iPhone 6 Plusとも比較――SIMフリースマホ「honor6 Plus」の実力を全方位チェック(3/3 ページ)

» 2015年07月21日 12時52分 公開
[島徹ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ダブルレンズでデジタル一眼ふう写真を撮る

 背面には裏面照射型の800万画素カメラを2つ搭載する。このダブルレンズ最大の特徴が、デジタル一眼ふうのボケ味を楽しめるワイドアパーチャ撮影だ。

photo 2つ並んだカメラで撮影すると、3Dカメラと同じ原理で被写体との距離情報を取得できる。3D液晶では距離情報を飛び出す表現に活用したが、honor6 Plusではボケ味の再現処理に活用している

 カメラを起動して右スライド操作でワイドアパーチャ撮影モードに切り替えると、ピントの合っている場所以外をボカしたデジタル一眼ふうの味がある写真になる。もちろん撮影時にも絞りなどの設定を変更できるが、ワイドアパーチャ撮影の真骨頂は撮影してギャラリーで再生してからだ。

photophoto ワイドアパーチャ撮影に切り替えると、ピントが合った部分以外をボカした撮影モードになる(写真=左)。実際に撮影したデータ(写真=右)

 先ほど撮影した写真をギャラリーアプリで再生し、画面上のシャッターボタンを押すと、撮影した写真も再度ピントやボケ味を変更できる。ピントや絞り設定の自由度が高く、絞りをF0.95-F16の範囲で変えると、全体がボケボケの写真から全体にしっかりピントが合った写真にまで変更できる。

photophoto 撮影した写真のピントや絞りを後からギャラリーで変更できる(写真=左)。絞りをF16に変更。本来のカメラでは少々ボケるはずの背景も、拡張被写界深度撮影と呼ぶ合成処理で全体にピントが合った写真になる(写真=右)

 背景にだけピントを合わせたり、ピントの合っていない部分にエフェクトをかけることも可能だ。もちろん、変更後の写真は800万画素の写真として個別に保存できる。

 なお、金網ごしの撮影など狭い範囲で前後の距離が大きく異なる被写体や、暗い場所での撮影ではうまくボカせなかった。

photophoto 絞りをF0.95に設定してよりボカした写真にしたり、ピント位置を変えて背景にだけ焦点が合った写真も作成できる
photo 専用のエフェクトも搭載。ピントが合ってない背景だけを絵画調にしたり、集中線ふうのエフェクトを追加できる

 ダブルレンズはワイドアパーチャ撮影以外にも、約0.1秒の高速オートフォーカスなど撮影を補助する機能がある。実際に複数の写真を撮影したところ、確かにオートフォーカスはiPhone 6 Plusと比べてもワンテンポ速かった。また、筆者の触った限りでは明暗差が激しいシーンや複雑な光源下でも、白飛びや黒つぶれ、フレアやゴーストが出にくく、スマホのカメラとしてはかなり高画質ものという印象を受けた。

 通常の撮影モードでは、2つの800万画素の画像を合成して1300万画素の写真を撮影可能だ。本来は手ブレや被写体ブレに弱いHDR撮影も、2つのカメラを生かしてブレずに撮影できた。スローシャッターにはなるが、夜に車の光の軌跡を撮れるスーパーナイトモードも搭載する。

photo 白い皿の上のケーキという、オートでは暗く映りがちな意地悪な被写体も明るさと色温度共にバランスよく撮影できた
photo 肉眼ではほぼ暗闇の場所も手持ちで明るく撮影できる

 インカメラにも裏面照射型の800万画素CMOSセンサーを搭載。通常はメインカメラに搭載されるレベルのカメラだけあって、屋外の明暗差が激しいシーンでも、白飛びや黒つぶれが少なく解像感のある写真を撮影できた。標準では目鼻立ちと美白効果を10段階で設定するビューティモードがオンになっている。

photo インカメラでの撮影時は、右上のインカメラ横に目線合わせ用の小さいプレビュー画面が表示される
photo 800万画素だけあって、インカメラとは思えない解像感。標準ではビューティーモードのレベル5に設定されており、やや目が大きく、肌の階調が滑らかになっている

カメラが楽しい&大容量バッテリーでスタミナも頼もしい

 honor6 Plusを短期間触って印象に残ったのは、何よりもダブルレンズカメラの画質の良さと、ワイドアパーチャ撮影の楽しさだ。

 ワイドアパーチャ撮影は、SNSウケを狙った写真からアーティスティックな写真まで、大型のデジタル一眼がなくても気軽に楽しく撮影できる。オートフォーカスが高速で明暗差の激しいシーンにも強いので、失敗を気にせずにテンポよく写真を撮影できる。スマホではなく、データ通信専用SIMと組み合わせてネット対応デジカメとしても使いたくなる出来だ。

 さらに、カメラ撮影し続けても大容量バッテリーで電池切れしにくく、撮った写真は高速なプロセッサと鮮やかな液晶で再生可能。全体のバランスがよく取れている。

 高画質カメラのスマホはほかにもあるが、SNSへの投稿や人に見せて楽しい写真の撮影という点で比較するとhonor6 Plusは現行スマホでトップクラスといっていいだろう。気軽にデジタル一眼ふうの写真を撮って投稿したいカメラ男子やカメラ女子から、新技術に興味があるガジェット好きまで広くオススメしたい端末だ。

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年