「AQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH」低消費電力の秘密、そこから生まれる“本質的な変化”(1/2 ページ)

ディスプレイに「IGZO」を搭載したことで大きな話題を集めているシャープのスマートフォン「AQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH」。IGZOはどのような仕組みで低消費電力を実現しているのか。また203SHならではの特長とは。シャープの開発陣に話を聞いた。

» 2013年03月22日 10時00分 公開
[西田宗千佳,PR/ITmedia]
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 シャープのフラッグシップ・スマートフォン「AQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH」(以下203SH)は、最大の特徴として「バッテリーの持続時間の長さ」をアピールしている。その秘密は、同社の次世代半導体技術「IGZO」を使ったディスプレイにある。IGZOがスゴい、という話はよく聞くが、その本質はどこにあるのだろうか? そして、それを生かしたスマートフォンを作るとは、どういうことなのだろうか? 203SHの開発に携わった通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 副参事の吉田勝彦氏、グローバル商品開発センター システム開発部 副参事の前田健次氏、マーケティングセンター マーケティング企画部の岩越裕子氏に「IGZOとスマートフォン」の関係を聞いた。

photo 「AQUOS PHONE Xx SoftBank 203SH」。ボディカラーはアーバンブラック、ホワイト、ブルー、レッドの4色

photo 左から岩越裕子氏、吉田勝彦氏、前田健次氏

「サッと止まってサッと動く」、60分の1秒の世界で消費電力を削減

photo IGZO、S-CG Silicon、CG Siliconの消費電流を比べたもの。バックライトの消費電力はIGZOとS-CG Siliconで大差ないが、液晶の消費電流はIGZOの方が10倍少ない。CPUからの画像転送を抑えられるのはIGZOだけだからだ

 IGZOとは、液晶ディスプレイの半導体技術である。具体的には、液晶ディスプレイが「光るか光らないか」を制御する素子を構成しているアモルファス半導体技術を指す。インジウム・ガリウム・亜鉛・酸素を素材として構成するアモルファス半導体……といっても、専門家以外には、何のことかよく分からないだろう。

 IGZOは「光の透過率が高く、バックライトの利用効率が良い」「不要な時に映像の書き換えを止める『液晶アイドリングストップ』ができる」特徴があり、それが消費電力を下げることに役立つ、と言われている。結果、この液晶ディスプレイを採用した203SHは、「余裕の2日間」という長時間の利用可能を実現している。

 でも、よく分からない。この製品に搭載されたIGZOがやっているのは、どういうことなのだろうか?

 「液晶アイドリングストップで『画面の書き換えを止めている』とよく言われます。でもむしろ我々は、『しっかり止まる』『アクセルを踏めばすぐに走り出す』と思っていただきたいんです」

 203SH搭載のIGZOディスプレイ表示システムの開発を担当した前田氏は、IGZOが実現した「液晶アイドリングストップ」のすごさは「まだきちんと理解されていない」と話す。

photo IGZOディスプレイ表示システム開発担当の前田氏

 液晶アイドリングストップとは、すでに述べたように、不要なときに液晶のリフレッシュを抑制することで、液晶の消費電力を下げる機能のことである。これまでの液晶では、画面が書き換わるときはもちろん、同じ画面が表示されているときでも、状態を保持するため液晶のリフレッシュが必要であり、無駄に電力を消費していた。

 IGZOでは、画面書き換えが起きていないときは電力を落とし、消費電力を下げられる。不要なら止めて、必要になったら動かす。「きちんと止めてすぐに動かす」わけだ。IGZOの場合、技術的には制御を60分の1秒ずつに分け、最長で「1秒のうち60分の1秒だけ」動かす形で良い、とされている。以下右下の写真を参考にしてほしいが、203SHに計測機器をつなぎ、IGZOの消費電力変化を実際に計測してみると、そのインパクトは大きい。画面の書き換えが起きなければ、このように「60分の1秒に1度」しか電力は消費されない。従来型の液晶なら、グラフはずっと上に張り付きっぱなしだ。

photophoto 従来の液晶では、1秒間に60回画像を更新しているが、IGZOの場合、静止画表示中は1秒間に1回の更新で済む(写真=左)。ディスプレイの画面書き換えによる消費電力の変化を視覚化したグラフ。黄色の縦ラインが、液晶のリフレッシュに必要な電力を示すもの。こちらは静止画を表示させているときなので、1秒に1回しか電力を消費しない。黄色いラインの間の黒い部分は、液晶のリフレッシュが発生していない時間だ。水色のラインはCG Silicon液晶の消費電力量を示すもの。水色の方が黄色いラインよりも上にあるので、液晶がリフレッシュする際も、IGZOの方が消費電力が少ないことが分かる(写真=右)

 でも、実際にスマートフォンを使っているとき、画面が書き換わらない時間なんて短いはず。実際にはそんなに減らないんじゃない?――。そう思う人も多いだろう。ところがだ。前田氏はこう明かす。

 「実際には、スマホの画面って皆さんが思っているより、書き換えが止まっているときの方が多いんですよ。動画だと消費電力が増える、というイメージをお持ちかもしれないんですが、IGZOだと『動画でも半分になる』んです」

 下の写真は、「メールを書くために素早くタッチしているとき」のものだ。グラフは小刻みに上下を繰り返しているし、意外と長い間「下がりっぱなし」(電力を消費しない)になっている。せわしなく感じがちな「メールを書く」という作業も、60分の1秒の世界で見れば、操作が止まっている時間は思いの外長いのだ。

photo このグラフからは、文字入力をする際の画像更新頻度が分かる。文字を打つと言っても、常に画面に触れているわけではない。打った直後は指が画面から離れるので、その際は画像更新の頻度が60分の1秒に減る。こうしてグラフで見ると、意外と更新を押さえられていることが分かる

 IGZOのメリットが生きるのは、静止画を表示させているときだけ――と思われがちだが、実は動画を再生しているときでも、IGZOの方が消費電力を抑えられる。スマートフォンで再生される映像のほとんどは毎秒30コマなので、通常の半分である1秒間に30回の書き換えで済む。IGZOが制御する「60分の1秒の世界」から見れば、「2コマに1回休める」ことになり、動画でも画面の書き換え回数は従来液晶の半分になるわけだ。ワンセグに至っては毎秒15コマだから、画面の書き換え回数は従来の液晶にくらべ4分の1となる。

 消費電力は、先ほどのグラフの場合、電流の値が「上に来ている時間」の累計で表される。IGZOのように少しでも画面の書き換え回数を削減し、無駄なリフレッシュを抑制するということは、常時電力を消費している既存の液晶ディスプレイに比べ、それだけ消費電力が減る。

 アイドリングストップ車は燃費がいい。だが、IGZOの液晶アイドリングストップは、60分の1秒の世界で制御するがゆえに、利用者が考える以上に消費電力を下げられる可能性がある。

 「常に消費電力を下げる努力はしてきましたが、IGZOは画期的。数年間を先取りする技術を商品に搭載することができたと考えています」――。前田氏はそう胸を張る。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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