“ドラクエ”や“KOF '97”がスマホに登場――古参ゲーマーが重い腰を上げた1年ITmediaスタッフが選ぶ、2013年の“注目端末&トピック”(編集部村上編)(2/2 ページ)

» 2013年12月26日 10時00分 公開
[村上万純,ITmedia]
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“ドラクエ”に“KOF”、歴代の名作がスマホアプリに

photo 初代「ドラゴンクエスト」(C)SQUARE ENIX

 そして何より、2013年で一番印象的だったのは、「ドラゴンクエスト」シリーズのナンバリングタイトルがスマホ向けにラインアップされると発表されたことだ。第1作目の初代ドラクエが期間限定で無料配信されたこともあり、多くの人がスマホで名作を楽しんだ。今回のドラクエ配信は、長らくゲームから遠ざかっていた人が初めてスマホでゲームをするきっかけにもなっただろう。個人的にも、スマホのゲームアプリは気軽に遊べるカジュアルゲーム、もしくはパズルやカードゲームばかりという印象があったが、最近はそのクオリティの高さに驚くこともしばしば。Google Play主催の「ゲーム オブ ザイヤー2013」を受賞したコロプラの「魔法使いと黒猫のウィズ」や、同社が提供する「一瞬のスキマX」などは、そのきれいなグラフィックにも注目したい。

 ドラクエだけでなく、同じく同社の人気シリーズ「ファイナルファンタジー」やSNKプレイモアの格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS」など、昭和生まれにとって往年の名作が続々とスマホに登場してきている。最近では「THE KING OF FIGHTERS '97」がアプリ化され、草薙京や八神庵(いおり)などおなじみのキャラクターたちが暴れ回る。同社の「真サムライスピリッツ」やカプコンの「マーヴル VS.カプコン2」なども、年末年始セールの関係かApp Storeで売れ筋となっている。ゲームセンターや家庭用の専用コントローラーで修行を積んでいた昔の格ゲーマーたちは、スマホのユーザーインタフェースをどう感じているのか気になるところではあるが、思ったように操作できないもどかしさは、熟練したゲーマーほど強く感じるだろう。

photo (C)SNK PLAYMORE

 このほか、同じく年末年始セールとして、スパイク・チュンソフトが12月18日からサウンドノベルシリーズ「428 〜封鎖された渋谷で〜」「かまいたちの夜 Smart Sound Novel」「9時間9人9の扉 Smart Sound Novel」「忌火起草」のスマホアプリを500円で配信し、話題を集めている。小説を読むようにゲームが進行していくサウンドノベルはアクションゲームのように反射神経が問われることがないので、スマホと相性がいいジャンルといえる。家庭用ゲーム機と同様、やり応えのある重厚感あるストーリーが低価格で楽しめるのはありがたい。

photo (C)Spike-Chunsoft

 浮き沈みの激しいソーシャルゲーム業界だが、2013年はコンシューマーゲームのリメイク作品が充実していく年でもあった。特に「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」が2800円という比較的高い価格でありながら、App Storeの有料カテゴリーで1位になっていることは、スマホアプリ業界にとってインパクトが大きいはずだ。「Free To Play」(プレイ自体は無料だが、アイテム課金などができるゲームのこと)が主流のスマホアプリ市場に新しい動きはあるのだろうか。一ゲーマーとして、2014年もゲームをしながらスマホアプリ界を見守っていきたい。

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