「うれスマ」のサポートが充実、基本機能は拡張の余地あり――「BIGLOBE LTE・3G」(2015年5〜6月)格安SIM徹底レビュー(1/3 ページ)

» 2015年06月24日 12時50分 公開
[小林誠ITmedia]

 「IIJmio」「OCNモバイルONE」と続き、今回は「BIGLOBE LTE・3G」のサービスをレビューする。本企画では各MVNOの格安SIMについて、料金プランや使い勝手、実行速度など、購入の決め手になりそうな要素を中心に点数制で評価していく。

 評価するのは「料金プラン」「基本機能」「端末ラインアップ」「販売場所」「サポート体制」「通信速度」の6項目。独自の基準で加点/減点し、各項目10点満点で採点していく。端末はHuaweiの「Ascend Mate 7」を使用して検証する。本稿で紹介している価格はいずれも税別。

photo 「BIGLOBE LTE・3G」ユーザー向けの「オートコネクト」アプリ

各項目の評価基準

○料金プラン:10項目各1点(条件付きで減点あり)

音声サービスを提供:1、MNPに対応:1、3つ以上のプランを提供:1、900円以下で2Gバイト以上、または900円未満で1Gバイト以上のプランを提供:1、月7Gバイト以上、および無制限のプランを提供:各0.5で合計1、通信規制なし:1 (高速通信・低速通信のどちらかの場合は−0.5)、SIMカードの追加:1、データ容量のシェア:1、通話料金の割引:1、固定回線とのセット割:1

○基本機能:7項目計10点

翌月繰り越し:2、高速/低速通信切り替え:2、データ容量追加:2、オリジナルアプリ:1、バースト転送:1、Wi-Fiスポットの提供:1、留守番電話:1

○端末ラインアップ:10項目各1点

動作確認済み端末の掲載:1、Androidに対応:1、iOSに対応:1、SIMカードとのセット販売:1、端末ラインアップ3機種以上:1、タブレットを販売:1、モバイルWi-Fiルーターを販売:1、独自端末を販売 :1、LTE端末を販売:1、割賦販売:1

○販売場所:5項目各2点

オンラインでの対応:2、実店舗での対応:2、実店舗5店舗以上:2、MNPの即日対応:2、独自店舗:2

○サポート体制:10項目各1点

会員専用Webページを用意:1、よくある質問の掲載:1、SIMの設定方法の掲載:1、専用問い合わせフォーム:1、電話窓口:1、電話24時間対応:1、電話365日対応:1、チャットでサポート:1、端末の修理・交換受付:1、訪問or店頭サポート :1

○通信速度:高速通信の下り/上りの平均速度(あらかじめ設定された5カ所での測定)を算出。点数は以下の通り。

下り:平均1Mbps未満:0、平均1〜5Mbps未満:1、平均5〜10Mbps未満:2、平均10〜15Mbps未満:3、平均15Mbps以上:5

上り:平均0.5Mbps未満:0、平均0.5〜2.5Mbps未満:1、平均2.5〜5Mbps未満:2、平均5〜7.5Mbps未満:3、平均7.5Mbps以上:5


BIGLOBE LTE・3Gとは

 BIGLOBE LTE・3Gは、ビッグローブが提供しているMVNOのサービスだ。

 ビッグローブといえば、かつてはNECのグループ会社「NECビッグローブ」として、インターネットサービスの「BIGLOBE」を提供し、インターネット初期から知名度を上げてきた。MVNOの分野に目を向ければ、IP電話アプリをセットしたデータ通信端末「ほぼスマホ」を提供し、「端末とセット」「データ通信専用」というジャンルを早くから切り開いてきたといえる。

 2014年4月にはNECから独立するという大きな出来事もあったが、現在もインターネットのネットワークサービスを中心に事業を展開している。

 BIGLOBE LTE・3Gは、もともと「BIGLOBE 3G」と「BIGLOBE LTE」の名で提供していたサービスを統合したもの(2013年2月に提供開始)。いち早く着手した端末とのセット売り「うれスマ」も話題になった。

 5月21日発表のMMD研究所「2015年5月格安スマホ利用者の満足度調査」ではユーザーの満足度は5社中3位の62%。利用者数のシェアもOCN モバイル ONE、IIJmioに次ぐ3位。満足度やシェアなどの調査ではよく顔を出し、実績は十分といえる。

料金プラン:月900円で3Gバイトのエントリープランに、音声用スタートプラン、10Gバイトプランも

 BIGLOBE LTE・3Gには「音声通話SIM」と「データSIM」があり、データSIMは3プラン、音声通話SIMには4プランが用意されている。

 いずれも月額制で、最大通信速度は下り225Mbps、データSIMでは毎月の通信容量が3Gバイトのエントリープランは月900円、6GバイトのライトSプランは月1505円、10Gバイトのスタンダードプランは月3790円となっている。データSIMでは、SMSは月額120円のオプションサービスとして利用できる。容量の追加は、「MyBIGLOBE」の「ボリュームチャージ」から100Mバイト300円で行える。

