「LINEの影響力×ドコモの安心感」で相互送客を――ドコモが考えるLINEとの協業孫とLINEでつながりたい(2/2 ページ)

» 2013年06月27日 10時00分 公開
[村上万純,ITmedia]
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通話もメールも用途別に使い分けられている

 無料通話が可能なLINEアプリのプロフィール画面にあえて有料のドコモ通話ボタンを配置する理由や、LINEのチャット機能によってドコモのspモードメールが使われなくなるのでは? という懸念についても話を聞いた。「ドコモの通話ボタンを配置すると発表した直後は、さまざまな反応をいただいた」と菅川氏は言う。「LINEアプリにドコモの通話ボタンを配置することで、より多くのユーザーに使ってほしいと思った。実際に、ユーザーはライフステージに応じて無料音声通話とキャリアの有料音声通話を使い分けているという調査結果も出た」とのこと。

 「中高生は少ないお小遣いでやりくりするため、無料通話を使う傾向にある。ドコモでも家族内通話は無料にしているが、クラスメートや友人とのやりとりはLINEの無料通話を使っている。その一方で、大学生や社会人になると、会話の相手が先輩や上司、親しい人以外にも広がっていく。そうなると、つながりやすく音質も良いキャリアの音声通話を使う機会が多くなってくる」と菅川氏は説明する。また、利用シーンとしても、待ち合わせやちょっとした確認の電話など素早く確実に連絡を取りたい場合は、キャリアの音声通話を使うユーザーが多いという。

 浜田氏は「今まではいったんLINEアプリを落としてからドコモの通話アプリを立ち上げる必要があったが、その手間もなくなり利便性が向上する。無料通話を使っていた人にもドコモの音声通話を使ってもらい、通話料の収益向上につなげていきたい」と語った。また、ドコモは「Xiトーク24」でドコモ同士の通話が無料になるため、独自に無料通話サービスを提供することなどは考えていないという。

 また、菅川氏は、spモードメールとLINEのチャットは競合しない部分もあると考える。「ユーザーは、メールとLINEを用途別に使い分けている。誕生日のデコメールのように記録として残したいものや長文のものは、今でもメールが主流。LINEは短文のやりとりに適しているが、リアルタイムで見ていないとメッセージが埋もれてしまうし、長文は見にくい」

これだけで終わるつもりはない

 LINEと協業するきっかけとなったネットワークの負荷対策については、「今後もLINEユーザーが増えて通信に高負荷がかかるので、使い勝手を変えないような有効策を打ちたい」と菅川氏は話す。

 今後の協業内容の展開については「これだけで終わるつもりはない。具体的にはまだ言えないが、さまざまなことを検討している」とのこと。「ドコモはスマートライフパートナーとして、安心、安全を提供する。LINEがリーチできない層へ、プロモーションなどで積極的にアプローチしていく」と菅川氏は意気込みを語った。

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