Special
» 2015年02月27日 10時00分 UPDATE

「つくる自由」を体験できる――Firefox OS搭載スマホ「Fx0」が切り開く新しい世界 (1/2)

KDDIが投入したスマートフォン「Fx0」は、同社初のFirefox OSを搭載したモデルだ。KDDIはFx0をハブに、誰もが簡単にアプリを開発できる取り組みを進めている。Firefox OSの魅力とは? アプリ開発者の声も交えながら紹介しよう。

[PR/ITmedia]
PR

ビジネス度外視? KDDIが「Fx0」を投入した理由

 スマートフォンのOSといえば「iOS」か「Android」が主流だが、これら2つとは異なる“第3のOS”を搭載したスマートフォンが、日本でも発売された。KDDIの「Fx0」だ。

 Fx0は、Mozillaが開発した「Firefox OS」を搭載しているのが大きな特徴。Firefox OSは、HTML5をはじめとするWeb標準技術をベースとした、オープンなモバイルプラットフォーム。2013年から海外でFirefox OS搭載スマートフォンが発売されており、KDDIもかねてからFirefox OS搭載端末の開発に名乗りを上げていた。そして2014年12月25日に、日本の通信キャリアからは初となるFirefox OSスマホ「Fx0」(LGエレクトロニクス製)を発売した。

photophoto KDDIが発売したFirefox OSスマートフォン「Fx0」。LGエレクトロニクスが開発した

 海外のFirefox OS搭載スマートフォンは低スペック・低価格のモデルが中心だが、Fx0は下り最大150MbpsのLTE通信をサポートするほか、4.7型HD(720×1280ピクセル)のIPS液晶やクアッドコアCPU、有効約800万画素カメラを搭載するなど、スマートフォンとして必要十分なスペックを持つ。端末のデザイナーには吉岡徳仁氏を起用し、ボディの内部が透けて見える独特のデザインも話題を集めている。ホームボタンにはFirefoxロゴを入れ、通常よりもコストがかかるゴールドのネジを使うなど、ディテールにもこだわった。

photophoto ケースを外したところ。後述するが、このケースを自由に作成できるのもFx0の特徴だ(写真=左)。ネジの素材にもこだわった(写真=右)
photophotophoto 「Fx0」の文字が並ぶロック画面(写真=左)。初期状態のホーム画面。LINEやFacebookなどのアプリがプリセットされている(写真=中、右)

 Firefox OS向けのWebアプリを入手できる「Marketplace」には、Twitter、Facebook、LINE、YouTube、NAVITIME、ジョルテなどの定番アプリも紹介されている。iOSやAndroid並みの数がそろうのはまだ先のことになりそうだが、スマホを使う上で必要なアプリはそろっているといえる。

photophotophoto MarketplaceにはテーマごとにWebアプリを紹介している(写真=左、中)。auオススメアプリも用意している(写真=右)

 モノとしてもこだわりが満載のFx0だが、「新しいOSを搭載した、ちょっと変わり種のデバイスを作りました」――で終わりではない。KDDIの田中孝司社長が「まったくビジネスのことを考えていない」と豪語しているとおり、Fx0の主役はアプリ開発者をはじめとする「ギーク層」。KDDIはこのFx0をハブにして「つくる自由」を広く訴求し、アプリ開発者の活動を支援していく。例えば、KDDIは参加者が決められた時間内にアプリを開発するハッカソンイベントを定期的に開催しており、アプリ開発者やその卵たちが活躍できる場を積極的に提供している。

photo ハッカソンイベントなども積極的に開催しているKDDI。写真は2014年12月23日に開催したイベントにて。中央にいるのはKDDI田中社長とMozilla Corporationアンドレアス・ガルCTO

Firefox OSアプリ開発を支援するツールを提供

 より幅広いアプリやサービスを生み出せるよう、KDDIは、Firefox OSをベースとした開発ボード「Open Web Board」や、アプリケーション開発ツール「Gluin」「Framin」も提供している。

 Open Web Boardは、Fx0とさまざまな周辺機器を連携させるためのデバイス。USBホスト機能を搭載し、マウス、キーボード、カメラ、オーディオ、USBシリアル機器などをFx0から操作できる。無線LANやBluetoothも搭載しており、センサー機器と通信することも可能だ。このOpen Web Boardは、ハッカソンイベントなどで無償で提供している。

photo USBや無線でさまざまな機器とつながる「Open Web Board」

 Gluinは、Open Web Boardやmbed機器などの組み込み機器を、Web上で制御できるサービス。モノと人をWebでつなぐためのWoT(Web of Things)のために開発された。例えばFx0スマホから、Webを介して家の照明をオン/オフするといったことが可能になる。Gluinは現在、開発者向けにサービスを提供しており、ハッカソンなどでURLを入手できる。

photo 登録されたスマートフォンやIoTデバイスを、Webを介して操作・制御できるツール「Gluin」

 Framinは、スマートフォン上でWebアプリを開発できるツール。スマートフォンのセンサーを利用したアプリ(端末を振っておみくじが出るなど)やロック画面(明るさが変わったら画像が切り替わるなど)を作成できる。作成したアプリはKDDIが展開しているWebサイト「Creator Showcase」に公開することも可能だ。

photo プログラミング不要でスマートフォンからアプリを作れる「Framin」

 このように、Firefox OSでは、さまざまなツールを使ってアプリの開発に取り組める。特にFraminは、プログラミングの知識がなくても、手持ちの画像から簡単にWebアプリを作れてしまう。アプリ開発のハードルが下がったことは間違いないだろう。では、現役のアプリ開発者たちは、Firefox OSやKDDIの取り組みをどのように感じているのだろうか? 今回はシマダイチームの上野晋司さんと、個人の開発者 工藤友資さんにお話を聞いた。

