MVNOはSIMロック解除やクーリングオフをどう見る?――IIJの場合IIJmio meeting #4(2/2 ページ)

» 2014年08月12日 11時57分 公開
[房野麻子,ITmedia]
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iPadのテザリング封じには「かなり怒っています」――参加者との質疑応答

 最後のセッションでは、来場者がさまざまな質問や要望を伝え、それにスタッフ3氏が答えるという形のフリートークが行われた。その中ではSIMロックフリーiPadがキャリアアップデート後にテザリングできなくなった件についても言及された。以下が主な質問と回答だ。

―― みおふぉんはキャリアメールに対応する予定はないのか

堂前氏 IIJでメールサービスを提供しているので、そちらを契約して設定していただくと使えるが、プッシュ通知がないので使いにくい。社内ではたびたび議論しているが、まだ結論が出ていません。

―― 海外のオペレーターではAPNの設定が必要ないところもあるが、そのようにできないのか。

堂前氏 技術的にはできる話だが、我々の認証サーバがISP時代のクラシカルな仕様を引き継いていることもあり、現状では難しい。ただ、多くのISPさんが個別にユーザー名とパスワードをエンドユーザー様ごとに発行しているのに比べると、IIJの場合は全員同じもので分かりやすくなっています。

―― LINEは今やキャリアメールと同等の価値がある。でも、みおふぉんだどID検索ができない。できるようにならないか。

堂前氏 問題は認識しています。いい方法がないかと考えていますが、まだ具体的な内容はお伝えできません。何とかしようとしてアクションはしていますが、すぐに解決できる技術的見込みがなく、まだ一山二山ありそうです。

―― SIMロックフリー端末をIIJ本体が売っていく予定はあるか。

佐々木氏 理想としては端末を扱わない方がいいと思っています。我々は主要キャリアと違うビジネスモデルの方がいろいろなバリエーションが出るとは思っています。しかし、端末とSIMが一緒じゃないと買ってもらえない事実もあって、何年かかけて変化するだろうと思っていますが、それまではいろんな方法をやっていくことになると思います。例えば、IIJのグループ会社であるhi-hoは端末とSIMを一緒に売っています。いろんな模索をしているのが現状です。

―― iOSのテザリング問題はについて作戦あるか。

佐々木氏 話せることがあるかといえば、ありません(苦笑)。iPadについてユーザーにご迷惑をおかけした件ではかなり怒っています。少なくともiPhoneについては、SIMロックフリーモデルでテザリングできないと、我々はみなさんが購入される前にお伝えしていました。できないならできないと伝える、それが最低限の礼儀だと思っています。

 ただ、iPadについては、販売されてテザリングをずっと利用されていたユーザーが、ある日突然使えなくなってしまった。少なくとも電気通信事業法上、事業者がやってはいけないこと。それが、ドコモさんに責任があるかどうかはこの場では言えませんが、ドコモさんの責任がある話だとすれば、とても許せることではありません。ドコモさんには、今、いろいろ調べてもらっていますので、少しでもいい方向にいけばいいなと思っています。

―― 固定回線と組み合わせたサービスの提供は考えているか。

佐々木氏 検討はしています、と言っても問題はないかな。ただ、セット割はユーザーからすると囲い込み。それが正義なのかどうか。前述の通り、キャリアさんとは別のビジネスモデルで勝負したいという気持ちがあるので、単にセット割という世界に持っていきたくはない。もっと付加価値を付けて、ユーザーから見たときにMVNOらしい、IIJならではのサービスを提供できないかと個人的には思っています。

―― ウェアラブルデバイスについての考えは

佐々木氏 ウェアラブル端末はBluetoothで通信し、母艦のスマートフォンが必要という位置づけで、我々としてはまずスマートフォンを出していかなきゃいけないよね、という段階です。SIMロックフリースマホがある程度出てきて、ウェアラブルはその次かな、という認識でいます。ウェアラブルでSIM搭載のデバイスもありえるかもしれませんが、正直、我々はそこを切り開くよりは、その前にSIMロックフリースマホをもっと売れて、買える環境にしたいという気持ちです。

堂前氏 個人向けではありませんが、法人向けではIoT(Internet of Things)やM2M(Machine to Machine)は粛々と進めています。

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