デジタルコンテンツ配信やDVD販売・DVDレンタルなど行っているDMM.comが、MVNO事業に参入し、「DMM mobile(ディーエムエムモバイル)」を提供している。多くの“格安SIM”がリリースされている中で、DMM mobileならではの魅力はどこにあるのか?
月々の携帯電話料金が主要キャリアの半額以下にまでも抑えられることから、高い注目を集めているMVNOの“格安スマホ”や“格安SIM”。2015年は5月に携帯電話のSIMロック解除が義務化されることから、それをビジネスチャンスと捉えて新たなMVNOが参入してくることが予想される。対主要キャリアのユーザー獲得競争だけでなく、MVNO同士のサービス競争も激しくなってくるだろう。
料金競争はすでに始まっている。データ通信容量の上限はそのままで料金を下げ、容量制限のないプランを提供するなど、各社とも魅力的な料金を提案している。その中でも2014年12月にサービスを開始した「DMM mobile」は150Mbps通信サービスにおける業界最安値を更新し、話題を集めている。
DMM mobileは、ゲームや動画などのデジタルコンテンツ配信やDVD販売・レンタルなどを行っているDMM.comが、NTTドコモのネットワークを利用したMVNOとして提供しているモバイル通信サービス。インターネットイニシアティブ(IIJ)がMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)としてMVNO事業をサポートしている。
DMM.com プラットフォーム統括本部の町隆幸氏によると、社内ではかねてから携帯電話事業に興味を持っていたが、総務省がSIMロック解除の義務化を決めたことで、今後、さらなる成長が予想できると判断して参入を決めたという。決めてからの行動は早く、実質2カ月の立ち上げプロジェクトによって2014年内にDMM mobileをスタートさせた。「早くスタートしてノウハウを吸収していく」スタイルで進めているという。
IIJと組むことは、回線品質の高さに加え、スピーディな事業立ち上げのために必要なことだった。IIJはみずからMVNOとして音声通話機能付きSIMカード「みおふぉん」などを提供しているが、ネットワーク回線が高速かつ安定しているとユーザーの評価が高い。高速通信のオン/オフをユーザーが切り替えられる仕組みや、低速でも最初の一定量だけは高速通信で読み込む“バースト機能”も好評だ。DMM mobileは今後、MVNEの支援を受けず、自社でネットワークを管理する可能性もあるとしているが、サービスや品質に定評のあるIIJのシステムを利用していることは、MVNOに詳しいユーザーにもアピールできるポイントといえる。
安定した回線に加え、DMM mobileの最大の魅力となっているのが料金の安さだ。下り最大150MbpsのデータSIMカードで、データ容量の上限が5Gバイト以外の、1Gバイト/3Gバイト/7Gバイト/8Gバイト/10Gバイトプランは150Mbpsの通信サービスでは業界最安を実現している(2015年1月中旬現在)。通話SIMは、データSIMに600円〜800円を加算した料金となっており、無料通話は用意されていない。
1Gバイト | 3Gバイト | 5Gバイト | 7Gバイト | 8Gバイト | 10Gバイト | |
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データSIMプラン | 660円 | 1280円 | 1780円 | 2280円 | 2780円 | 3680円 |
通話SIMプラン | 1460円 | 1980円 | 2380円 | 2880円 | 3580円 | 4480円 |
データSIMプラン、通話SIMプランそれぞれ、細かなデータ容量違いで6つの料金プランを用意している。データSIMプランのうち、5Gバイトプランを除く5つが業界最安値だ |
データ通信の追加チャージは、100Mバイトで200円、500Mバイトで1000円、1000Mバイトで2000円だが、3月末までのキャンペーン価格として、500Mバイトは600円、1000Mバイトは1100円に割り引かれている。
8Gバイトと10GバイトプランではSIMカードを最大2枚追加でき、通話SIMやデータSIMを上限3枚で組み合わせて利用して、追加したSIMのユーザーとデータ容量をシェアできることも見逃せない。この「シェアコース」では、1枚目のSIMカードに追加料金はかからず、2〜3枚目の通話SIMカードに追加で800円ずつかかる。データSIMカードを追加する場合は料金がかからない。
