背面には裏面照射型の800万画素カメラを2つ搭載する。このダブルレンズ最大の特徴が、デジタル一眼ふうのボケ味を楽しめるワイドアパーチャ撮影だ。
カメラを起動して右スライド操作でワイドアパーチャ撮影モードに切り替えると、ピントの合っている場所以外をボカしたデジタル一眼ふうの味がある写真になる。もちろん撮影時にも絞りなどの設定を変更できるが、ワイドアパーチャ撮影の真骨頂は撮影してギャラリーで再生してからだ。
先ほど撮影した写真をギャラリーアプリで再生し、画面上のシャッターボタンを押すと、撮影した写真も再度ピントやボケ味を変更できる。ピントや絞り設定の自由度が高く、絞りをF0.95-F16の範囲で変えると、全体がボケボケの写真から全体にしっかりピントが合った写真にまで変更できる。
背景にだけピントを合わせたり、ピントの合っていない部分にエフェクトをかけることも可能だ。もちろん、変更後の写真は800万画素の写真として個別に保存できる。
なお、金網ごしの撮影など狭い範囲で前後の距離が大きく異なる被写体や、暗い場所での撮影ではうまくボカせなかった。
ダブルレンズはワイドアパーチャ撮影以外にも、約0.1秒の高速オートフォーカスなど撮影を補助する機能がある。実際に複数の写真を撮影したところ、確かにオートフォーカスはiPhone 6 Plusと比べてもワンテンポ速かった。また、筆者の触った限りでは明暗差が激しいシーンや複雑な光源下でも、白飛びや黒つぶれ、フレアやゴーストが出にくく、スマホのカメラとしてはかなり高画質ものという印象を受けた。
通常の撮影モードでは、2つの800万画素の画像を合成して1300万画素の写真を撮影可能だ。本来は手ブレや被写体ブレに弱いHDR撮影も、2つのカメラを生かしてブレずに撮影できた。スローシャッターにはなるが、夜に車の光の軌跡を撮れるスーパーナイトモードも搭載する。
インカメラにも裏面照射型の800万画素CMOSセンサーを搭載。通常はメインカメラに搭載されるレベルのカメラだけあって、屋外の明暗差が激しいシーンでも、白飛びや黒つぶれが少なく解像感のある写真を撮影できた。標準では目鼻立ちと美白効果を10段階で設定するビューティモードがオンになっている。
honor6 Plusを短期間触って印象に残ったのは、何よりもダブルレンズカメラの画質の良さと、ワイドアパーチャ撮影の楽しさだ。
ワイドアパーチャ撮影は、SNSウケを狙った写真からアーティスティックな写真まで、大型のデジタル一眼がなくても気軽に楽しく撮影できる。オートフォーカスが高速で明暗差の激しいシーンにも強いので、失敗を気にせずにテンポよく写真を撮影できる。スマホではなく、データ通信専用SIMと組み合わせてネット対応デジカメとしても使いたくなる出来だ。
さらに、カメラ撮影し続けても大容量バッテリーで電池切れしにくく、撮った写真は高速なプロセッサと鮮やかな液晶で再生可能。全体のバランスがよく取れている。
高画質カメラのスマホはほかにもあるが、SNSへの投稿や人に見せて楽しい写真の撮影という点で比較するとhonor6 Plusは現行スマホでトップクラスといっていいだろう。気軽にデジタル一眼ふうの写真を撮って投稿したいカメラ男子やカメラ女子から、新技術に興味があるガジェット好きまで広くオススメしたい端末だ。
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