 月額料金+900円で音声通話を利用できる。音声通話を利用するライトユーザー向けのプランとして、月1Gバイトまで通信できる「音声通話スタートプラン」も提供している。

 BIGLOBE LTE・3Gの音声SIMユーザーは、国内の通話が30秒あたり10円(不課税)と半額になる通話アプリ「BIGLOBEでんわ」を無料で利用できるのも特徴。

 音声通話SIMのみ最低利用期間が12カ月(開始月+12カ月目まで)あり、この期間に解約すると8000円の契約解除料が発生する。データSIMには特に利用期間は設けられていない。

 通信規制は「エントリープラン」が直近72時間の通信量合計が360Mバイト超過時、音声通話SIMの「音声通話スタートプラン」は直近72時間の通信量合計が120Mバイト超過時に行われる場合がある。ヘビーユーザーはライトSプラン以上を選びたい。通信規制はプランによって異なるので、「通信規制なし」の項目は0.5点とした。

 SIMサイズは標準、micro、nanoの3種類。SIMカードを追加できるのはデータSIMの「スタンダードプラン」のみ。これもプラン限定ということで、「SIMカードの追加」は0.5点にした。最大3枚までで、音声通話SIMやほかのプランでは不可なので注意。シェアオプション手数料として1回3000円となる。

 固定通信とのセット割については、固定通信限定ではないがBIGLOBEの会員であれば、毎月200円が割り引かれる。固定通信の「ビッグローブ光」はもちろん、主にメールサービスを使うためのBIGLOBE「ベーシックコース(月200円)」の会員にも適用される。

「BIGLOBE LTE・3G」の料金プラン(データSIM)
プラン名 エントリープラン ライトSプラン スタンダードプラン
月額料金 900円 1505円 3790円
初期費用 3000円
最低利用期間
解約金
なし
通信速度
(超過後通信速度)
225Mbps(3Gバイトを超過時は200kbpsに制限) 225Mbps(6Gバイト超過時は200kbpsに制限) 225Mbps(10Gバイト超過時は200kbpsに制限)
3日間の速度制限 直近72時間の通信量合計が360Mバイト超過時に制限する場合あり なし なし
データ通信量
(上限/期間)
3Gバイト/月 6Gバイト/月 10Gバイト/月
SIMサイズ 標準
micro
nano

「BIGLOBE LTE・3G」の料金プラン(音声通話SIM)
プラン名 音声通話スタートプラン エントリープラン ライトSプラン スタンダードプラン
月額料金 1600円 1800円 2405円 4690円
通話料 20円/30秒
無料通話分(月間) なし
通信速度
(超過後通信速度)
225Mbps(1Gバイトを超過時は200kbpsに制限) 225Mbps(3Gバイトを超過時は200kbpsに制限) 225Mbps(6Gバイト超過時は200kbpsに制限) 225Mbps(10Gバイト超過時は200kbpsに制限)
3日間の速度制限 直近72時間の通信量合計が120Mバイト超過時に制限する場合あり 直近72時間の通信量合計が360Mバイト超過時に制限する場合あり なし なし
データ通信量
(上限/期間)
1Gバイト/月 3Gバイト/月 6Gバイト/月 10Gバイト/月
SIMサイズ 標準
micro
nano
初期費用 3000円
最低利用期間
解約金
12カ月
8000円
高速化/容量追加オプション(価格/容量) 300円/100Mバイト
MNP転入/転出 ○/○
音声通話オプション なし
備考 なし
2015年6月23日時点。

料金プラン

評価:7.5/10

音声サービスを提供:1

MNPに対応:1

3つ以上のプランを提供:1

1000円以上で2Gバイト以上、または900円未満で1Gバイト以上のプランを提供:1

月7Gバイト以上、および無制限のプランを提供:0.5(月7Gバイト以上のみ)

通信規制なし:0.5(ライトSプラン以上)

SIMカードの追加:0.5(データSIMのスタンダードプランのみ)

データ容量のシェア:1

通話料金の割引:0

固定回線とのセット割:1


設定方法:Webサイトに画像&動画付きで解説 iOS向けプロファイルもあり

 本レビューの評価対象外ではあるが、設定方法を紹介しておく。BIGLOBEの公式サイトに「ご利用開始までの流れ」が掲載されているので、そちらも確認したい。

 SIMカードを入手してから最初に行うのAPN(アクセスポイントネーム)の設定は、Androidの場合は以下の通り。最初にAPN設定を新規作成しよう。

  • 名前:任意の名前を入力(例:BIGLOBEなど)
  • APN:「biglobe.jp」を入力
  • ユーザー名:「user」を入力
  • パスワード:「0000」を入力
  • 認証タイプ:「CHAPまたはPAP」を選択

 iPhoneの場合は公式サイト内にある動画の「iPhone編」を確認したい。あらかじめWi-Fiに接続し、Safariを起動。動画内で紹介されている専用のURLから、または検索して「設定プロファイル」をダウンロードし、インストールしよう。

 この公式ページでは無線LANの設定も紹介されており、初心者向けに丁寧に解説されている印象だ。

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