifty接続料金の262.5円/月が発生する(@nifty do LTE定額にねんプランのみを利用する人、以下同)ようになるが、機器レンタル料金は980.7円/月から100.8円/月に値下げされる。25カ月でレンタル機器の減価償却が終わると想定できる分はきちんと還元してくれるので、合計4038.3円/月とリーズナブルな料金のまま使い続けられる。

2013年4月まで(予定)、通信速度規制は行わない

 肝心のモバイルブロードバンドサービスとしての質はどうか。@nifty do LTEで利用できるFOMAエリアの人口カバー率はすでに100%であり、国内においてエリア面の不安はほぼない。また、Xi(LTE)エリアも急ピッチで拡大中であり、2012年度内には全国人口カバー率75%に、2014年度末には同98%に達する予定で、すでに政令指定都市においては100%カバー済みとなっている(2012年10月現在)。もちろんモバイルブロードバンドサービスで何を重視するか、(絶対的な速度、サービスエリア、利用料金や用意するプランなど)で評価は分かれるが「まずはつながること」が重要な人にはとても安心できると思う。

 なお、Xiに代表される(WiMAX以外の)4G世代のモバイルブロードバンドサービスは、公平利用の観点から1カ月あたりのデータ通信量に上限を定め、上限に達した場合には月末まで通信速度の制限を行うのが一般的だ。例えば携帯通信事業者3者の場合、LTEは7Gバイトが上限で、7Gバイトを超えると128Kbpsに通信速度が制限される。限られた帯域の電波を多くのユーザーが共有する以上、過度な利用においてはある程度の制限が発生するのは仕方ない施策だ。

 ただし@nifty do LTEでは、ひとまず2013年3月までは月あたりのデータ通信総量での通信速度規制を行わない。2013年4月以降、@nifty do LTEは5Gバイト/月を超えた場合に当月内の通信速度規制を行う予定としている。

 こちら、これまでモバイルブロードバンドサービスは使ったことがない、あるいは3Gのサービスを使っていたという人は月当たりのデータ通信量を考慮したこともないと思うので、よい意味での猶予期間となるはずだ。この期間に仮に5Gバイト/月を超えるようなヘビーな使い方なら、自宅は固定インターネット回線+無線LANで、モバイルでは低料金化の進んだ公衆無線LANも組み合わせて使うといった対応も勧めたい。もっとも、スマートフォンやタブレットをメインに、たまにPCでも使うといった利用スタイルであれば、ひんぱんにストリーミング動画サービスを見続けるといった極端な使い方でなければ大半の人は5Gバイト/月に収まるはずだ。

 なお、2013年4月以降の通信速度制限値は300kbpsとする予定で、他社の制限値よりいくらか高速な設定になっているのもポイント。300kbpsであれば、スマートフォンはもちろんタブレットやPCでWebを利用してもそこそこ十分実用的な利用が可能な範囲。この点は他社サービスと比較し、利用者へのうれしい配慮と言える部分だ。

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