スケジュールに関しては、固定的に表示できるApple Watchが便利だ。デバイス上で予定表も見られる。ただし、時間指定をしないタスクや終日の予定はウォッチフェイスに現れず、「もう予定がありません」などと表示されてしまう。
Android Wearはタスクも通知対象となっている。しかし、ウォッチフェイス上に常に表示させておくことはできない。Android Wearは細かく予定を通知してくるが、意外にも標準機能でスケジュールの確認がしにくい。
セキュリティ面に関してはApple Watchのほうが慎重のようだ。どちらもデバイスのロック機能を備えるが、外したとたんロックがかかるのはApple Watch(設定している場合)。Android Wearも時計を外したときに自動的にロックするという機能はあるものの、実際外してもなぜかすぐにはロックがかからない。盗難された場合、すぐ初期化されて使われてしまう可能性が高いので、注意が必要だ。
スマートフォンとの連携では、Android端末はAndroid Wearをキーにしてスマートフォン側のロックを解除できる。Apple Watchは、iPhone側のロックを解除すると、腕に装着したApple Watchのロックも解除できるという仕組みとなっているようだ。
Android Wearは「OK, Google 〜」、Apple Watchは「Hey, Siri 〜」と呼びかけることで音声操作を開始できる。最初の呼びかけに続いて「今の天気は?」「7時半にアラーム」「3分タイマー」「1ドルいくら?」「交通費2000円をメモ」などと話しかけると、意外とスムーズに望んだアクションを起こしてくれる。照れもありどちらも人前ではなかなか言いにくいが、手が離せない場面ではかなり便利に活用できる。
筆者は先にAndroid Wearに慣れていたせいで、どうしても評価軸がAndroid Wearになってしまうが、使い比べてみると、通知デバイスとしては先行して登場していたAndroid Wearのほうが優秀に思えてくる。
Apple Watchがダメというわけではない。Android Wearは気の利いた秘書であろうとしているのに対して、Apple Watchはプレイングマネージャーといったところだろうか。今のApple Watchは、ユーザー側で欲しい情報や、やりたいことが明確なほうがより便利に使えそうである。
デジタルクラウンを押すと表示されるApple Watchのアプリなどは、やりたいことができる機能の代表だろう。また、画面を上にフリックすると現れる「グランス」も、カスタマイズすることで欲しい情報を素早く見たり、操作できたりする。結局iPhoneに引き継ぐなら最初からiPhoneを使った方がいいのではないか、と思える部分もあるが、ユーザーの好みで細かく設定できるところはApple Watchの強味だと思う。
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