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» 2012年12月25日 11時43分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2012年の“注目ケータイ&トピック”(ライター荻窪編):今年を振り返ると電子書籍とLINEの年だったと思う

2012年は、電子書籍とLINEが本格的に普及した年だったと思う。電子書籍を楽しむためのデバイスとして重宝したのが“新しかったiPad”こと第3世代iPadと「Kindle Paperwhite」だ。ケータイ文化から普及した「LINE」も面白い。

[荻窪圭,ITmedia]

 2012年は実に面白い年だった。なんというか、さまざまなものが本格的に始動しはじめた年って感じ。

 まずは電子書籍。毎年「電子書籍元年」といわれてきたけど、今年になってやっと「ほんとの電子書籍元年」が来た、あるいは「電子書籍大晦日」くらいにはなった感じだ。

 映像もHuluが本格的にやってきたり、スカパー・オン・デマンドの登場で幅が広がったし。Jリーグ最終節なんか、テレビとiPadとMacBookで(後者2つはスカパー・オン・デマンド)の3台で同時にどこが降格するのかドキドキしながら見比べてたもの。音楽もとうとうSMEがiTunes Storeに登場したし。コミュニケーション系ではやっぱLINEでしょう。

 どれを取っても面白い。そんな中から電子書籍とLINEの話を。

RetinaディスプレイのiPadでマンガと雑誌

photo 第3世代iPad

 秋になって「iPad mini」が登場し、冬になって「Kindle Fire HD」が登場してすっかり影が薄くなったが、個人的にはiPadのRetina化が一番である。いわゆる“新しかったiPad”(第3世代iPad)。9.7インチで2048×1536ピクセルをいち早く実現したのは素晴らしかった。

 ディスプレイ解像度は264ppiである。かなり昔のことだけど、300dpiを超えるとドットが見えなくなり印刷物や写真のプリントと変わらなくなる、ということでカラープリンタが一気に家庭に普及したころを思い出す。それに迫る解像度なのだ。

 これでわたしの中の電子書籍が本格的に立ち上がったのである。RetinaのiPadで電子雑誌を開くと、A4サイズ1ページ分をそのまま読める。文字サイズによってはA4見開きでも読める。しかも(圧縮しすぎなければ)紙媒体より写真がきれい。これはいい。

 雑誌ってある程度たまると結局縛って捨てることになる。後になって「先週号の特集が面白そうだったのに買いそびれた」ってこともある。電子書籍ならどっちも問題ない。縛って捨てる手間もいらないし、古い雑誌の記事をあとから再度チェックしたいときもすぐ引っ張り出せるし、バックナンバーもすぐ買える。

 もう1つRetina化が嬉しかったのがマンガ。マンガの電子書籍化は早くから始まってたけど、Retina iPadの登場でやっとストレスなく読めるようになったのだ。マンガって基本的に「見開き」単位で描かれてる。だから、見開き単位で読みたい。でも解像度が低いと見開きだと小さな文字がつぶれて読みにくい。でもRetinaディスプレイのiPadだと、見開きでも快適に読めるのだ。

 日本のマンガって10巻以上続く大河ものが多くて、本棚をものすごい勢いで圧迫してく。電子書籍だとそれがない。しかも、続きを読みたくなったらその場ですぐ買えちゃう。それはそれで困ることもあるのだが、便利である。いくつかの書籍サイトを使ってみたけど、マンガが充実してて、なおかつ探しやすいのは「eBookJapan」と「BookLive!」という結論に達して、最近はこのどちらかで買うことが多い。

 たぶん、気になってたけど本棚を圧迫したくないなあ……というマンガを数百冊は読みました。素晴らしい。

テキストものは「Kindle Paperwhite」が快適

photo Kindle Paperwhite

 テキストものはやはり電子ペーパーの方が目が疲れないし軽くて読みやすい。というわけで、「Kindle Paperwhite」。

 Amazonから届いた時点ですでにアカウントが登録されているのもいいし、PCやiPhoneで「あ、この本読みたい」と思って購入すると、自動的にKindle Paperwhiteにも落ちてくるのがいい。だいたい、「この本読んでみたい」ってときはiPhoneかPCに向かってるから。

 小説も新書も読んでみたけど、新書ものが向いてるなあと思う。1冊2時間くらいで読めちゃう新書ものの方が、特に時事ネタ系の本は、ネットで存在を知って読んでみたいと思ったとき「すぐに読みたい」「新書で本棚が埋まるのはちょっといやだな」というわけで、電子書籍向きなのである。TwitterのTLやいろんなサイトを見ながら、面白そうだと思ったらKindleストアへ行って、電子化されてたら買って寝床で読む。なかなかよい感じである。

 Amazonで本を探すとき、Kindle版はあるかなと探すのがくせになりました。もう世の中の新書すべて電子化してくれないかなと思うのである。ついでにわたしの本も電子書籍化されるとうれしいのだが、残念ながらまだ1冊もされてません。

 ともあれ、マンガや雑誌はRetinaのiPadで、テキストものはKindle Paperwhiteで――と使い分けるのが今のところ一番快適。

LINEであらためて感じたケータイ文化とPC文化

photo 「LINE」

 3つめは「LINE」。わたしの友人にはいわゆる「アーリーアダプター」が大勢いるおかげで、面白そうな新しいガジェットや、ネット系のサービスは誰かしらが見つけて教えてくれるので、楽をしてきたのだが、LINEだけは周りの話題に全然挙がらなくて、アンテナにひっかからなかったのである。気がついたら思い切り普及してた。びっくり。

 なぜそうだったのか。実際に使ってみて、使ってる人の話を聞いて、なんとなく分かってきた。スマホ自体がPC系の文化から発生したものに対し、LINEはケータイ系の文化から出てきたものだったからだ。身近な人と頻繁にメールでやりとりする文化をスマホ化したのがLINEだったと思っていい。アーリーアダプター層は基本的にPC系文化の人が多いのでアンテナにひっかかりにくかったのだ。

 もうひとつ、PC系文化では、それこそパソコン通信の時代から、ネットワーク時代のコミュニケーションは、性別や時間や年齢や居住地を越えてつながることができる、のが素晴らしいといわれてきたし、大昔、そういう記事を書いたこともある。LINEは逆だ。身近な人と最も手軽につながる手段として登場したわけで、LINEに最初に飛びついた人たちは「見知らぬいろんな人たちとつながりたい」なんてはなから思ってなかったのだ。「見知らぬ人に向けて発信したい」なんて思ってなかったのだ。

 そう考えると、PC系文化で育ってきた我々のアンテナになかなかひっかからなかったのも当然かなと思う。最終的にはLINE的なもの、Twitter的なもの、Facebook的なものを上手に使い分けてくことになるんだろうけど、ケータイ文化とPC文化がスマホという同じプラットフォームに相乗りするという状況がすごく面白く感じた2012年だったのである。

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