ソフトバンク音声定額に「あれ、高くない?」――KDDI田中社長の決算会見囲みにツッコミ石川温のスマホ業界新聞(2/2 ページ)

» 2014年02月07日 12時14分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」
前のページへ 1|2       

―― エリアに関して、各社が一番だと言い合っている中、ユーザーはなかなか選べないが、この状況をどう見ているか。

田中社長 うち、いいと思っているんだけど。真面目にそう思っている。いま、総務省で検討している。実人口カバー率のような構造になっている。いまの開示ベースのものに近づいている。そういうのがまとまれば、それに従うと約束している。そうなるんじゃないかと思っている。

(★ 2GHzオンリーのiPhone5はひどかったが、iPhone5sでプラチナバンドが使えるようになって、かなり良くなった。そりゃ、800MHzが使えるとわかっていたら、2GHzのエリアは準備しないよな)

―― 第4世代の周波数割り当ては3社で40MHzずつで納得しているのか。契約者数に応じた傾斜配分ではなくてもいいのか。

田中社長 

「40MHz、あれね、LTEのスペック上は20MHzなんですよ。キャリアアグリゲーションをかけるのだが、20MHzの倍数にしないといけない。放送が使っている周波数帯を利用するのは急には無理だし、120MHzをどう割るんだという議論。20MHzで割ると6社になるし、40MHzだと3社になるという議論なので、なかなか難しいんじゃないの。

(★ 3社で割り当てるのがケンカもなく、無難な感じかと)

―― 右側(注、エリック・ガン社長)に座っていた人が40MHz以下なら訴えるぞと言っていたが。

田中社長 言っていました? あ、そうですか。聞いていなかった。右の方と左の方(孫社長)で言うことが違っていた。

―― スマートバリューのうち、新規はどれくらいなのか。

田中社長 手元に数字はないが、30ぐらいなのかな。3割ぐらい。あまり変わってないんじゃないかと思う。

―― まだ、スマートバリューmineのほうは伸びていないのか。

田中社長 mineは徐々に上がってきている。一人暮らしの女性を僕は狙っているんだけど、男の人が多いみたいだが、やっぱり新生活組、そういうものですね。

(★ 自分も学生で一人暮らしだったらmineにしていると思う)

―― 3月に向けてという感じか。

田中社長 そうですね。これからですね。

―― スマートバリュー全体に占める割合的にはどれくらいになるのか。

田中社長 すいません。それなりに寄与というくらいなものではないか。現実的には。

―― ソフトバンクの音声定額プラン、現段階では追うつもりはないのか。

田中社長 あんまり。即はない、少なくとも。もっと値下げして追っかけるって、期待されてます?

―― 音声とデータをまとめてシンプルに見せたと言う点は評価できる点もあるかと。

田中社長 あんまり、まだ僕自身、納得感がなくて。もう少し考えたい。ああくるか、という感じだった。

(★ 確かにあの設定には誰も納得感がないと思う。ソフトバンクらしくないというか、安いという感じが全く伝わってこない)

―― 無理くり感があるように思えたが。※印がいっぱいあるし。値上げになるし。

田中社長 まだお客さんのマジョリティは音声ではなくてデータ。音声をセンシティブに考えるお客さんは、みなさんがお付き合いする人ではないですね。そういう人はデータを使わない。2台持ちの片方を音声にするか、そもそも音声ばっかり使う人。そうすると少し違う。ニーズ待ち型で作るのか、いろんなセグメントをくっつけて料金を作るのかというのはある。

(★ このコメントを分析すると、田中社長としてはデータ通信料金を変えるほうが優先されるという認識なのではないか。データと音声をパックにするのではなく、むしろデータを安くしたほうが世間にインパクトが与えられると見ているようだ。だからこそのスマートバリュー、データシェアプランなのではないか。音声通話料金で勝負するなら、ウィルコム対抗として、フィーチャーフォンに特化する形なのかと)

―― ソフトバンクがサブブランドでイー・モバイルとウィルコムを使おうとしているが。

田中社長 あれ、どうなるんですかね、合併すると。エリック(ガン、イー・アクセス社長)に聞いてみたんです。3.5GHzの時に『何になるの?』って。そうしたら、ヒ・ミ・ツって言ってましたよ。

(★ エリック・ガン社長は滝川クリステルの「お・も・て・な・し」みたいに「ヒ・ミ・ツ」って言ったのか気になるところ)

―― ユーザーセグメント別に2段階と言う可能性はどうか。

田中社長 そういうのもありかも知れませんね。ウィルコムを使われている方はそれなりにエンジョイして使われているのかと。

―― 禁断のアプリ、終わっちゃいましたけど、それに変わるものは出てきますか。

田中社長 鋭いですね。なんかね、いろいろ考えていますので、またお時間をいただくことがあるかと思います。

(★ やっぱり音声通話関連では何か仕掛けてきそうだな)

―― 春闘についてお考えを。

田中社長 うち、まだ労組から要求が来ていなくて、来てから回答しようと思っている。まだ会社でどうするか決めていない。一時金とかベアとかあるが、まだ方針は決まっておらず。

囲みを終えて

 先日の新製品発表会後の囲みといい、やはりVoLTEを契機に何か仕込んでいる感のある田中社長。プラチナバンドLTEでのネットワーク構築も、VoLTEを全国で快適に使うための環境としては不可欠なものだし。この流れからするにVoLTEで単に音質が良くなりました、だけではない差別化が出てきそうか気がするのだが。

 いずれにしても、ソフトバンクの料金に「高くない?」と突っ込んでくれたということは、KDDIにはそれなりの料金設定を期待してもいいのだと思う。

 囲みの様子は動画でも視聴できます。

http://www.youtube.com/watch?v=7UVJWO_6i6g

前のページへ 1|2       

© DWANGO Co., Ltd.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年