インタビュー
» 2015年03月16日 13時31分 UPDATE

Mobile World Congress 2015:「狙うのは法人だけじゃない」 世界一を目指すfreetelがWindows Phoneで見据える未来

スペイン・バルセロナで開催された「MWC 2015」でWindows Phoneの国内発売を発表したfreetel。手厚いユーザーサポートを武器に、法人だけでなくコンシューマー市場も貪欲に攻める姿勢を見せている。

[村上万純,ITmedia]

 2015年3月2日〜5日にスペイン・バルセロナで開催されたモバイル関連見本市「Mobile World Congress 2015」(MWC 2015)では、京セラ、マウスコンピューター、「freetel」ブランドを展開するプラスワン・マーケティングなど、各社がWindows Phoneを展示(京セラは参考展示)したことが大きなトピックの1つとなった。これは、米Microsoftが2014年に端末メーカーへの必要要件を緩和したほか、米Qualcommのリファレンス(標準)デザインに対応したことで、OEM/ODM企業が以前より簡単に端末を製造できるようになったことが要因として挙げられる。

 今後国内市場でもWindows Phoneを発売する企業は増えてくるかもしれない。そんな中、2012年に会社を設立したベンチャー企業のプラスワン・マーケティングは、なぜ今回このタイミングでWindows Phoneを発表するに至ったのか。MVNO事業者として、端末だけでなく通信サービスも提供する同社の野望をプラスワン・マーケティング 代表取締役 増田薫氏に聞いた。

photo 左からプラスワン・マーケティング 取締役 野村晴彦氏(海外営業グループ)、プラスワン・マーケティング 取締役 大仲泰弘氏(ハードウェアプロダクトグループ)、プラスワン・マーケティング 代表取締役 増田薫氏

Windows Phoneは個人向けでも3割狙う

 会社設立以前はデルでモバイル事業を担当していたという増田氏は、「実はデル時代からWindows Phoneを出したいという思いがあったが、デルが携帯電話事業から撤退したこともあり、かなわなかった」と話し、米Microsoftの必要要件の緩和などはあくまで構想の実現に向けた間接的要因だったことを明かした。また、Windows 8.1が出てきて、使い勝手の良さを確信してさらに開発を進めていったという。ユニバーサルアプリが導入されてPCとモバイルがよりシームレスにつながるWindows 10が発表されたことも追い風になっているが、増田氏は「本当はもっと早く発表したかった」と話す。

 freetel端末を展開する同社が現在国内でターゲットにしているのは主にコンシューマー市場だが、Windows Phoneの場合は法人市場が大きな顧客となってくる。だが、増田氏は「法人は大きな市場だが、コンシューマーも無視できない。法人向けで7割、個人向けでも3割は狙っていきたい」と意気込みを語った。

 MWC 2015へ出展したのは、当然既存のAndroid端末を含めてWindows Phoneも海外市場での展開をにらんでのことだ。海外展開する上での戦略は後半パートに譲り、まずはWindows Phone 8.1搭載端末の詳細をひもといていきたい。

端末スペックは「松竹梅の“竹”」 今後は松と梅も用意

 コードネーム「Ninja」と名付けられたWindows Phoneのディスプレイは、「アジア地域の女性が片手で持って苦でない」(増田氏)5型HD(720×1280)サイズで、ボディには軽量なプラスチック素材を採用。アルミ素材だと電波を通しにくいという理由もあるという。そのほか、クアッドコアプロセッサ、1Gバイトのメインメモリ、8Gバイトのストレージ、容量2500mAhのバッテリー、有効約800万画素のメインカメラと200万画素のインカメラを搭載するなど、ハイエンドというよりはスペックを抑えたミッドレンジモデルとして位置づけられる。通信はLTEをサポートする。

photophoto Windows Phoneの正面と背面

 増田氏も「端末は松竹梅という3つのラインアップを用意したい。今回は竹に当たるモデル」と説明。Android端末も価格帯の異なるラインアップをそろえていることから、今後、Windows Phoneでもハイエンドモデルやエントリーモデルが出てくる可能性が高そうだ。

photophoto 左側面と右側面

 ちなみにデュアルSIMに対応するのか確認したところ、増田氏は「当然、海外への短期・長期滞在時のコストを減らすためにデュアルSIMは重要」だと回答。明言は避けたが、freetelブランドでデュアルSIM端末を発売している実績もあるため、期待してもよさそうだ。

 バッテリーは取り外しが可能で、目の前で増田氏にフタを外してもらったのだが、残念ながら肝心な中身は見せてもらえなかった。

 対応周波数帯以外にはグローバル向けと国内向け端末の違いはないという。具体的な金額は明かされなかったが、価格は世界共通で、20カ国以上での販売を予定している。

海外でも現地法人で手厚いユーザーサポートを実現

 増田氏は、プラスワン・マーケティングの利益の考え方は「ユーザーの考える価値と実際の価格とのギャップ」だと話す。日本メーカーとして高品質な製品を作り、ユーザーの期待をいい意味で裏切っていくという意思の表れだ。

 「『世界最安』『端末ラインアップ数世界一』など、世界一自体は簡単に実現できる。しかし、我々が目指すのは意味のある世界一なので、より多くのユーザーに利益をもたらしたいという考え方が根底にある」と増田氏は説明する。

photo コードネーム「Samurai」と名付けられた非売品端末を参考展示

 同社のブースに立ち寄る来場客数は増田氏が想定していた以上で、「高品質な日本メーカー製の端末に興味を持つ人が非常に多い」と話す。今回はWindows Phoneが日本を中心に注目を集めていたが、SIMロックフリースマホメーカーながらMVNOサービスも合わせて提供する同社は、既存の端末やサービスを海外展開していくことにも意欲的だ。

photo 「和」テイストのブース

 増田氏が「日本の大手キャリアは世界に先駆けてLTEを普及させ、誰もが当たり前のようにスマホを使えるようにしているのはすごいこと」と前置きする一方で、プラスワン・マーケティング 取締役 野村晴彦氏(海外営業グループ)は「キャリアの端末はあくまでキャリアのために作ったものという側面があり、ユーザーにとってはオーバースペックで、料金プランも実態とかい離しているのが現実。(国内市場向けにハイエンドな端末を作り続けないといけない)端末メーカーも疲弊して海外に進出できない」と指摘する。各ユーザーが用途に合ったプランを選べるMVNOサービスは、こうした現状の課題を解決する手段の1つとなりうるだろう。

 最後に海外展開する上での秘策を聞いてみると、増田氏は「品質がいいというベースがあるほか、カスタマーサポートが充実しているのも特徴。我々はモノを買ってもらってからが本番だと思っている」とコメント。同社はサポートメンバーを社内に常駐させており、海外展開する上でも現地法人を立てて現地の言葉でしっかりとカスタマーサポートをする体制を整えることを明言。誰もが簡単にMVNOサービスを利用できる環境を整えることに関しては、どこにも負けないという意気込みが感じられた。

 増田氏はこれまで、レノボやソースネクストなど、常にメーカーに身を置いてきた。与えられたものをただ売ることにもどかしさを感じていたこともあり、「料理が趣味です」と笑う増田氏は、端末と通信両方を手がけられるMVNOサービスでユーザーメリットを最大化させる味付けを行っていく。

photo お茶のデモンストレーションを行うコーナーも

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