HTCのカメラ機能はとてもシンプルでありながら、独自の工夫をたくさんしている。例えば、シャッターボタンを長押しすると自動的に連写になる機能もそうなんだけれども、今回の一番のウリは「HTC Zoe™」。このモードを楽しむことを「ゾエる」という……かどうかは分からないけれども、この機能、すごく面白いのだ。
フルデジタルの時代になっても、写真は高解像度なので最後はプリントして楽しむもの、動画はテレビで楽しむもの、という概念が一般的だったが、写真と映像を混在させて撮るHTC Zoe™は、デジタル時代の新しい写真の楽しみ方を提案してくれる。
「HTC Zoe™」で撮影すると、その「1秒前から3秒後」までの4秒間を20枚連写で表現するのと同時に、撮影から3秒分のフルHD動画も残してくれる。「あっ」と思った瞬間の前後を撮ってくれるので、20枚から最高の一瞬を見つけ出してもいいし、そこからちょっとした面白い瞬間を見つけてもいいし、3秒の動画でシャッターを押した瞬間を映像と音声で楽しんでもいい。
さらに後から連続写真から1枚を合成して、写っている人がみな笑顔の写真を作ったり、動きをヒトコマにまとめたりと、いろんな楽しみ方ができる。「オブジェクトの削除」では、写真の中に映っている通行人などが自動で削除される。
それを端末上で楽しんでもいいし、HTCの専用サーバにアップすることでSNSへの投稿もできる。スマホとネットで完結する、新時代のカメラの楽しみ方だ(※)。
「HTC Zoe™」で撮ったものや、通常モードで撮った動画や写真を統合して楽しめる「ビデオハイライト」も面白い。HTC J Oneはすごく快適にサクサク撮れるので、遊びに行くと何10枚も撮っちゃうし、ゾエったりしたらさらに枚数が増えるので、後から見返すのも大変なのだが、ギャラリーから「イベント」を開くと、なんとそのときのハイライトを自動的に動画にして見せてくれるのだ。
それもイベントアルバムの最初の1コマがその「ハイライト」。再生すると、その日その場所で撮った動画や写真を「30秒のハイライト動画」に自動的にまとめ、エフェクトをかけ、BGMまで付けて上映してくれる。
ユーザーは何もしなくても1日のダイジェストを作ってくれるからすぐ楽しめるし、30秒だから見ていて飽きないし、BGMまで付いているから雰囲気もいい。まるでプロモーションビデオのように楽しむことができる。
「HTC Zoe™」で撮った動画がメインに使われるので、ここぞというとき「HTC Zoe™モード」で撮っておけば、一瞬の積み重ねを動画で振り返って楽しめるのだ。家族や友人と遊びに行ったらぜひ活用してほしい。
Xperia™ ULのカメラは、ソニーの“Cyber-shot™”並みに豊富な撮影機能が目立つ本格派だが、中には“Cyber-shot™”にもない新しい機能も搭載されている。
1つはHDR動画だ。“Exmor RS for mobile”という新型撮像素子は、動画でのHDR撮影を可能にしたのだ。森の中のように日向と日陰の明暗差が激しい場所で動画を撮ると、今までは明るいところは真っ白に、暗いところは真っ黒につぶれてしまいがちだった。でもHDR動画なら広い明暗差を一度に捉えられるので、顔に陽射しが当たってもあまりテカらないし、日陰も真っ黒になったりしない。色もはっきり出るようになる。特に明暗差が大きな構図ではHDRをオンにして動画を撮るといい。
もう1つは連写機能。Xperia™ ULは高速連写機能を持っているが、連写モードで速度を最高速にすると、秒間15枚というスピードで無制限に(つまりメモリがいっぱいになるまで)連写し続けてくれるのだ。
最高速連写では1280×720ピクセルのサイズになるが、細かい動きをちゃんと捉えてくれるので、連写で動きを表現したいとき、最高の一瞬を後から選びたいとき、スポーツでフォームチェックに使いたいときなど、写真だからできる楽しさがいろいろある。
ただし、連写があまりに高速なので、油断するとあっという間に100枚を超えちゃう。気を付けたい。
URBANOならではの撮影機能として「背景ぼかし撮影(※)」を紹介したい。被写体にピントが合っている写真と合ってない写真の2枚を連写し、自動合成することで背景が大きくボケる写真を作ってくれるのだ。特に人を撮るとき、一眼レフで撮ったように背景がボケるというのがウリで、通常の撮影モードで撮ったときより、肌の色もきれいに表現されている。
試しに、背景と人物を分離しにくい構図で撮ってみた。髪の毛と背景の境目はさすがに難しいようだが、全体としてはすごくきれいに背景がボケて、人物が浮き出て見える。これはなかなかだ。
もう1つ注目したいのはギャラリー機能。URBANO独自のファイルギャラリーアプリはこのように、画像・ビデオ・テレビ・サウンドと大きな文字で分類されていて、右にサムネイルがさっと表示されるので、すごく分かりやすいのだ。こういうちょっとした使い勝手のよさや文字の大きさに、URBANOの良さがあるのだと思う。
ざっと3機種のカメラ機能を中心に、条件を合わせて比較したり、各機種固有の機能で遊んだりしてきたが、三者三様で、どの機種もそれぞれの個性があって魅力的だ。
HTC J OneとXperia™ ULは、どちらも最先端のカメラ性能を重視しながら、目指す方向が違っている。高解像度でデジタルカメラのように使えるXperia™ ULと、デジタルカメラ志向からちょっと離れて新しい写真の楽しみ方を提案し、画素数より画素の大きさを重視したHTC J One。そしてURBANOはコントラスト高めでくっきりと写すことを重視した。
1枚の写真を大きくプリントするなどデジタルカメラの代わりに使うなら、画素数が多いXperia™ ULが有利だが、スマホならではの写真撮影や共有の楽しみを重視するならHTC J Oneが魅力的だ。シンプルで使い勝手を重視したカメラを使いたい人には、URBANOをおすすめしたい。
自分の中でスマホのカメラに何を重視するかを見極めて、ベストな機種を選んでほしい。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2013年7月18日