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» 2013年07月20日 10時28分 UPDATE

石野純也のMobile Eye(7月8日〜19日):ショップの効率化を目指すドコモ/Googleのマルチデバイス調査で見えたもの/初音ミクARライブの狙い (1/3)

今週は新製品発表などの大きなニュースは少なかったが、重要な施策や調査が発表された。今回はドコモの顧客接点の拡大に向けた取り組み、Googleのマルチデバイスに関する調査結果、ドコモが六本木ヒルズのメトロハットで21日まで開催しているARイベント「HATUNE MIKU AR STAGE」を取り上げる。

[石野純也,ITmedia]

 7月8日から19日にかけての2週間は、夏商戦真っただ中という時期柄、新製品発表のような大型ニュースはあまり多くなかった。ただ、そのような中でも、重要な施策が発表されていることは見逃さないでおきたい。例えば、NTTドコモが7月19日に発表した顧客接点の拡大に向けた取り組みは、スマートフォンが急増する中で生じるユーザーの不満を解消する効果が期待できる。18日にGoogleが発表した、マルチデバイスに関する調査結果も、現状のスマートデバイス市場を知るうえで興味深いデータといえるだろう。今回の連載では、これら2本のニュースに加え、ドコモが六本木ヒルズのメトロハットで21日まで開催しているARイベント「HATUNE MIKU AR STAGE」を取り上げていきたい。コラボモデルである「Xperia feat. HATSUNE MIKU SO-04」についても触れていく。

ショップの混雑をタブレットで解消、来店予約システムもスタート――ドコモ

 スマートフォンの普及に伴い、キャリアショップにかかる負荷が上がっている。受付の待ち時間は延び、気軽に来店して手続きできないことは日常的な光景になりつつある。ドコモも例外ではなく、「スマートフォンで対応が長くなった」(NTTドコモ 販売部長 鳥塚滋人氏)という。同社ではカウンターへの案内を30分以上待たせることが満足度の大きな低下につながると判断し、これを数値化。2012年度は「実績で言うと、30分以上お待たせしたのが16%ほど」(同)と、数値が上がっている。これを「今年度中には3割削減したい」(同)という目的で19日に発表したのが、ドコモショップなどの顧客接点に導入する各種施策だ。

photophotophoto 競争環境の変化によって、顧客接点に対するニーズが変わってきていることを説明するドコモの鳥塚氏。それに伴い、30分以上待つ来店者も増えてしまった

 「店頭(業務)の効率化」(鳥塚氏)という観点で8月1日から1800店舗で本格導入するのが、タブレットを利用した受付システムだ。端末はドコモの顧客情報管理システムに直結しており、「簡単なご注文であれば、タブレットだけでオーダーが完結する」(同)。料金プランや住所の変更、オプションの取り外しなどは、この端末で行える。端末のカタログとしての側面もあり、「電話機購入は途中の部分までタブレットで処理して手続きだけカウンターでしてもらう、そんな使い方もできる」(同)という。ドコモの最新モデル同士の比較に加え他社端末のデータも入れ、MNPでの流出抑止も狙う。

photophotophoto タブレットで契約情報を取得し、簡単な注文まで受け付けられる。また、端末情報の参照や比較も可能。他社端末のデータも用意される

 7月1日には、ドコモマイショップサイト上で来店予約を開始。これは、あらかじめ日時を指定しておくと、来店後最初に空いたカウンターに案内される仕組みだ。以前から関西地域限定で予約システムを運用していたが、「あちらは日時を指定して予約するのではなく、順番予約。お店に行かなくても(順番待ちの)発券ができるもの」(鳥塚氏)と、来店予約とは若干位置づけが異なっている。今後は、「端末の予約ができるなど、もう一段の機能拡充を予定している」そうだ。修理受付のオンライン対応も開始する。

photophoto 7月1日には、マイショップで来店予約を行えるようになった(写真=左)。24日には、修理の受付もオンラインで始める(写真=右)

 もちろん、店頭での効率を上げるだけでは限界もある。そこでドコモは「お店を増やすより、今あるお店をリニューアルで拡大して、質を上げることに取り組んでいる」(鳥塚氏)。接客用カウンターは2年で10%増となる1500程度増やし、人員も増強。2年間で5500人を新たにショップに投入している。店舗の増床や改装については、2012年606店舗で行った。スマートフォンの普及に合わせて、店舗内の什器を平台に変え実機に触れるようにしているのも、リニューアルの一環だ。

photo ショップのリニューアルを行い、カウンター数やスタッフ数を増強している

 それでも、スマートフォンならではの接客の難しさは残る。例えば、ドコモ以外が提供するサービスやアプリに対してのサポートはその1つだ。「気持ちとしてはいろいろなニーズにお応えして対応したい」と鳥塚氏は言うが、現実的には「応用操作のところは全体でできるようにするのは難しい」(同)。Googleアカウントの取得や設定といった初期設定についても、ドコモのサービスではない部分が多い。Androidに標準搭載されるマップやGmailなども、あくまでGoogleのサービスだ。そのため、「初期設定をサポートすることはやっているが、それ以上どこまでやるのか。明確な基準があるのかというより、最低限だけはサポートしている」(同)というように、スタッフによって対応にばらつきがある。スマートフォンユーザーのすそ野が広がる中、このような問題は今後ますます大きくなりそうだ。

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