「IGZO」搭載で“相反する需要”に応える――「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」完成までの道のり(4/4 ページ)

» 2012年12月07日 10時00分 公開
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“カスタマイズ”と“心地良さ”を改善したFeel UX

 UI(ユーザーインタフェース)について、シャープは2012年夏モデルで「Feel UX」を取り入れ、ホーム画面には縦スクロール型の「3ラインホーム」を新たに採用した。SH-02Eでは夏モデルのユーザーから挙がった不満点を解消し、より使い勝手に磨きがかけられている。特に重視したのが「カスタマイズ」だ。

 「Feel UXではもともと電話アイコン、メールアイコン、ブラウズアイコンをドック形式で(画面下部に)入れていたのですが、従来のAndroidユーザーにとっては、ホームや戻るキーがないことに違和感があるという声もありました」と西本氏は話す。そこで、SH-02E(をはじめとするシャープの冬モデル)では、ホーム/戻る/Menu/マルチタスクキーというAndroid標準のキーを表示させる「ナビバー切替設定」を設けるとともに、「ナビバーアプリ設定」を設けて、電話、メール、ブラウザアイコン以外のアプリアイコンを設置可能にした。さらに、3ラインホームの壁紙変更、アプリ/ウィジェット/ショートカットタブの並び替え機能も新たに追加した。任意のアプリを非表示可能になったのも便利だ。また、ウェルカムシートに設置できるショートカットは、2012年夏モデルではカメラ、電話、メールに固定されていたが、SH-02Eでは任意のショートカットを設定できるようになった。

 こうした目に見える機能向上だけでなく、Feel UXの基本コンセプトである“感じること”を意識して、体感的な操作性の向上も目指した。例えば、ウェルカムシートに設定した壁紙をフリックすると、夏モデルでは画像が平行にスライドするだけだったが、SH-02Eでは画像が傾きながらスライドし、また画面に触れた指の位置によって傾きの角度が変わるなど、凝ったエフェクトを用意した。ウェルカムシートに設置できるショートカットは、カギアイコンをタップするだけで、スッとスライドして一覧が表れる。このアニメーションも夏モデルではなかったポイントだ。3ラインホームからアプリを起動する際のアニメーションも変え、中央から四方に広がるようなエフェクトがかかる。「今まではアプリによってはパッと起動するなど、アプリ起動のトランジション(切り替わり)はまちまちでしたが、SH-02Eでは基本的に、ホームから起動するときのトランジションや速度などをいろいろなアンケートでユーザー調査をしながら、最適と思われるものにしています」(西本氏)

 上記コメントのように、アプリ起動時は“起動速度”よりも“心地良さ”を優先したトランジションにしているという。「これは全体的な流れかなと思っていますが、弊社で『Feel UX』と銘打っている以上、ある程度の速度があれば、カンカンカンと動かなくても、むしろボワンと動いた方が気持ち良いだろうと思い、そういった動きにもこだわりました」と西本氏は説明する。

photophotophoto ウェルカムシートに設定した複数の壁紙を切り替える際、壁紙が傾きながら移動する(写真=左)。カギアイコンをタップすると、ショートカットがスッと表れる(写真=中)。3ラインホームで最下部までスクロールすると、アプリのアイコンが傾く(写真=右)

センサーを追加して試行錯誤を繰り返した「音声認識」

photo 錦織理人氏

 SH-02Eで新たなインタフェースとしてシャープが挑戦したのが「音声認識」だ。シャープはFeel UXの延長として、ユーザー導線の短縮と直感操作の実現を目指した結果、SH-02Eの端末内に音声認識エンジンを内蔵することにした。音声認識の用途は、ロック解除、アプリの起動、カメラの設定変更、着信への応答など明確だ。印象的なのが、スリープ時に背面をトントンとたたき(ダブルタップし)、画面オフの状態から直接アプリを起動できること。

 錦織氏によると、特に苦労したのが、ダブルタップを検知する際に使う加速度センサーだという。このセンサーは通常の加速度センサーとは個別に採用している。「スリープ時に、ダブルノックを検知するために加速度センサーを待機しておかなければなりません。その特別なセンサーを、部品がぎっしり詰まっている中で「すいません、センサー1個追加してください」とお願いして(苦笑)このセンサーを載せたり、スリープ状態からダブルタップを検知するというのも初めての試みでしたし、そもそも端末内蔵の音声認識エンジンを用いることも初めてです。やってみないと分からないことばかりで、トライ&エラーを繰り返して調整していきました」と錦織氏は話す。

