Googleの「Nexus 6」は、Nexusシリーズの最新端末となるモトローラ・モビリティ製の6型端末だ。同シリーズの歴代スマートフォンの中では最も大きく、ファブレットとして位置付けられている。
Nexusシリーズは最新かつ“ピュア”なAndroidを利用するため、Googleがさまざまなメーカーと組んで開発されている。このNexus 6には、Android OSの最新バージョンである「Android 5.0」(Lollipop)が搭載された。国内ではGoogle Play ストアで端末のみを販売しているが、記事執筆時点では在庫切れの状態が続いている。またワイモバイルでは回線契約込みで取り扱っており、こちらで購入するのが一般的だろう。なおどちらで購入しても端末はSIMロックフリーで、そのほかの仕様も共通だ。
Nexus 6最大のポイントは大画面化だ。従来機の「Nexus 5」は5型だが、Nexus 6は6型ディスプレイを搭載。端末のサイズはNexus 5が69.17(幅)×137.84(高さ)×8.59(奥行き)ミリ、重量130グラムであるのに対し、Nexus 6は82.98(幅)×159.26(高さ)×10.06(奥行き)ミリ、重量184グラムとひと回りほど大きくなった。
筆者の場合、“スマホはズボンの右ポケット”と定位置が決まっているのだが、Nexus 6のサイズだと、ポケットには“なんとかギリギリ収まる”といった感じ。ただし、ポケットに入れたまましゃがむ、あるいは椅子に座る場合には、かなり窮屈だった。また、約54グラムの差に関しても、筆者としては「かなり重くなった」という印象を受けた。
もちろん評価できる点もある。背面は、やや丸みを帯びた形状になっているのだが、この丸みが手にフィットするおかげで、端末が大きいわりには持ちやすい。背面の素材も手に吸い付くような触り心地なので、不注意で手から滑り落ちることも少ないだろう。
また、背面中央には“Nexus”とモトローラの“M”が刻印され、デザインの一部として馴染んでいる。控えめながらも高級感を醸し出しているデザインは、上品で魅力的に感じられた。
Nexus 6は画面が6型と大きいので、片手操作には不向きだ。右手だけで持った場合、親指が画面の上部に届かないので、通知パネルが開きにくい。また、キーボードの左端で左フリックをしようと思うと、限界まで親指を伸ばす必要がある。満員電車の中でほんのちょっとだけ操作したい時などにはやや不便だ。しかし、両手操作でも良いなら決して使い心地が悪いわけではない。筆者の場合には、本機を使い始めてから、1週間もかからずに両手スタイルに慣れてしまった。
画面のスペックを比べてみると、Nexus 6は液晶ではなく、WQHD(1440×2560ピクセル、493ppi)表示の有機ELディスプレイを採用している。一方、Nexus 5はフルHD(1920×1080ピクセル、445ppi)のIPS液晶を搭載。両端末で同じ画像を表示してみたところ、Nexus 6の方が色味を濃く再現しているように感じた。これに関してはどちらが良いというものではなく、人によって好みが分かれるところだろう。
また、スリープ状態のNexus 6を動かすと、時刻や通知が画面に表示される。これは「アンビエント表示」と呼ばれるモトローラが得意とする機能だ。有機ELディスプレイを採用しているので、画面のバックライト全体を光らせるのではなく、表示する文字部分のみを点灯させられる。通知を確認したいときなどに毎回ホームボタンを押さずに済むので快適だ。ただし、バッテリーの消費量は増えるので、長時間使用する際には、機能をオフにしておくことをオススメする。
スマートフォンの外部スピーカーはモノラルであることが多い。しかしモノラルスピーカーでは、音の聴こえが偏ることや、端末を持つ手でスピーカーがふさがれてしまうことがよく起こる。
その点Nexus 6は、前面の上下端に2つのスピーカーを搭載。横画面にすると左右のステレオスピーカーになる作りだ。6型ディスプレイのファブレットだと、画面の大きさを生かしたタブレット的な使い方もしたくなる。これなら映画やライブを閲覧した際に、臨場感のあるステレオサウンドが楽しめるだろう。ディスプレイの品質だけでなくオーディオ面でも凝っている1台だ。
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