格安SIMで活用したい通話アプリまとめ――無料VoIPアプリ編(3/3 ページ)

» 2014年08月28日 07時00分 公開
[房野麻子,ITmedia]
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comm――シンプルな音声通話機能を搭載

 「comm」は、Mobageでおなじみのディー・エヌ・エーが提供する無料通話・メッセージアプリ。LINEやカカオトークなどと同様のサービスを利用できるが、高音質な無料通話や公開グループでのコミュニケーションをアピールしている。なお、通話品質に関しては、後日、050IP電話や090番号表示通話サービスとともに検証を行う予定なので、ここでは割愛する。

 commの新規登録は携帯電話番号とSMSで届く認証番号の入力で行う。以前はFacebookアカウントを利用した簡単登録ができたようだが、今回試したときはそのメニューが表示されなかった。そのため、そのまま携帯電話番号を入力して手続きしたが、MVNOのSMS対応データ通信用SIMで無事に登録できた。

photophoto 初期登録画面。以前はFacebookの簡単登録も選べたようだが、今回はその表示がなくなっていた(写真=左)。「送信」をタップするとSMSで認証番号が届くので、それを入力する(写真=右)

 無料通話をするには友だちリストから相手を選び、「無料通話」をタップする。ただ、トーク画面からは無料通話の履歴がないと発信できなかった。また、グループチャットは可能だが、グループ通話、ビデオ通話には対応していない。通話機能はシンプルだが、アピール通りの高い音質に期待したい。

 無料通話をしたくない相手はブロックできるほか、通話機能を無効にすることができる。なお、通話機能を無効にすると発信もできなくなる。

photophoto 友だちリストから通話したい相手を選び、「無料通話」をタップすれば発信できる(写真=左)。「MUNU」→「設定」→「通話機能」で無料通話機能をオフにすることができる(写真=右)
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WeChat――多機能ながら操作の表現に違和感も

 対応言語の多さを誇る人気上昇中の無料通話・メッセージアプリ。無料の音声通話やメッセージの送信以外に、ボイスメッセージやビデオ通話、現在地の送信なども可能だ。

 これまで紹介した無料VoIPアプリ同様、携帯電話を入力し、SMSで認証番号を受け取るか、Facebookアカウントでログインすることで、初期登録ができる。しかし今回、SMS対応SIMにも関わらず、なぜか認証番号を受信することができなかった。ドコモの通常SIMで手続きしたところ問題なく登録できたので、MVNOでも音声対応SIMならできたかもしれないし、そのときたまたまSMSの調子が悪かっただけかもしれない。ほかの方法も用意されているので、いずれかで登録できるはずだ。なお、初期設定後、再びMVNOのSIMに差し替えてみたが、どの機能も問題なく利用できている。

photophotophoto 携帯電話番号で初期設定する場合は、氏名、SMSが受信できる電話番号、パスワードを入力する(写真=左)。確認コードが届かない場合は「確認コードを受信していませんか?」という文字をタップすると対処法が選べる(写真=中)。今回は別の電話番号で登録したが、後から「設定」→「マイアカウント」→「電話」で電話番号を更新できる(写真=右)

 音声通話は連絡先から相手を選んで「音声呼び出し」をタップするか、チャット画面で機能メニューを呼び出して行う。チャット画面の機能メニューからはビデオ通話も利用できる。また、メッセージ入力欄の左にあるアイコンをタップすると、ボイスメッセージモードになり、入力欄を押したまま音声を録音し、送信することができる。さらに、トランシーバーのようにボタンを押している間だけ話して互いに会話ができる「Walkie Talkie」という機能も用意されている。なお、グループチャットやグループでのWalkie Talkieには対応しているが、グループ通話は対応していない。

photophoto 無料通話は連絡先から相手を選び「音声呼び出し」をタップすると発信(写真=左)。チャット画面でメッセージ入力欄右の「+」をタップすると出現するメニューからも可能(写真=右)
photophoto 同じく入力欄左にあるアイコンをタップするとボイスメッセージモードになり、録音した音声を送信できる(写真=左)。「Walkie Talkie」は複数の人とトランシーバーのように会話できる機能(写真=右)

