美しいデザインに未来的な機能満載、ParrotのNC付きBluetoothヘッドセット「Zik」iPod Style

» 2012年12月03日 17時30分 公開
[戸津弘貴,iPod Style]
iPod Style

 Parrot(パロット)の「Zik」は、美しいデザインと高音質を実現しつつ、ノイズキャンセル機能を付加したオールインワンBluetoothヘッドセットだ。タッチセンサーによる操作やジェスチャーによる再生・停止操作など、未来を感じさせる機能が内包されている。

Parrot「Zik」

 外観は、フィリップ・スタルクがデザインした、非常に美しいデザイン。他社製品では男性的デザインなものも多く見られるが、「Zik」は、女性的で優雅なデザインで、なおかつセクシーであるともいえる。ヘッドバンドは金属製、全体で325グラムという重量だが、装着感やヘッドバンドの形状などにより、その重さを感じさせない。

 パッケージには、本体のほか、USB ー micro USBケーブルと、ステレオミニケーブル、収納する袋などが同梱(どうこん)されている。ケーブル類は、本体同様にデザインされており、本体に接続して使用した際にもデザイン性を損なわない。

パッケージ内容(左)。USB ー micro USBケーブルと、ステレオミニケーブルが付属する

非常に美しいデザイン

 ハウジングの内外に4つのNC用マイクが備わっており、外部音のほか、ハウジング内のノイズにも対応することで、98%のノイズキャンセル効果を発揮する。実際に装着してみると、電車内やエアコンなどの低周波ノイズがかなりカットされているように感じた。

 ノイズキャンセル機能のON/OFFは、iOSアプリの「Parrot Audio Suite」を使用して行う。実際の音質に関しては、やや重低音が強めながら高音域までしっかりと出ている感じ。ノイズキャンセル機能により減衰するであろう帯域をより強調しているセッティングと思われるが、環境によっては強調された低音域が目立つと感じる場合もあるかもしれない。

 ヘッドセットのペアリングは、デバイス側のBluetooth同期設定をONにした状態で、ヘッドセットの電源をONにすると「Parrot Zik 00000」などの機器名が表示されるので、機器名をタップするだけで完了する。パスコード(PIN コード)を求められた場合には、「0000」を入力する。Android 4.1以降のNFC対応機種であれば、NFCを使った自動ペアリングも可能だ。

 Zikのもう1つの特長は、バッテリーが切れてしまった時でも有線接続で使用できる点だ。Bluetoothヘッドセットはもちろん、ノイズキャンセルヘッドフォンにおいても、バッテリー、電池がなくなってしまうとヘッドフォンとしての機能そのものが機能しなくなる製品も多い中、Zikは、バッテリー切れになった場合でも、付属のステレオミニケーブルで継続すると音楽を聴き続けることができるのがうれしい。電源OFF(バッテリー残量0)時に、有線接続にて聞く場合は、Bluetooth接続で各種機能を使用して聞く時と比較してフラットな感じを受ける。静かな場所でじっくり聞きたいと言う場合には、この方法も試してみてはいかがだろうか。

バッテリーが切れてもパッシブなヘッドフォンとして利用できる

 Zikは、Bluetooth対応のデバイスであれば、基本的には接続できるが、iOS/Androidアプリ「Parrot Audio Suite」を使用することにより、NC機能のON/OFF、ホールエフェクトやイコライジングなどのフル機能を使用することができる。対応するデバイスとペアリングすると、自動でアプリのインストールが促される。機器のファームウェアアップデートなどもアプリから行う。(※iOS 6.0およびiPhone 5への対応に関しては、最新のアプリから最新のファームウェアをアップデートすることで対応する。ファームウェアが最新という表示であれば、アップデートは不要)。


iOS/Androidアプリ「Parrot Audio Suite」。各種設定やバッテリー残量の確認などが行える

 「コンサートホールエフェクト」は、再生環境のシミュレーションを行うエフェクト機能だ。広いホールでの演奏はもちろん、リビングルームで再生する場合など、環境の違いによる音響効果を得ることができる。これにより、バイノーラル録音されたサウンドドラマだと、耳元でささやかれたり、目の前でしゃべっているような感じを受けたり、川のせせらぎの音を森林のなかで聞いているような感覚で聞くことができる。また、ライブ音源をコンサートホールでステレオ感を出すセッティングで聞いた場合や、ジャズクラブで狭い角度で再生した場合、実際のコンサート、ライブで聞いているような印象を得ることもできた。

「コンサートホールエフェクト」(左、中)とイコライザー画面(右)

 イコライザーは、6種類のプリセットにカスタマイズ可能なユーザセッティングを加えた計7種類。コンサートホールエフェクトとの組み合わせで無限のサウンドエフェクトが行える。イコライジングやホールエフェクトは、アプリによるソフトウェアプロセッシングではなく、ハードウェアに搭載されたDSPによる効果なので、非常に高品質な効果を得ることができる。効果は音源に依存するところもあるので、音源に応じたセッティングを試すのも楽しいだろう。

 さらにもう1つ、Zikの特長として“本体のジェスチャー操作”も紹介したい。Zikは、右側のハウジング側面がタッチパネルになっており、タップで再生・停止、前方にフリックでスキップ(早送り)、後方にフリックでバックスキップ(逆戻し)、上下のフリックでボリューム調整という感じで操作できる。電話がかかってきた時には再生・停止の操作で着信、通話終了を行うことが可能。そのほか、ヘッドセットを外して首にかけるという操作で再生を停止したり、再び装着すると再生が再開されるといったジェスチャー操作にも対応している。例えば、人に話しかけられた時にヘッドセットを外すと同時に再生が停止し、用が済んで再びヘッドセットをかけると再生が再開される。日常の動作に応じて自動的に操作するインテリジェントな機能が内包されており、非常に便利だ。

人に話しかけられた時にヘッドセットを外すと同時に再生が停止し、用が済んで再びヘッドセットをかけると再生が再開される

 それぞれの機能単体でみても及第点だが、それが1つのヘッドフォン(ヘッドセット)に集約された製品としてみると非常に優れていると評価せざるを得ない。発売前に実物を見て試聴する機会があったのだが、その際にこれだけの性能であれば、5万以上の価格設がなされるのではないかと思った。スタルクデザインであればなおのこと。10万を切れば御の字だろうと予想していたのだが、実際には非常にリーズナブルな価格でリリースされた。同価格帯でノイズキャンセル機能のみの有線ヘッドフォンも多く、また、多機能ヘッドフォン(ヘッドセット)は、より高額であったこのジャンルに一石を投じたともいえる。


 実売価格は3万9900円程度。Bluetoothのノイズキャンセルヘッドセットというオールインワンモデルであることを考慮すると、むしろ非常にリーズナブルである。フィリップ・スタルクデザインをはじめ、バッテリー切れでもリスニングをし続けられる仕組み、効果的なノイズキャンセル機能と無数の組み合わせが可能なサウンドエフェクト機能など、品質、機能を考えれば、「本当にこの価格で良いのか?」と思ってしまうほどだ。

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