クアッドコアCPUや4.7インチHD液晶など高いスペックが目を引く「ARROWS A 201F」だが、それだけにバッテリーの持ちがどれほどかが気になる。そこで、YouTubeの連続再生と1日使った際のバッテリー持ちを調べた。
ソフトバンクの富士通製スマートフォン「ARROWS A 201F」が発売された。本機は、4.7インチのHD(720×1280ピクセル)液晶やクアッドコアCPU(Snapdragon S4 Pro APQ8064)、2GバイトのRAM、1310万画素CMOSカメラを備えるほか、下り最大76Mbpsの高速通信サービス「SoftBank 4G」に対応するなど、高いスペックを誇る。
しかしこれだけスペックが高いと、バッテリーの持ちが気になるところ。201Fのバッテリー容量は、前モデル「ARROWS A 101F」(1800mAh)と比べて約1.3倍の2420mAhで、ここ最近のスマートフォンの中では大きい部類に入る。ただ、Androidはバックグラウンドでの通信が多いので、バッテリー容量が大きいからと言って、必ずしも長時間持つとは限らない。物理的な容量に加え、どれだけ無駄な消費電力を抑えられるかも重要だ。
今回は201Fのバッテリー性能を図るために2つのテストを実施した。1つは、バッテリーが尽きるまでYouTubeの長時間動画を再生し続けるというもの。もう1つは201Fを丸1日使ってみて、どれだけバッテリーが消費するかをチェックするというもの。
まずはYouTubeの動画再生テストから見ていこう。3月6日の8時49分から、筆者の自宅(東京都江東区)で実施した。2時間強の動画を再生し、2時間ごとに再生し直した。自宅はSoftBank 4G圏内で、電波環境は良好だ。そのほかのテスト条件は以下のとおり。
今回のテストで201Fの連続再生時間は485分(8時間5分)だった。これまで、ほかの機種でも同じ場所で同じテストを行ってきたが、連続再生時間は5〜6時間というのが平均的で、8時間以上持った機種は片手で数えるほどしかない。そう考えると、201Fのバッテリーは特に持つと言って差し支えないだろう。
1時間後 | 2時間後 | 3時間後 | 4時間後 | 5時間後 | 6時間後 | 7時間後 | 8時間後 | 連続再生時間 | |
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バッテリー残量 | 91% | 81% | 69% | 56% | 46% | 29% | 12% | 2%(5分後に0%) | 485分 |
2つ目のテストでは、201Fを1日使いながら消費電力の推移をチェックした。テストは3月7日10時からスタート。端末の条件やインストールしたアプリは以下のとおり。
この日は広島出張の予定があった。羽田空港12時20分発の便だったので、10時40分ごろに家を出た。移動中はtwiccaでツイートを見たり、ブラウザ・Y!ヘッドラインでニュースやメールをチェックしたりした。羽田空港に到着した11時50分ごろの残量は95%だった。移動中にネットを使ったわりには、あまり減っていない。飛行中は電源をオフにし、広島空港に到着した13時50分ごろの残量も95%のままだった。なお、筆者が滞在した広島エリアはSoftBank 4Gの圏外で、3Gに接続していた。
空港からタクシーで取材先に移動する際と取材前の待ち時間中も、twicca、Facebook、ブラウザを10分ほどチェック。取材が終わった17時の残量は85%だった。取材後に再び広島空港に向かい、17時30分ごろ到着。19時20分発の便だったので、待ち時間中に201Fを取り出してtwicca、Facebook、ブラウザを数回チェックした。搭乗前の19時10分時点で残量は77%だった。
羽田空港に着いてから帰宅するまでの21時〜22時は、201Fで30分ほどtwiccaやブラウザをいじっていたので、このときが最もバッテリーが減った。21時に75%だった残量は、22時には62%になっていた。
22時30分ごろに帰宅してからは201Fはほとんど使わず、机の上に放置しておいた。就寝時(翌2時)の残量は58%。7時間後の9時に確認したところ、残量は55%だった。7時間で3%しか減らなかったのは、なかなか優秀だ(約2.3時間に1%減の計算になる)。201Fは待受時の省エネ性にも優れていることがうかがえる。
テストを開始してから24時間後の10時には54%だった。3月7日に通信したデータ量は約10.51Mバイト。アプリ別で通信量が多かったのはChrome(6.05Mバイト)、Facebook(2.17Mバイト)、twicca(1.95Mバイト)、Y!ヘッドライン(1.10Mバイト)、RBB TODAY SPEED TEST(1.09Mバイト)だった。YouTubeの動画を見たり、テザリングしたりすれば、さらにバッテリーの消費は増すだろうが、移動中や待ち時間などの数十分間、SNSやブラウザをチェックするくらいなら1〜2日は余裕で持つだろう。
端末の発熱も気になるが、7日に地下鉄での移動時に使ったときに、ほんのり温かくなったかなと感じた程度。Battery Mixアプリが表示する温度が40度を超えることは、2つのテストでは1度もなかった。
今回のバッテリーテストは、おおむな優秀な結果だったが、これは201Fが備えるプロセッサー、APQ8064の性能によるところが大きそうだ。APQ8064のCPUコア(Krait)は、従来のCPUコア(Scorpion)よりも世代が新しく、より消費電力を抑えられる作りになっている。また、Kraitでは製造プロセスがScorpionの40ナノメートルから28ナノメートルに微細化されており、28ナノの方が温度が上昇しにくいとされている。もちろん、201Fが大容量のバッテリーを備えていることも大きい。201Fのスタミナは、ハードとソフトでうまくバランスが取れていると言える。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日