ソフトバンク、「つながりやすさ」に絶対の自信 営業利益は“ドコモ超え”実現へ(1/2 ページ)

» 2013年05月01日 12時00分 公開
[園部修,ITmedia]

 ソフトバンクが4月30日、2013年3月期(2012年度)の決算を発表。決算説明会の壇上で代表取締役社長の孫正義氏は、2014年3月期の営業利益が国際会計基準で1兆円を超える見通しであることに触れ、「国内経済史上で、おそらく3番目の営業利益1兆円超えを達成する。春がやってきた」と笑顔を見せた。また、改めてソフトバンクモバイルの「つながりやすさ」を強くアピール。現在のソフトバンクのネットワークは、かつての悪いイメージから大きく改善していると主張した。

積年の思い「10年以内にドコモを超える」実現

Photo 孫正義社長

 ソフトバンクの2013年3月期の連結売上高は3兆3783億円、営業利益は7450億円。NTTドコモの2013年3月期決算は、売上高が4兆4701億円、営業利益が8372億円、KDDIの2013年3月期決算は、売上高が3兆6623億円、営業利益は5127億円と発表されているが、その2社と比較しても非常に優秀な決算の数字といえる。売上高は3期連続で過去最高を更新、営業利益は8期連続で最高益を更新した。2014年3月期(2013年度)の業績予想は、ガンホー連結化にともなう一時益約1500億円を含め、営業利益は1兆円以上と見通す。ドコモは2013年度の営業利益を8400億円と予想しているので、それを超える営業利益を上げることになる。

PhotoPhoto 連結売上高は3兆3783億円、営業利益は7450億円と大きく成長した
PhotoPhoto 2014年3月期(2013年度)は連結営業利益1兆円以上を見込んでおり、実現すれば国内でナンバーワンの地位に上り詰める

 孫氏は1兆円以上という予測について「言ったときはそれを確実に上回る」と明言。「見通せないときは数字を言わない。ここで確実に1兆円を上回ると言ったが、それなりの覚悟で申し上げている数字」と話した。ただ、「国内でのナンバーワンは通過点」とも孫氏は言う。目標は「モバイルインターネット世界ナンバーワン」(孫氏)だ。

PhotoPhoto 積年の思いである「10年以内にドコモを抜く」を実現しつつあるソフトバンクモバイル。目指すは「モバイルインターネット世界ナンバーワン」

3年間で1000万超の純増 Sprintも加えて世界一を目指す

 主力の携帯電話事業は、ボーダフォンジャパンの2005年の1年間の純増数が17万だったことを引き合いに出し、「我々は今では毎月17万以上の純増を獲得している。年間では350万を超える純増を直近の3年間続けており、3年で1000万契約を増やした。純増数はドコモやKDDIと比較しても圧倒的ナンバーワン」と孫氏は胸を張った。ウィルコムやイー・アクセス(イー・モバイル)の純増も足すと、2012年度の純増数は436万に上る。現在手続きを進めているSprint Nextelの買収が完了したと仮定すると、2012年度の純増数は497万になり、米国のAT&Tの376万を超え、Verizon Wirelessの592万に次ぐ、日米で第2位の純増数だという。

PhotoPhotoPhoto 純増数は国内でナンバーワンの実績。3年間で1000万を超える契約を獲得したと胸を張る

 累計契約数は、ウィルコムやイー・アクセスを加えると4188万で、6154万契約を抱えるドコモとの差はまだ2000万弱あるが、Sprint Nextelの買収が完了すれば、一気に9710万に増え、ドコモを抜いてVerizon Wirelessの9893万契約に迫る。

PhotoPhoto Sprint Nextelの買収が成功すれば、グループでの契約数はVerizon Wirelessに迫る9710万になると豪語

 なおウィルコムの契約数も、過去最高を更新。現在PHSと3Gを合わせると536万の契約があり、2011年度の第2四半期以降、黒字が続いているという。なお、ウィルコムは現在会社更生法の適用を受け、ソフトバンクが支援をしている形だが、2013年第2四半期に更生債権・更生担保権(約270億円)を一括弁済し、連結子会社化する予定だ。

PhotoPhoto ウィルコムの契約数は536万と過去最高を更新。2013年度第2四半期に連結子会社化することが明らかにされた
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