Zoeで撮っておけば「写真か動画か」という区別すら曖昧になる。それが面白い。撮った後で「これ、動画の方が面白かったのでそっちを使おう」とか「連続写真で使おう」とか「一番よく撮れた写真だけを使おう」って決められる。そこが自由で気楽でいい。
静止画は1秒前分から撮ってくれるので、そのときカメラを向けてさえいれば、撮影するタイミングがちょっと遅れても大丈夫。
動画が3秒というのはけっこう短い。動きものを撮るというより、普通に写真を撮る感覚で撮影し(ただし3秒待つ)、後で静止したように見えて微妙に動いてる様子を楽しんだり、瞬間芸的一瞬や音声を逃さずとらえたり、そういうのが向いている。
20枚写真+動画を後からチェックするのは大変じゃないかと思うのだが、そこは大丈夫。すごくよく考えられているのだ。ゾエった写真をギャラリーで再生すると、こんな画面が現れる。中味は20枚の写真と1つの動画だが、それを「1つのコンテンツ」として見せてくれるからである。
これはよい。見えてるのは1つの写真(カバー写真)なんだけど、その奥にはさまざまなバリエーション(前後の瞬間や動画など)が隠れている感じ。
下にあるスライドバーがちょうど4秒分で、スライダーは1秒たったところにセットされている。ここで再生をタップすると3秒の動画が再生される。スライダーを指で左右にドラッグすると、画像をパラパラめくりながら素早く見られる。このときに表示されるのは動画ではなく、20枚撮影した写真の方だ。
写真としてそれを使いたいときは、指でささーっとドラッグして、うまく撮れた瞬間のカットを使えばいい。動画で流しながらいい瞬間を止めてそれを使うのでもいいし、動画を丸ごと使ってもいい。
HTCが用意したサーバに共有できる「HTC Share」を利用することで、Zoeを丸ごと公開可能だ。どう使うかはご自由に、である。
Zoeは「連写した20枚」という写真を使ったユニークな写真編集機能も3つほど持ってる。連写写真だからできる機能だ。
「オブジェクトの削除」は、指定した写真の前後の写真をチェックして「背景をきれいに整理してくれる」もの。例えばこの写真でオブジェクトの削除を実行してみる。
すると、こんな風に「削除可能なオブジェクト」を探してくれる。さて、ほんとに背景の通行人を消してくれるか。
1つだけ間違って削除可能なオブジェクトと認識されたので、それはいじらないで、ほかの4つを消す。その結果がこちら。
当然だけど、立ち止まっている人は無理。そのほか、背景の通行人は全部消してくれるかなと期待したけど、さすがにそこまではムリだった。指定した写真を基準に前後数枚を比較して移動してる物体を見つけたら、それが写ってないシーンを集めて……っていうことをしてるんだろうな、というのは想像できる。高速連写を使った機能としては面白い。
「スマイル」は集合写真時に有効。集合写真時に全員がいい表情をしてなくても、いい顔をしている部分だけを合成してやればいいじゃん、的なもの。今回、集合写真を撮る機会がなかったので試してない。
3番目は「連続写真」。動いている被写体をカメラ固定で撮ったとき、その動きを1枚に収めようという機能。試しにごろんと転がる猫のZoe写真でやってみた。
要領はオブジェクト削除と同じなんだけど、こんな風に複数の写真を合成してくれる。やってることはたぶん「オブジェクト削除」の真逆だろう。
難しいシーンなので期待通りにはいかなかった面もあるけれども、高速連写写真があるからこそ遊べる機能ってのは支持したい。今後の展開とアイデアに期待。まあ、HTC J Oneを手にしたら、まずゾエってみようというわけだ。
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