 機能的には充実しているが、操作の名称や言葉が若干分かりにくいと感じることもあった。例えば無料通話は「音声呼び出し」。ビデオ通話は「動画呼び出し」となっているが、日本ではあまり使われない表現だ。また、無料通話の終話ボタンは、本来「電話を切る」とするところ「電話を切りました」と表示されており、すでに電話を切ってしまったのかと間違えそうになる。もう少しこなれた日本語にしてほしいところだ。

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Skype――やり取りには相手の承認が必要

 SkypeはPCのメッセンジャーサービスから進化してスマートフォンに対応したサービス。メッセージのやり取りや音声通話、ビデオ通話が可能だ。初期設定でメールアドレスやSkype名の登録が必要なので、これまで紹介したスマートフォンに最適化された無料VoIPアプリよりは手続きが面倒に感じられる。なお、Microsoftが買収したため、Microsoftアカウントでのログインが可能だ。

photophoto PCでSkypeを利用している人はSkype名やMicrosoftアカウントでログイン。画面下の「アカウント作成」で新規登録ができる(写真=左)。Skype名やパスワード、メールアドレスの登録などが必要で、ほかの無料VoIPアプリより初期登録に手間はかかる(写真=右)

 Skypeでメッセージや無料通話を相手とやり取りするには、相手のSkype名やメールアドレス、電話番号などで検索し、コンタクトの承認を受けることが必要だ。知らない人からのコンタクト要求は拒否することができ、安心感がある。

 無料通話は連絡先リストから相手を選び、通話アイコンをタップして「Skype通話」を選ぶと発信する。相手が応答すると通話画面が表示され、ビデオ通話に切り替えることも可能だ。クループ通話をスマートフォンで開始することはできないが、招待されて応答するとグループ通話に参加できる。また、WebサイトのSkypeアカウント設定で音声メッセージ機能を有効にすると、音声メッセージを受信することもできる。

photophoto Skypeの連絡先から通話相手を選び、画面下部の電話アイコンをタップして「Skype通話」を選ぶと無料通話を発信する。「携帯電話に発信」は、Skypeクレジットや月額プランを契約していないとできない(写真=左)。無料通話時の画面。左のビデオアイコンをタップするとビデオ通話になる。マイクアイコンはミュートの切り替え、その隣はスピーカーフォンの切り替え、「+」でダイヤルパッドやメッセージ画面を表示できる(写真=右)

 Viber Outと同様、Skypeユーザーではない携帯電話や固定電話に電話をかけることもできる。利用するにはプリペイドのSkypeクレジットを購入するか月額プランを契約する必要があるが、国内の携帯電話には1分11円程度、固定電話には1分2円程度(プリペイド料金の場合)で電話をかけられる。ただし、発信者番号通知を設定しない限り、相手の着信画面には「非通知設定」と表示される。

 なお、Skypeには「Skype番号」という050から始まる電話番号をもらえる有料オプションが用意されており、050IP電話のようにも使える。これについては次回、050IP電話サービスを取り上げる際に紹介したい。

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 SkypeはPC向けサービス出身なので少し毛色が異なる部分はあるが、スマートフォンに最適化された無料VoIPアプリは初期設定や操作の簡単さが魅力。無料通話はメッセージと統合されていて、いつでも簡単、気軽に利用できる。安全面に配慮して連絡先データをアップしなくても、友だちを追加する機能が各種用意されているので、親しい人とやり取りするだけなら不便は感じない。後日、通話品質の検証を行う予定だが、それが問題なければ通話も十分楽しめそうだ。

無料VoIPアプリ通話関連機能の比較
LINE Viber カカオトーク comm WeChat Skype
初期登録 携帯電話番号&SMS、Facebook 携帯電話番号&SMS 携帯電話番号&SMS 携帯電話番号&SMS 携帯電話番号&SMS※、Facebook Skype名とメールアドレスでアカウント登録、Microsoftアカウント
ビデオ通話 × × ×
グループ通話 × × × × △(招待されれば可能)
ボイスメッセージ × △(設定が必要)
着信拒否
その他 LINE電話(有料) Viber Out(有料)、プッシュ・ツー・トーク ボイスチェンジャー 通話機能無効化 Walkie Talkie Skype Out(有料)
※BIC SIMのSMS対応SIMでは初期登録できず。

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