デザイン/カメラ/通信を再設計――世界最薄LTEスマートフォン「Ascend P7」の全容(1/3 ページ)

» 2014年05月09日 23時26分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 5月7日、Huaweiは最新スマートフォン「Ascend P7」の発表会をパリで開催した。より美しいボディ、使いやすくなったカメラ、そしてLTEに対応するなど、2013年に発売された前モデル「Ascend P6」を大幅にブラッシュアップした製品となっている。

Huaweiのブランド認知度は2012年の25%から52%に向上

 Huaweiの「Ascend P7」は、スタイリッシュなデザインと高性能な機能を搭載した同社のスマートフォン「Pシリーズ」の最新モデル。CPUは1.8GHz駆動のクアッドコア、ディスプレイは5型フルHD、内蔵ストレージは16Gバイトで、32GバイトまでのmicroSDを使える。本体サイズは68.8(幅)×139.8(高さ)×6.5(厚さ)ミリで、LTEスマートフォンとしては現時点で世界最薄の製品となる。

photophoto 会場となったパリのMaison de la Mutualite。報道関係者は世界各国から約600人が集まった(写真=左)。会場内ではAscend P7の開発コンセプト「Excellence with Edge」の文字が目立つ(写真=右)

 Huaweiのコンシューマー・ビジネス部門CEOのリチャード・ユー氏は、2013年7月に発表した「Ascend P6」の販売実績を説明した。Ascend P6は100以上の国と地域で販売されており、累計販売台数は400万台を突破するベストセラーモデルになったという。販売台数は月ごとに前月を上回る数を記録しており、2014年に入ってからも売れ行きは好調とのこと。デザインと機能のバランスの取れたAscend P6の好調な結果は、Huaweiのブランド認知度を大きく高め、2012年の25%から2013年は52%に向上した。

 Ascend P6を含むスマートフォン全体の売れ行きもよく、Huaweiのスマートフォンの世界シェアは2013年に3位にまで上り詰めた。だがユー氏は「3位になったことで満足はしていない」と言う。スマートフォンの開発には2014年も前年以上にリソースをかけ、同社のスローガンである「Make it Possible」、つまり「不可能を可能にできるような製品」を市場にこれからも送り続け、販売数の引き上げを狙っていく構えだ。

photophoto 2012年から投入しているAscend Pシリーズ(写真=左)。2013年はスマートフォンのシェア3位となった(写真=右)

 これらを踏まえ、Pシリーズの最新モデル Ascend P7が発表された。Ascend P7の製品コンセプトは「Excellence with Edge」。ヒットモデルとなったAscend P6の感性やデザインをさらに引き上げた製品であり、特に「職人仕上げのようなデザイン」「カメラ体験」「コネクティビティ」の3つの部分を重点的に再設計したとのこと。

 スペックが向上しただけではなく、より美しく高級感のあるデザイン、使い勝手にこだわったカメラ機能、各国で普及が広がるLTE対応、改善されたUI(ユーザーインタフェース)など、Ascend P7はさらにエレガントに、そしてパワフルな製品に仕上がっているという。

 Ascend P7は6月2日から先行して欧州やアジア、中東など33カ国で販売が開始される。ほかの国はそれ以降の発売となるが、Ascend P6と同様に100カ国以上での販売が予想される。日本は先行販売をする33カ国には入っておらず、現時点では未定。本体のカラーはホワイト、ブラック、ピンクの3色。価格は欧州ではSIMフリーの単体品が449ユーロ。通信事業者との契約によって割り引かれる予定だ。

photophoto P6から3つのポイントを再設計した(写真=左)。Ascend P7を披露するリチャード・ユーCEO(写真=右)
photophoto 欧州で発売されるSIMフリー端末の価格は449ユーロ(写真=左)。6月2日から33カ国で販売が開始される(写真=右)

職人が作り上げた質感を目指したデザイン

 Ascend P7の強化ポイントのうち、デザインと仕上げについては、Huaweiのモバイルデザイン部門バイスプレジデント(VP)、キム・ジュンス氏が「デザイン」「クラフツマンシップ」「インサイド&アウトサイド」の3点を説明した。

photophoto デザイン面を説明するキム・ジュンスVP(写真=左)。Ascend P7のデザインに関する3つのポイント(写真=右)

 本体の形状はAcend P6でも採用している「ダブルC」を踏襲している。底部の前後のカーブと、本体上部の左右へのカーブの2つの組み合わせであり、これがAscend Pシリーズのオリジナリティを表現しているという。また、スマートフォンは近年ディスプレイサイズの大型化に伴い、本体サイズも大きくなっているが、手に持ったときに自然に操作できる大きさとボタン配置を心がけた。

 Ascend P7はP6よりも0.3インチアップの5インチディスプレイを搭載しているが、本体の厚さは6.5ミリに抑えられている。この6.5ミリの薄さはLTEスマートフォンとしては世界最薄としている。ディスプレイ左右のベゼル部分も2.97ミリに薄くし、前面全体に占めるディスプレイの比率は72.16%にまで広げられている。その結果、片手でホールドした状態でも電源や音量の上下、画面のタッチなど指先1本で操作しやすくなっている。

photophoto 上部と下部それぞれが曲面のダブルカーブデザイン(写真=左)。LTE端末としては世界最薄の6.5ミリを実現した(写真=右)
photophoto iPhone 5sやGALAXY S5といった他社の上位モデルよりも画面が広い(写真=左)。使いやすさを第一に考えたデザイン(写真=右)

 クラフツマンシップ(職人)が作り上げたような質感を出すために、金属素材を多く取り入れたこともポイントの1つだ。スマートフォンに金属素材を使うとコストが上がるだけでなく、アンテナ感度が落ちるなどパフォーマンスの低下を招きかねないが、キム氏は「Ascend P7は最高品質の素材を採用することで、所有者にプレミアムな体験を与えられる」と考え、金属素材にあえてチャレンジした。表面には細かいテクスチャーを取り入れ、本体表面は7層の素材で仕上げられている。側面や角などディテールの仕上げにもこだわり、「職人芸」ともいえる要素をちりばめた。

photophoto 金属素材をあえて採用して高級感を出している(写真=左)。細かいテクスチャーにより表面の表情が変わる(写真=右)
photophoto 表面は7層仕上げ(写真=左)。最表層は第3世代のCorning Gorilla Glassを採用(写真=右)
photophoto 角の部分などのデザインもきっちりと仕上げている(写真=左)。本体は3色をラインアップ(写真=右)

 Ascend P7は、P6よりも一回り大きくより高解像度な5型フルHDディスプレイを搭載している。このディスプレイに表示されるアイコンやウィジェット類は「バランス、ナチュラル、シンプル」をモットーにデザインがすべて再設計された。アイコンデザインはフラットなものになり、カラーには自然の色を取り入れた。アイコンデザインや背景をセットで変更できるテーマも100種類以上あり、Ascend P7を好みの見た目に変更できる。

photophoto ディスプレイは5型になり、解像度もフルHDとなった(写真=左)。使いやすさと見やすさを考えたアイコンデザイン(写真=右)
photophoto 自然色を採用した各アイコンのカラー(写真=左)。100以上のテーマで自由にカスタマイズできる(写真=右)
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