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» 2014年07月23日 18時40分 UPDATE

「シニア」なんて呼ばないで:人とつながりたいアクティブな熟年層を全力支援――富士通がシニア向けスマホで実現する価値とは?

「使いやすく洗練されたデザイン」を実現した端末と「家族や仲間とのつながり」を支援するサービス。2つのコンセプトを掲げる富士通のシニア向けスマホが7月26日に発売される。

[村上万純,ITmedia]
photo 「らくらくスマートフォン3 F-06F」

 丸みを帯びた手触りのいいデザインに、本体色と統一された画面色。富士通が7月26日に発売する「らくらくスマートフォン3 F-06F」は、“シニア向け”をうたいながらも、いかにも高齢者向けの外観にはせず、「特別なものと感じさせない」(グラフィックデザイナーの原研哉氏)ことを意識したデザインに仕上がっている。前モデルの「らくらくスマートフォン2 F-08E」では色による視認性を高めた画面デザインを採用していたが、F-06Fでは普通のスマートフォンと同じ感覚で使ってもらうことをより重視した。また、9月中旬にはフィーチャーフォン「らくらくホン8 F-08F」を発売する予定。F-06Fと同じく、ケータイに不慣れな人に配慮した機能を充実させている。

photophoto カラーバリエーションは、ホワイト、レッド、ブラックの3色
photo 左側面に電源キーとボリュームキーを備える
photo 右側面下部にカメラキーを、上部にはワンセグアンテナを搭載した
photophoto 左から端末上部と底面

 7月23日に開催された富士通の新商品・サービス発表会で、富士通執行役員 高田克美氏やグラフィックデザイナーの原研哉氏などが、新商品の魅力を語った。

photo 左から、富士通モバイルプロダクト統括部長 林田健氏、ゲストの大竹しのぶさん、富士通執行役員 高田克美氏
photophoto 「らくらくホン8 F-08F」

タッチ操作や文字入力など、「使いやすさ」を改善

 フィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換える高齢者層がまず戸惑うのが、タッチパネル操作と文字入力だ。「タッチパネルではボタンを押しているかどうか分からない」という声が挙がることもあり、しっかりボタンを押す感覚を得られる「らくらくタッチ」を導入している。

 また、文字入力には高性能な日本語入力システム「Super ATOK ULTIAS」をF-06F用に組み込んだ。「らくらく2タッチ入力」では、「あ」行を長押しすると「あ・い・う・え・お」のポップアップが表示されるといったように、2つのタッチ操作で文字入力が可能。1つのボタンを何度も押すトグル入力よりも少なく分かりやすい操作が魅力だ。

photophoto 文字入力には高性能な日本語入力システム「Super ATOK ULTIAS」を搭載(写真=左)。直感的な操作性を重視した「らくらく2タッチ入力」を採用(写真=右)

 そのほか、大きく見やすいホーム画面のアイコンや文字フォントなどはそのままに、目的のアプリにワンタッチでたどり着ける「ワンタッチダイヤルボタン」を9件に増やすなど、カスタマイズの自由度を向上させた。端末右側面にあるカメラキーを長押しして画面を拡大するといった直感的な操作性も特徴だ。

 通話機能では、音域に合わせて声を強調・補正する「スーパーはっきりボイス4」や、相手の声がゆっくり聞こえる「ゆっくりボイス」など、子どもや孫との通話をサポートする機能を充実させている。

 有効約810万画素のメインカメラは、薄暗い場所でも自動で手ブレを防止する「インテリジェントシャッター」や、シャッターを押したタイミングから撮影できる「ゼロシャッター」など、小さな子どもを撮影する際に便利な機能を搭載した。

photophoto 子どもの撮影をサポートするカメラ機能を充実させた

家族や同年代の仲間とのつながりをサポート

 F-06Fでは、送られてきたメッセージ付きの写真を待受画面でそのまま確認できる「ファミリーページ」を用意。メールを開く必要がなく、左右のスワイプ操作で複数の写真を見られるので、子どもの写真をアルバムのように手軽に閲覧できて便利だ。らくらくスマートフォン以外のスマホ向けにもファミリーページ専用アプリを7月25日からリリースする。シニア世代を親に持つ子ども層向けアプリとして、iOS/Android用に配信される。

photophoto 離れて暮らす家族間のコミュニケーション不足を解消する「ファミリーページ」
photophoto トップ画面で写真を確認できる(写真=左)。子ども層向けファミリーページアプリも7月25日にリリースされる(写真=右)

 同年代とつながれるよう、写真やメッセージを投稿できるSNS「らくらくコミュニティ」も用意した。専門スタッフが24時間体制で投稿を監視しているので、安心して利用できる。また、らくらくコミュニティに新たにゲーム専用掲示板を設置した。同年代間のコミュニケーションを活性化する狙いだ。

 また、富士通はNTTドコモとの連携を強化していく方針を示している。「dメニュー」ではラジオ感覚でニュースを聞ける「まいチャネル」の配信を開始したほか、2014年8月中にLINEアプリもダウンロードできるようになる。しかし、Googleアカウントには対応しておらず、「Google Play」から新たにアプリをインストールすることはできない。

「アクティブな熟年層」と「通信でつながる家族の形」をイメージ

 高田氏によると、らくらくスマートフォンシリーズは累計2300万台以上を販売し、900万人以上のユーザーを抱えている。高田氏は「富士通の中でも重要な商品群と位置付け、高齢化社会の中で求められる多様な価値をNTTドコモとともに開拓していく」と意気込みを語った。富士通モバイルプロダクト統括部長 林田健氏は、「人と社会をつなぎ、シニア向けに新しい価値、感動、喜びを与えるスマートフォン」をこれからも提供し続けると話す。

photo グラフィックデザイナーの原研哉氏

 過去に2端末のデザインを手掛けた原氏は、F-06Fをデザインするにあたり、「アクティブな熟年層」をイメージしたという。シニア向けスマホのターゲットは50歳以上。高齢者と聞いてイメージされる「老人」とは少しイメージが異なる。また、核家族化が進む中で、ここ10年で家族のあり方も大きく変わってきたと原氏は説明する。「同じ家に暮らすだけが家族の形ではなくなってきた。離れて暮らしていても、通信でつながる“離散型家族”のあり方もある。それをサポートしたい」とし、こういった熟年層や家族の形をイメージして端末を作り込んだと話す。


photophoto 「家族のあり方もここ10年で変わってきた」と原氏は話す

 「シニア」と一言で言っても、スマートフォンやタブレットなど新しいモノ好きでアクティブな人から、機械に疎く携帯電話の操作に不安を感じる人まで、その実態はさまざまだ。シニア層がスマートフォンを手にする大きな理由の1つに、子どもや孫との交流が挙げられる。「多様化するニーズに応えていきたい」と高田氏が話すように、富士通は今後も家族間の交流を促進する仕組みをハードウェアとソフトウェアの両面で強化していく構えだ。

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