5s/5c発売の影響も――iPhoneアクセサリー市場の最新動向を読み解くiPhone普及の裏で動く巨大ビジネス 第1回(2/2 ページ)

» 2013年11月22日 17時48分 公開
[大野泰敬,ITmedia]
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玩具系周辺機器が急成長

 これから最も市場の成長が期待されるのが、玩具系周辺機器だ。岡部氏によると、2012年は取り扱いが15種類くらいだった商品も、現在は約6倍の100種類以上に急拡大しているという。海外ではかなり一般的になってきているiPhoneと連携した知育系玩具が、日本国内でも今後さらに成長することが予想される。最近はiPhoneと通信するだけではなく、アプリと連携した周辺機器が増え始め、「おもちゃや知育系玩具は店頭での引きもよく、お客様からの問い合わせも多い」と竹下氏もクリスマス商戦に向けて期待を寄せている。

photophoto iPadと専用のアプリケーションでお絵描きなどができる(写真=左)。iPhoneをぬいぐるみにセットし、専用アプリで遊ぶ「Ubooly」(写真=右)
photophoto 専用アプリを起動して、セットすると3Dで子犬が現れる「Looksi Pups」(写真=左)。まるでおもちゃ売場のような店内(写真=右)

2013年に大ヒット!――ヘルスケア周辺機器市場

 ヘルスケア商品も2013年は活発に商品が供給された。中でもJAWBONEのライフログリストバンド「UP」が人気だ。いまだに品薄の状態が続くほどの人気で、ナイキやアディダスなどのスポーツメーカーや、ソフトバンクグループもこの分野に参入するなど、今後さらに拡大していきそうだ。

photophoto 身に付けているだけで、睡眠、運動、食事の情報を記録し、データを無制限に保存。JOWBONEの「UP」は、いまだだに品切れの状態が続くほどヒット商品になった(写真=左)。歩数、距離、昇った階数、カロリー消費、睡眠時間が記録でき、スマートフォンやWebサイトで詳細データを管理する「fitbit」。睡眠は起きた回数や充実度もグラフで表示する(写真=右)

2200億円の国内市場から世界へ

photo 店舗での無料フィルム張りサービス。購入するユーザーのほとんどが利用している

 急激に拡大する市場で、周辺機器を販売するためのショップの出店ラッシュが、さまざまな場所で続いている。UNiCASEショップを展開するエムフロンティアもその1社だ。2012年まで4店舗だったが、現在は9店舗に拡大。2014年には20店舗に拡大する予定だ。

 同社はただ出店を加速させるだけではなく、他社との差別化を積極的に行っているという。「これだけ商品数が多くなってくると、どんなお客様にも対応できるスタッフの専門性が求められます。新人スタッフは素材や形状、使い方など、2カ月もの期間、徹底してiPhoneや周辺機器、接客などを研修し、日本一詳しいスペシャリストを育成しています」と竹下氏は語る。

 また、品ぞろえも強化している。「ここでしか買えないものや、オリジナル、コラボ商品にも力を入れ始めています」と岡部氏。

 周辺機器市場は、今後さらに競争が激化することが予想される。これは販売店だけではなく、メーカーにとってもだ。ここ最近は異業種からの参入も多くなってきている。LINEやGREEなどもプラットフォームの強みを生かしながら、IPのライセンス事業などにも力を入れ、周辺機器市場にも参入し始めている。

photophoto 販売店もオリジナルケースなどにも力を注いでいる(写真=左)。周辺機器だけではなく、自社IPのLINEグッズなども展開(写真=右)

 今後さらにiPhoneやAndroidなどのスマートフォンがモバイル市場を席巻し、国内だけではなく、世界でも周辺機器ビジネスが広がっていくだろう。単なるケースや機器とつながるという形から、新たな技術を使い、私たちの生活に関わるすべてとつながる新しい周辺機器市場が、近い将来起こり得るからだ。その巨大マーケットで、誰がその主導権を握っていくのか。今後も注目していきたい。

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