Firefox OSでアプリ開発者の人口が増えることに期待――シマダイチーム

シマダイチーム プロフィール

上野晋司(@uenoshin)、佐々木良馬(@s53forco)、川井浩陽(@kwi)、小菅昌克(@lutecia16v)、濱口義弘の5人からなるチーム。関西圏でIT勉強会やハッカソンに行けば、たいてい会えるガジェオタ・ギークたち。もともとはIT勉強会を通して知った仲だったが、KDDIのFx0発表会で関西代表チームとして結成、ハッカソンで共に戦った。一部のメンバーは、関西Firefox OS勉強会や、Kansai.mrbなどの勉強会イベントを主催している。

photo

 シマダイチームは、KDDIが2014年12月23日にFx0の発表と同時に開催したハッカソンイベントに参加したチームの1つ。クリスマス直前だったこともあり、「サンタさんがFx0を手にしたら何をするのか」をテーマにアプリを作った。その結果生まれたのが、サンタクロースがFx0をコントローラーとして使ってマルチコプターを操作し、クリスマスツリーに近づくと(ツリーの)明かりがつく、Fx0を操作して異なるFx0で音楽を再生する・ハンドベルを鳴らす、プレゼントの箱を開ける……というFx0のサーバ機能を生かしたアプリだった。

photo 2014年12月23日のハッカソンイベントで作品を披露するシマダイチーム

 上野さんは当日について「本職なのでソフトウェア開発は慣れていますけど、イベントは……会場も広いし、Wi-Fiは混信しているし(苦笑)、発表枠の時間配分が厳格に決まっているので、なかなか慣れませんでした。でも面白かったですね」と振り返る。

 シマダイチームが得意とするのが、上記でも紹介したFx0のサーバ機能を生かしたアプリ。例えばハンドベルを鳴らすのは、箱の中にあるOpen Web BoardとFx0が通信をして、箱の上にあるベルを鳴らす……という仕組みだ。シマダイチームは、IoT(モノのインターネット)やWoT(モノとWebがつながること)の世界観を出せるよう、“スイッチ”の仕組みに着目。「スマホを操作するだけで、簡単に現実世界のデバイスが動き出す状況を作りたかったんです」と上野さんは話す。

 Firefox OSならではの魅力は「アプリを手軽に開発できること」だという。「Firefox OSなら、コードを書いて、ボタンを1個押す程度でアプリが作れますが、ほかのOSだとそうはいきません。ハンドベルを鳴らすスイッチアプリも、ものの数時間で完成しました」(上野さん)というほどだ。

 手軽にアプリを開発できることで、アプリ開発者の人口が増えることも期待される。「従来系のAndroidだと、いわゆるプログラマーと呼ばれる人が作るものでしたけど、Firefox OSなら、フロントエンドのエンジニアやデザイナーだって作れます。アプリ開発の間口が広がるのではと思っています」(上野さん)

 アプリ開発用に実際に使っているというFx0については「完成度が高いです」と上野さんは舌を巻く。「特にすごかったのが、バッテリーの持ちがいいこと。待受だけなら1週間持つのではないでしょうか。操作も滑らかです」と満足している様子だった。

 KDDIの取り組みは、アプリ開発者にとっては非常に心強いようだ。「これまで、キャリアさんは、ハッカソンなどのオープンな活動はあまりされていませんでしたが、今回はガラッと変わって、(KDDIの)中の方々も積極的に動いています。イベントを盛り上げるためにどうすればいいかを日夜考えて、ディスカッションしているので、うわべだけでなく本気で取り組んでいることが分かります。今後もKDDIさんと一緒に活動していきたいですね」(上野さん)

 KDDIに1つ要望があるとすると、シマダイチームが拠点にしている関西をはじめ、関東圏以外の地域でのイベントをもう少し増やしてほしいことだという。「イベントは、できれば全国展開していただけるとうれしいですね。関西、中部、北海道などでも開発者のニーズはあると思いますが、機会に恵まれていない人が多いと思うので」(上野さん)

 今後手がけていきたいアプリは、「別のデバイスとクラウドのサービスを組み合わせたもの」と「日本人のための日本語アプリ」だ。「Firefox OSはIoTで動いていくことになるので、そういう世界観を多くの人に経験してもらいたいですね」(上野さん)

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:KDDI株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日