 西本氏も「初期の段階では、ポンと端末を置いただけで反応したり、意外だったのが、端末を持って階段を下りたときにも反応したことですね。誤認識しないように設定すると、今度は強くたたかないと反応しない……その絶妙なバランスを取るために、終盤まで調整、調整の繰り返しでしたね」と苦労を話す。「まずは誤認識を減らすために、とにかくみんな持ち歩け、と。今日何回予期せず動いたか報告してください、といったこともやりました。使い勝手の面でも、オフィス中に『すいません、たたいてみてください』と持ちまわったり……そんなことを繰り返して調整していきました」(錦織氏)

 音声認識エンジンはアドバンスト・メディア製のものを採用している。アドバンスト・メディアの音声認識エンジン「AmiVoice」は精度の高いことで定評があるが、スマートフォンに採用する上での苦労もあったようだ。「音声認識エンジンは、コマンド用途の場合、精度確保のために長めの単語を推奨しています。今回は『カメラ』『シャッター』などの短い単語で動作するようにしたかったため、当初は精度の確保に苦労しましたが、最終的にはさまざまな工夫を凝らすことにより、実用精度の確保ができました」(錦織氏)

「シークレットモード」「電話帳アクセスモニター」も追加

 セキュリティ面での新機能は、特定のアドレス帳データや電話・メールの着信を非表示にする「シークレットモード」と、アドレス帳にアクセスするアプリを常時チェックする「電話帳アクセスモニター」だ。シークレットモードは、プリインされているアドレス帳だけでなく、Google Playで入手したアドレス帳アプリにも対応している。電話帳アクセスモニターは、アドレス帳のデータを守りたい人には心強い機能だ。「Facebookがアドレス帳にアクセスしても気にする人は少ないかもしれませんが、まさか動画アプリで……というのはあると思います。動画アプリを入れて、もしアドレス帳にアクセスされたら、『○○アプリが電話帳にアクセスしました』という通知が出るんです。その直後にアプリをアンインストールしてもいいですし、アドレス帳へのアクセスだけをシャットアウトすることもできます」(西本氏)

photophotophotophoto 選択した連絡先の情報を非表示にできる「シークレットモード」(写真=左端、左中)。アドレス帳にアクセスするアプリ一覧を確認できる「電話帳アクセスモニター」。アドレス帳へのアクセスを禁止することもできる(写真=右中、右端)

万全の体制で手ブレを抑える1630万画素カメラ

photo 光学式手ブレ補正機能を搭載することで、カメラモジュールが大きくなってしまうので、「回路担当や基板担当にはすごく苦労をかけました」(田中氏)

 最後にカメラにも触れておきたい。1630万画素CMOSカメラを備えるSH-02Eは、電子式手ブレ補正に加えて光学式手ブレ補正も備え、さらに音声でシャッターを切れる「Voice Shot」にも対応しており、まさに万全の体制で手ブレを抑えられる。「とにかく今回のカメラは手ブレしません。手ブレしないカメラに仕上げています」と田中氏も自信を持って言い切る。「カメラのシャッターボタンを押したときにブレるという声があったので、声でシャッター切ることによってブレない形にしています」(田中氏)。さらに、「SH-01Dのお客様からご要望を受けたこともあった」(田中氏)というインカメラにも裏面照射型CMOSセンサーを採用し、画素数は120万にまで上げた。田中氏は、シャッターボタンの押しにくい自分撮りでも、Voice Shotが生きてくるとも付け加えた。

 スマートフォンに1630万もの画素が必要か? という議論もあるだろうが、今回シャープが16メガにこだわったのは、「16倍ズームでも比較的きれいな写真を撮れるようにした」(田中氏)ため。やみくもにスペックを追求するのではなく、しっかりと実際の利用シーンを考えていたわけだ。


 今回の取材を通じて、SH-02Eの肝でもあり、開発陣が特に産みの苦しみを味わったのが「液晶アイドリングストップ」と「サイズ」だと感じた。前者は消費電力、後者は持ち心地という、普段使いに欠かせない要素だ。ハイスペックであることはもちろん、ユーザーの満足度を追求しようというシャープの想いが伝わってきた。IGZOと、それを取り巻くハードとソフトの工夫により、SH-02Eはスマートフォンの階段を1つ上ったと言っても大げさではないだろう。

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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月26日

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