TORQUEはもともと京セラが北米市場向けに開発した製品で、建築や土木などの“現場”で使われることを想定したタフネスモデルのブランド。現地の法人需要に応える形で供給していたが、後に国内でもSIMロックフリーモデルとして一部で販売された。
採用したKDDIは、2000年からアウトドア仕様の防水・防じん・耐衝撃端末を販売していたが、2012年11月発売の「G'zOne TYPE-L CAL21」を持って12年続いたシリーズに幕を下ろした。KDDI プロダクト企画1部 プロダクトマネージャーの近藤隆行氏によると、「防水・防じん仕様の端末が一般化したこともあり、シリーズとしての役割を終えた」と判断したという。また開発・製造を担当していたNECカシオ モバイルコミュニケーションズがスマホ事業から撤退した影響もあったようだ。
しかしタフネスモデルを必要とするG'zOneファンから、「復活して欲しい」「同じスペックで良いから再生産して欲しい」「機種変更する先がない」といった“難民化”を嘆く声が多数寄せられ、2014年に2年越しのタフネススマホ再投入が決まったという。
「こうした声はSNSやメールだけでなく手紙でいただくこともあった。中には『G'zOne TYPE-LのLって、ラストって意味だったのか?』というものも……。もちろんそんなことはなく、LTE対応やソーシャル機能のLive Gから取ったものだ。ここまで愛されているのならと、タフネスモデルを復活させることにした」(近藤氏)
今回の復活に向け他社のモデルも検討したそうだが、「技術力と北米での実績」(近藤氏)から京セラとのタッグを選択。北米向けTORQUEシリーズをベースにG01が開発された。KDDIにとってもタフネスモデルは特別な存在であり、日本向けモデルでは特にデザイン性を重視したという。
G01/G02とも工具が持つような実用性をデザインで再現。ボディは屋外の片手操作を想定してしっかりとホールドできる形状を採用し、押しやすい物理キーも備えている。最新のG02ではさらに端末の上下を分かりやすくしているが、これは上下左右が対称のことが多いスマホでは異例のデザインとのこと。またスピード感や機能美を感じさせるため、バイクのデザインも取り入れた。しかし担当デザイナーはバイクに縁がなく、会議のあとにバイク店に行って初めてじっくりと実物を観察――ということもあったという。
そしてタフネスモデルでは満足度が低かったというスマホケースについても工夫が施された。そもそも堅牢性が高いモデルでは端末を保護する必要性が低く、ケースには保護以外の機能性が必要になる。そこでカラビナなどをしっかりと装着できる着脱式のホルダーを企画した。
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