例えば8Gバイトの通話SIM3枚プランは月5180円で、家族3人でデータ容量をシェアしても、1人2〜3Gバイトを利用できる。よほどのヘビーユーザーでなければ、毎月2〜3Gバイト使えれば十分だろう。月5180円なら、通話SIMプランの3Gバイトを3つ個別に契約する(1980円×3=5940円)よりもお得だ。
大手キャリアと比べてもシェアコースは格段にお得になる。大手キャリアの新料金プランでは通話し放題+パケット定額プランで月6500円はかかるが、DMM mobileの通話SIM3枚プラン(10Gバイト)を選んで月30分通話をしても、合計9680円で済み、1人あたり3227円なので、大手キャリアと比べて約半額で済む。このように、家族全員でDMM mobileへ乗り換えて、家計を助けるというのも一考の価値がある。
8Gバイト | 10Gバイト | |
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データSIMプラン | 2780円 | 3680円 |
通話SIM1枚プラン | 3580円 | 4480円 |
通話SIM2枚プラン | 4380円 | 5280円 |
通話SIM3枚プラン | 5180円 | 6080円 |
使い切らなかったデータ通信を、翌月まで繰り越せるのもうれしいポイントだ。下記画像にもあるとおり、例えば2Gバイトコースで200Mバイト分の通信を使い切らなかった場合、翌月は2Gバイト+200Mバイトの通信を利用できる。利用月によって通信量にムラがある人も、効率よくデータ通信ができるはずだ。
最安値をうたうべく、この料金はサービス開始3日前というギリギリに決まったという。また、データ容量の上限を細かく設定して多くのプランを用意した。打ち出す金額のインパクトを狙っている部分もあるが、プランが多い方がユーザーが自分の使い方により合ったプランを選べるからだ。こうした配慮は歓迎したい。
1Gバイトで900円程度のプランを提供するMVNOが多い中、DMM mobileはなぜ1Gバイト660円という低料金を実現できたのか。町氏は「利益率を無視しているから」と話すが、もちろんこれは会社として利益を出さなくてもいいという意味ではない。DMM.comは動画やゲームなどのコンテンツ配信、DVDの販売やレンタルなど事業が多岐にわたる。モバイル事業(DMM mobile)で必ずしも多くの利益を得なくても、会員を獲得し、会員がコンテンツやサービスを利用してくれればいいという考え方だ。当然、DMM mobileで会員登録を行うと、会員情報はDMM.comのサービスとも連携しているのでサービスが使いやすくなる。
各種コンテンツやサービスとの連携はそれだけではない。DMM mobileの毎月の請求額(端末代金は除く)に対して10%のポイントが付き、それが「DMMギフト券」としてプレゼントされる。DMMギフト券はDMM.comの動画やオンラインゲーム、電子書籍、レンタルなどの支払いに利用できる。ポイント付与率が高いのでDMM.comのサービスを使っている人にとってうれしい特典であり、DMM.comのサービスを使ったことがなかった人にとっては、コンテンツを試しに使ってみるきっかけになりそうだ。
この特典はキャンペーンとして提供されているが、キャンペーン終了時期は明記されていない。現在のところ期間は限定していないので、ぜひ楽しく活用してほしい。
ちなみに、DMM.comにはDMMギフト券のほかに、DMMポイント、DMMマネーという計3つのポイントシステムがあるが、2月にこれらが統合される予定で、より便利に使えるようになるとのことだ。
一方、通話SIMプランを契約すると、最大2カ月間、基本使用料が無料になるキャンペーンも実施している。最も高い10Gバイトプランなら、最大8960円もの料金が無料になる。MNPでキャリアを移行すると違約金がかかる場合があるが、それを一部補ってくれる金額だ。こちらは2月28日で終了してしまうので、利用を検討している人は早めの決断をお勧めしたい。
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提供:株式会社DMM.com
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2015年2月18日