使うほどに便利さを実感できるスマホ――「ARROWS NX F-05F」ファーストインプレッション文字入力だけではありません(2/2 ページ)

» 2014年05月30日 00時00分 公開
[井上翔,ITmedia]
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炎天下に強い「WhiteMagicディスプレイ」も進化

 F-01Fで採用された「WhiteMagicディスプレイ」。白画素を追加した“RGBW”液晶によって、バックライトに頼らず輝度を向上し、結果、炎天下での視認性向上と省電力性の向上の両立に成功した。

 F-05Fでも引き続きWhiteMagicディスプレイが採用されているが、輝度は最大800カンデラから1000カンデラに引き上げられた新型パネルになっている。最大輝度時の液晶の消費電力はF-01FとF-05Fで同等になっているため、結果的にF-01Fと同じ輝度で表示している場合は液晶の消費電力が低くなっている。炎天下でもより安心して使えるようになった。なお、WhiteMagicの弱点だった色味に関しても、改善が図られ、ほかの液晶や有機ELディスプレイと比べたときの色の違和感は大幅に少なくなった。

photo さらに明るくなったF-05FのWhiteMagicディスプレイ。同輝度で比較した際の消費電力はより少なくなった

ヘビーユーザーこそ恩恵に与りやすい「急速充電2」

 F-05Fではドコモの2014年夏モデル共通の特色である「急速充電2」に対応している。これは、オプションの「ACアダプタ05」と組み合わせることで1時間で1800mAh以上できる、という機能で、Qualcommの「Quick Charge 2.0」規格に準拠している。この通りに行くと、F-05Fでは1時間でバッテリー容量の56.25パーセント相当以上を充電できる、ということになる。

 そこまで充電速度に差が出るものなのか疑問に思った筆者は、従来のACアダプタ04と、ACアダプタ05を用意し、バッテリー残量を15パーセントまで減らしたF-05Fで充電が完了するまでにかかる時間を比較してみた。すると、前者では充電完了まで2時間ほどかかったのに対し、後者では1時間半ほどで完了した。バッテリー容量を考えると、この30分の差はかなり大きい。富士通の受け売りではないが、「うっかり充電を忘れてしまった朝など、急いでいるときに便利」(富士通のF-05F製品情報サイトから)というのは間違いなさそうだ。

photophoto ACアダプタ04で充電した際のグラフ(写真=左)とACアダプタ05で充電した際のグラフ(写真=右)。後者のほうが30分ほど早く充電が終わっている

 富士通独自の省電力機能「NX!エコ」も上手に活用すれば、バッテリー持ちがさらによくなる。詳細設定で徹底的に省電力を追求する、使い勝手に悪影響を与えないように必要性の薄いものだけ設定する、といった具合に簡単に設定できるように工夫されている。

photophoto 標準ではシンプルにオン/オフができる「NX!エコ」(写真=左)。詳細設定では、細かいところまで設定できる(写真=右)

より安定した通信環境を確保できる「マルチコネクション」

 公衆Wi-Fiサービスが使える場所が広がってきた今日この頃。パケット定額サービスなどで通信容量制限がかかっていることもあり、積極的にこのサービスを使っている方も少なくないだろう。しかし、Wi-Fiを常時オンにしていると、微弱な電波をつかんでしまい、結局通信できないでイライラ、なんていうことも少なくない。微弱な電波を無視する機能も付いているが、この場合、逆につなぎたいアクセスポイントに接続できない場合もあって、かえってイライラすることもある。

 そんなときにおすすめしたいのが、「マルチコネクション」機能だ。これは、Wi-Fiと3G/LTEを同時接続しておき、Wi-Fiの電波が微弱になってきたら自動的に3G/LTEの通信も行い、途切れることなく通信を継続することができる機能で、ドコモ向けARROWSでは初搭載となる。F-05Fでのマルチコネクションは、標準ブラウザアプリだけでなく、富士通が指定するアプリでも利用できるようになった。対応アプリは、富士通の「FMWORLD」(http://www.fmworld.net/product/phone/f-05f/)に掲載予定なのでチェックしておこう。

 電車で通勤・通学している場合、駅ではWi-Fiスポットにつながり、駅間では3G/LTEになってしまい、通信が途切れてイラっとすることがよくあるが、マルチコネクションを活用すればこのようなイライラは軽減できる。自宅のWi-Fiルーターなど、優先的にWi-Fi接続をしたい場合は、優先設定することもできる。

 ただし、マルチコネクションは性質上、Wi-Fi接続中もパケット通信が行われる場合がある。また、バッテリー持ちにも若干ではあるが影響がある。パケット量やバッテリー持ちを重視する方は留意しておきたい。

photophoto マルチコネクションはWi-Fi設定から有効にできる(写真=左)。マルチコネクションはWi-Fiを利用するほかの機能やVPNの利用中、海外ローミング中などは利用できない(写真=右)
photophoto マルチコネクション中はマルチコネクションアイコンと、Wi-Fi、3G/LTEの通信インジケーターの両方が表示される(写真=左)。なるべくWi-Fiを優先したいアクセスポイントは、明示的に指定することもできる(写真=右)

より便利になった「フルセグ」

photo 待望のアンテナが本体に内蔵された。別途アンテナケーブルを持ち歩かずに済むのは大きい

 日本で初めてフルセグ受信に対応して世に出た先代のF-06E。ワンセグよりハッキリクッキリ番組を楽しめるという点では大きな進歩だったのは間違いないが、外付けアンテナケーブルを視聴時に接続する必要があったり、フルセグの録画やデータ放送に対応していなかったりと使い勝手面で改善の余地があった。

 F-05Fでは、本体にテレビ用ホイップアンテナが搭載され、アンテナケーブルをぶら下げる必要がなくなった。また、テレビアプリも新バージョンとなり、フルセグのデータ放送の受信や録画にも対応した。外出先や帰宅時に、テレビで時間をつぶす、という使い方をしている方には歓迎すべき機能だろう。

photophoto フルセグでもデータ放送に対応し、双方向番組にモバイル環境で参加できる素地が整った(写真=左)。フルセグの録画にも対応したので、夜に録画しておいた番組を出勤・通学時に楽しむ、なんてこともできる(写真=右)

 今回は、ULTIASを中心に、F-05Fで新たに追加、改善された機能を中心に触れてきたが、“NX”が目指してきた安定性や使い勝手のよさはF-05Fでも当然引き継がれている。日本人がスマートフォンを使う上で、求められることを真剣に見つめて作られたこの機種は、使えば使うほど満足できるはずだ。気になる人は、ぜひ店頭で手にとって体感してほしい。

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