“iPhone戦線”でドコモはどう戦うか――NTTドコモ加藤社長 単独インタビュー神尾寿のMobile+Views(2/2 ページ)

» 2013年09月20日 15時00分 公開
[神尾寿ITmedia]
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ドコモの機種変ユーザーと学生層を重視した理由

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―― 今回、iPhoneの端末の実質価格や料金プランは、ドコモのケータイやスマートフォンからの乗り換えにお得なものになっていますね。このあたりは強く意識されたのでしょうか。

加藤氏 ええ、「(ドコモの)フィーチャーホンを使ってきた方が、気軽にiPhoneに機種変更できるようにしよう」と考えました。フィーチャーホンユーザーでスマートフォンが気になっているけれど不安も感じている方にとって、iPhoneは使いやすいですし、周りに同じiPhoneユーザーも多いでしょうから、(初めてのスマホとして)最適なものなのです。ですから、ドコモのフィーチャーホンユーザーがiPhoneに乗り換えやすくする、という点は重視しました。

―― あと、もうひとつ注目したのが学生向けの料金が安いということです。これは他社も追随してきましたが、今回、学生向けのiPhone料金を最初に安くしたのはドコモです。ここはかなりこだわったのでしょうか。

加藤氏 実はですね、まだドコモでiPhoneを出すと決める前に、ある場所のトイレで学生さんに「加藤社長、お願いですからドコモでiPhoneを出してくださいよ。僕はiPhoneが使いたいんです」と話しかけられたんです。そのとき、若い人は本当にiPhoneが好きなんだな、と実感しました。ドコモでiPhoneを出すときは、是が非でも学生向けの料金を安くして、(iPhoneが好きな)若い人たちに喜んでもらいたいと考えていたのです。ですから、(他社に先駆けて)iPhoneの学割を充実させたのです。

―― 学生層にとって、iPhoneのナンバー1キャリアを目指した、と。

加藤氏 そうですし、そうありたいですね。

―― あと今回は、過去にドコモから転出したユーザー向けとして「ドコモへおかえり割」も用意されました。

加藤氏 これまでドコモにiPhoneがなかったことで、iPhoneが欲しくて他社に移られていったお客様は少なくありません。そういった方に「遅くなりましたけれど、ドコモからiPhoneを出せました。ドコモにお戻りいただけませんか」という気持ちで、おかえり割を作りました。MNPでは過去のお客様の履歴が把握できますので、ポイントの復活をさせていただきますし、他社でご購入された旧モデルのiPhoneも下取りさせていただきますので、ぜひドコモにお戻りいただきたいと考えています。

―― 来年の春商戦は、iPhoneを軸にかなり競争が激しくなりそうですが、そこに対する見込みはいかがでしょうか。

加藤氏 来春商戦にはiPhoneにまつわるさまざまな準備ができている、という形になるでしょう。ネットワークの部分はドコモが一番になるようにしますし、各種サービスのiPhone対応もひととおり完了します。そして、これはまだお話できませんが、それ以外の部分でも新生活を向かえるお客様に喜んでいただけるようなことを考えています。

―― 最後に、ITmediaの読者にコメントをいただけますか。

加藤氏 端末、ネットワーク、サービスの総合力の部分では、ドコモがナンバー1と自負しています。ぜひ、ドコモのネットワークとサービスで、iPhone 5sとiPhone 5cをお楽しみいただければと思います。

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