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» 2012年12月14日 20時10分 UPDATE

石野純也のMobile Eye(12月3日〜12月14日):iPhone版「Google マップ」の使い勝手/「203SH」IGZO搭載の理由/ドコモ純減の背景 (1/3)

iPhoneユーザーにとっては待望とも言える「Google マップ」が13日にApp Storeで公開された。使い勝手はどうか。急きょディスプレイに「IGZO」搭載が決まった「AQUOS PHONE Xx 203SH」と、2012年11月にドコモの契約数が純減した背景についても解説したい。

[石野純也,ITmedia]

 今年も残すところ、あと2週間強になった。そんな年の瀬の迫った12月3日から14日までの2週間にも新たなニュースが次々と発表されるのは、モバイル業界の歩みの速さを表しているのかもしれない。とは言え、新製品のお披露目はさすがにひと段落している。このような状況の中、iPhoneユーザーの話題を独占したのが「iPhone版Google マップ」だ。端末については、ソフトバンクの「AQUOS PHONE Xx 203SH」が仕様を変更し、ディスプレイに「IGZO」を搭載することになったのも異例のニュースと言えるだろう。業界全体を見渡すと、7日はTCAが各社の契約者数を発表し、ドコモが純減が波紋を呼んだ。今回は、この3本のニュースを掘り下げていきたい。


待望の“iPhone版Googleマップ”がついに登場! 使い勝手も大幅に進化

photo Googleのプロダクトマネージャー、牧田信弘氏がiPhone版のGoogleマップを解説した

 Googleが13日、GoogleマップのiPhone版を発表した。アプリは同日会見中に、App Storeで公開された。Appleは「iOS 6」に合わせマップを大幅に刷新したが、この完成度が低く、物議をかもしていた。マップ変更の影響は世界中に及び、日本でも、建物の場所が大幅にずれていたり、店舗のジャンルが間違って登録されていたりと、数々の間違いが発見された。謎の「パチンコガンダム駅」や、「王子製紙」になってしまった羽田空港は、一種の“ネタ”になってしまったほどだ。笑えるだけで済めばいいが、マップはいざというときの生命線にもなりえる存在。一連の批判を受け、“マップ問題”はAppleのCEO、ティム・クック氏が謝罪する事態に発展。App Storeでも「マップアプリ特集」が組まれ、ユーザーが代替案を探す動きは広がっていた。

 こうした状況の中、待望のGoogleマップがついに登場した。新たに登場したGoogleマップは、旧iPhoneマップともAndroid版とも異なる、シンプルなユーザーインタフェースを採用。Googleでマップを担当するプロダクトマネージャーの牧田信弘氏が語った「すごくシンプルなユーザーインタフェースで、正確さ、使いやすさ、精度の高さ、検索のしやすさがすべてが統合されたアプリになっている」という言葉に、特徴が端的に表れている。マップの描画は「スムーズに描画できる」(同)ベクター方式で、動作が軽快なだけでなく、見た目にも美しくなった。

 同じベクター方式のAndroid版Google マップとの大きな違いは、常時表示されている検索ウィンドウにある。「検索窓がひとつのエントリーポイント」(同)という考えに基づいており、ここから、キーワード検索やルート検索、アカウントをすべて呼び出すことが可能だ。検索をタップすると、履歴や履歴の付近にある場所まで表示される。検索したスポットにピンが打たれる仕様は、今までのマップと同じだが、「情報シート」と呼ばれる詳細情報は画面下からせり出すように現れる。ここをタップすると、スポットを保存できたり、ストリートビューを起動したりといった操作を行える。

photophoto
photophoto 検索窓は、マップ表示中常時表示される。検索中には、履歴なども確認可能。スポットにピンが打たれると、情報シートが画面下に現れる。上方向にドラッグすると、スターを付ける、ストリートビューを起動するなどの操作を行える

 マップは斜俯瞰の立体表示にも対応しており、2本の指で手前側に引っ張るようにドラッグすると表示形式が切り替わる。iPhoneの標準マップとは逆、Androidのマップとは同じ操作方法だ。ビルなどはAndroidのマップと同様、高さを生かした形で立体的に表示される。クラウドベースの「交通状況」や、「路線図」「航空写真」などへの切り替えは、画面右下にあるタブを引き出して行う。2本指で左に向かってドラッグしてもよい。飲食店などの内部を写真で見られる「おみせフォト」に対応しているのも、これまでの標準マップとの大きな違いと言えるだろう。「SDKも公開しているので、他のアプリから呼び出すこともできる」(同)ので、Google以外の開発するアプリの品質向上にも期待できそうだ。

photophoto マップは、2本指で下方向にドラッグすると、斜俯瞰の立体表示に切り替わる。2本指で左方向にドラッグすると、メニューが出現。渋滞情報や路線図などを呼び出せる
photo 本体を振ると、フィードバックのメニューが現れる。地図情報の間違いや、新機能の要望はここから送ることが可能だ

 ただし、Android版にはすでにある「インドアマップ」は利用できない。Googleアカウントを登録できるようにはなっているが、複数の場所やルートを保存しておける「マイマップ」にも対応していない。こうした要望や、精度の向上については「ぜひフィードバックをしてほしい」(同)とのこと。「精度を向上すべくエンジニアががんばっているが、重要なのはユーザーからのフィードバック。毎日何千もいただいているが、それをiPhoneから簡単に送れるように作った」とのことで、Google マップ起動時に本体を振るだけでフィードバックを送信できる。

 Googleは「ありとあらゆるデバイスを通して、同じ情報、ユーザーエクスペリエンスを届けたい」(同)という目標があり、このマップはあくまでひとつのステップに過ぎないという。現時点ではiPhone版とAndroid版で、ユーザーインタフェースや機能に違いはあるが、差分は徐々になくなっていくのかもしれない。より大画面でマップのよさを引き出せる、iPad版の登場にも期待したい。

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