―― 新モデルでもカラフルなカラーバリエーションが健在で、HONEY BEEらしさを感じます。
西本氏 技術面ではガラス面の加色もポイントです。201Kでは、フロントのガラス面に彩度の高い色を使っていますが、作る上でもここが一番苦労した部分です。101Kのフロント部分も201Kと同様に見えますが、こちらはガラスに加色しているわけではなくて、ガラスを削って別のパネルを載せています。今回は別ピース構成ではなくて、ガラス面にそのままカラー印刷をしているので、表面がフラットになっています。
フロントが平らで凹凸のないガラス面というのが、イケメンやスマートフォンらしさを表現する大切な部分だと思いましたので、フラットに仕上げています。また101Kでは物理キーに高さがありますが、201Kはできるだけフラットにして、色で見せることを意識しながらデザインしました。
―― Android 4.0になって、多くのスマホが物理キーをなくしています。201Kではそういう考えはなかったのでしょうか。
西本氏 あったのですが、101Kをお使いになった方から物理キーが使いやすいという声が多く寄せられていましたから、201Kでもできるだけ残そうということになりました。デザイン性というよりも、ワンタッチでメールが起動したり、電話に出られたりという利便性を継承しています。アイコンの形が前回はかわいらしい形でしたが、今回は丸みを抑えて子供っぽくならないようにし、本体のフォルムにマッチするようにしました。
横田氏 今は物理キーがない傾向ですね。物理キーのある/なしで、デザイン的な評価も変わってきます。時期によってデザインの流行もあって、KDDI(au)様向けの「DIGNO S KYL21」には物理キーがありません。HONEY BEEはメールと電話のコミュニケーションツールだということで、使いやすさの面で搭載しています。物理キーとタッチ操作の評価はそろそろ出てくるかなと思っています。今後はその結果に対して柔軟に考えていきたいと思っています。
―― 本体側面のキーはカメラ用でしょうか。
西本氏 好きな機能を割り当てられるカスタマイズキーです。101Kではそのキーもハチのおしりをモチーフにしたデザインでしたが、今回はシンプルに丸い形状にしました。
―― 前モデルの101Kは雑貨のようなおもちゃっぽさがありましたが、201Kはそれよりもデザインに高級感があります。
西本氏 フィーチャーフォンやほかのスマートフォンでは、金属調のパーツで高級感を演出することが多いです。HONEY BEEは雑貨のようなカラフルなカラーがコンセプトですから、今まで金属調の処理はあえて採用していませんでした。今回はスマートフォンとして少し大人っぽく、かわいくても高級感があるような処理をしています。電源キーに金属調のキーをあしらい、今までラメを施していたようなところも金属調の質感を意識的に使っています。
もっとスマートフォンらしく、画面の周りを黒一色にしたものも検討しましたが、やはりHONEY BEEブランドで出す限りは、既存の端末ではできないようなことや、店頭でのインパクトも大切にしているので、最終的にこういう形に落ち着きました。HONEY BEEという世界観は大きく崩さないけれど、その中に上質感や大人っぽさを入れることをテーマとして、ガラスの処理やちょい足しリングでブランドイメージを表現しています。
―― 確かに大人っぽく見えますね。
西本氏 女子高生などに話を聞くと、スマートフォンは値段が高いものという印象が強く、外観にしても多少高級感を求めるようです。スマートフォンは、機種を選ぶ際にも「少し上質なものを」という意識が働くようです。
横田氏 スマートフォンを買うことは、ブランドものの財布を購入する価値観に近いというわけです。スマートフォンの選び方は、彼女たちが“パカパカ”と呼ぶフィーチャーフォンの選び方ともまた違ってきています。
―― 201Kは、20代からの「少し大人っぽいHONEY BEEがほしい」という要望に対応したのかな、と思っていたのですが。
横田氏 そうではなくて、女子高生たち自身がスマートフォン自体を大人っぽいものとして認識しているのでしょう。
―― 大人っぽいものでも、ストラップを付けたいという気持ちはあるわけですね。
西本氏 何かを付けたいという欲求はあるようです。以前のように何個もジャラジャラと付けるのではなく、何か1ついいものを、という感覚のようですが。例えば、スマートフォンにケースを付けずに使うのは、彼女たちにはありえないことらしいです。たくさんのものから選べる環境のせいもあると思いますが。
―― 引き合いにiPhoneがよく出てきますが、スマートフォンではやっぱり大きなライバルですね。
横田氏 我々としては、HONEY BEEを好きでいてもらって、HONEY BEEブランドを欲しいと思ってくれる方を少しでも多くしたいという思いです。もっと新しい、こういう世界もあるよ、という提案ですね。
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