MWC上海2015に見る最新中国スマホ事情 4G普及でVoLTEもスタート山根康宏の中国携帯最新事情(2/3 ページ)

» 2015年07月31日 12時52分 公開
[山根康宏ITmedia]

増える5モード機 チップセットメーカーも対応

 4G開始当初は実質的に中国国内専用機となる3モードスマートフォンが多数登場したが、2015年に入ってからは低価格モデルにも5モード機が増えている。これは各チップセットメーカーが低価格・高性能なSoC(System on Chip)の開発にしのぎを削った結果であり、Qualcomm、Mediatekのトップ2社のみならず、Samsung、HiSilicon(Huawei)、Intel、Marvel、Leadcore、Spreadtrumといった各社が5モード対応のSoCをずらりと展示していた。

photo 各社のSoCの展示。いずれも5モード(TD-LTE/TD-SCDMA/GSM/FDD-LTE/W-CDMA)に対応する
photo TD系の3モード対応SoCを得意としていたSpreadtrumも、低価格な5モードSoCを投入。スマートフォンの低価格化に拍車をかける

 各社のチップセットはTD-LTEのVoLTEに対応したものも出展されていた。それを早速採用しているのが先ほど紹介した中国移動のA1/N1/N1 Maxの3モデルだ。中国移動ブースにはVoLTEの体験コーナーもあり、高音質な音声やデータ通信中に途切れたり、速度も低下したりせずに通話が継続できるデモを行っていた。

 中国移動のVoLTEは6月から一部の都市でテストサービスが始まっているとのこと。対応端末もSamsungやHTCなど大手メーカー品を含む10機種弱が用意されており、ネットワーク側の対応が済めばいつでも全国展開を開始できそうだ。

photo VoLTE対応端末はすでに10機種近くを用意
photo 中国移動のスマートフォン「N1」を使ったVoLTEのデモ

 同社はVoLTEと合わせてRCS(Rich Communication Suite)の導入も予定しており、OTTに押され気味なメッセージやチャットなどのサービスへの巻き返しも図る予定だ。RCSの開始は年内を目標にしている。

photo コンテンツサービスは新たに「mclub」として提供を開始
photo 4G回線による常時接続・ストレスフリーな環境を提供

 なおブース内ではスマートフォン向けのコンテンツサービスの展示も行われていた。中国移動は4G開始後にコンテンツサービスを一新し、新たに「mclub」を開始している。mclubは着信メロディ、音楽配信、ストリーミングビデオ・TV配信、電子書籍・コミック、ゲーム配信などを提供。4G回線を使うことでいつでもどこでも快適なコンテンツ利用環境を提供している。

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