中でも、特に女性に使いこなしていただきたいのが前述の美人エフェクトである。メインカメラなら撮影モードから、インカメラなら初期設定で利用できる。チークは6色、ファンデーション、フェイスパックや目の強調、小顔、いずれも10段階で調整でき、5つの設定を組み合わせて理想的な状態を作り出せるのだ。ファンデーションでは毛穴が消えて肌がツルツルに、顔パックでは明るさが増してチークが効いてくるし、目を強調すると目ヂカラがアップする。仕上げの小顔はほほが絞られて、あごのある顔になれる。
まずはインカメラでの効果をご覧いただきたい。
いかがだろうか。ここではあえてさらしているが、筆者はバリバリのアラフィフゆえに、いくら入念に化粧をしても隠せないアラが多すぎて、とてもアップには耐えられない。しかし、チーク、ファンデーション、パック、目、小顔と、いずれもレベルの半分程度の調整を施すだけで、10歳はごまかせるのでは!? と思える仕上がりになるのだ。1度使い始めるとこの美人エフェクトが欠かせない存在に思えてくることがお分かりいただけると思う。
チーク以外すべて最強にすると宇宙人のようになってしまうが、ほどよく調整すれば、SNSで大きく表示されても不快感を与えにくい程度までは回復できている(ように思う)。インカメラを使うことに、いや、そもそも自分の顔がシェアされることに抵抗を感じる世代にとっては、かなりありがたい機能なのである。
美人エフェクトを使っているうちに、これはSNS時代における“お化粧”のようなものだと思えてきた。たとえば、これまでなら旅行先で自分を入れた写真を撮影しても、誰かにシェアするのはやや抵抗があった。楽しんでいることを共有したいが、現実があまりに生々しすぎるからだ。特にFacebookなどは写真が大きく表示されてしまう。若くてかわいいグラビアアイドルならいざ知らず、おばさんの顔のアップをいきなり見せられるほうは気の毒だ。かといってモザイクをかけるわけにもいかない。
そんなときに美人エフェクトの出番だ。効果をフルに活用することで、自分撮りの苦手意識が和らげられる。本当にそういう顔なんじゃないか、と勘違いしそうになるのが玉にきずだが、撮ることに抵抗がなくなるので、それまで無縁だったインカメラを使うことが楽しくなってきて、投稿の心理的ハードルが下がったのである。
見せられるほうは、「今日の化粧はやけに濃いな」ぐらいの感覚で受け入れてくれているように思う。やりすぎだと思ったらツッコミを入れてくれればいい。何かあってもエフェクトのせいにして笑っていられる。それはそれで面白いはずだ。美人エフェクトは、自分にも、見せられるほうにも優しい、思いやりにあふれた機能と言えそうだ。
美人エフェクトの設定はカメラを終了させても保存されているので、次に撮影するときは、インカメラに切り換えただけで済むというのも嬉しい。しかも、インカメラの場合、シャッターがそのままセルフタイマーを兼ねているため、片手でも撮りやすい。
台湾取材中、まさか自分がこんなに美人エフェクトを連呼するようになるとは想像しなかった。広い年齢層にスマートフォンが普及しつつある今、大きなディスプレイで自分の顔を見る機会も増える。楽しく使ってもらうという意味で、こういう機能はありだという結論に達した。自分に自信がなくて自撮りを避けていたという方は、ぜひZenFone 2の美人エフェクトをお試しいただきたい。きっとコミュニケーションが楽しくなるはずだ。
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