基地局の電波干渉を抑えて通信速度が向上――KDDI、LTE-Advanced向けの新技術を実験

» 2014年07月29日 18時34分 公開
[田中聡,ITmedia]

 KDDIとKDDI研究所は、LTE-Advanced向けの無線機内蔵小型アンテナ「アクティブアンテナシステム(Active Antenna System、以下AAS)」に、電波を強める方向と弱める方向を制御できる「指向性制御技術」を実装した屋外実験を実施した。

 2014年3月から栃木県栃木市にて、AASをマクロセルに用いた屋外実験を行ったところ、従来の基地局装置と比較して、マクロセル内のスモールセルエリアでのダウンロード速度が約1.6倍となることを実証したほか、基地局の消費電力を約50%低減できることを確認したという。AASでは電波を部分的に弱められ、ほかの基地局との電波干渉を抑えられたことが功を奏した。

 AASは、同一筐体に複数のアンテナと小型無線機を搭載した基地局装置。従来装置と比べてカバーエリアが拡大するほか、基地局設置の省スペース化、消費電力や基地局設置コストの削減などに貢献する。3.5GHz帯など高い周波数帯ほど効果が高く、4G以降のモバイルネットワークでの活用が期待される。

photophoto AASの仕組み(写真=左)。AASの外観(写真=右)
photo 指向性制御技術による通信品質改善のイメージ

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