LINEやドコモメールもOK! 新世代のドコモケータイ「ARROWSケータイ F-05G」を使うべき理由和魂洋才?(1/2 ページ)

» 2015年08月11日 11時40分 公開
[井上翔ITmedia]

 数年前、日本の公共放送の番組で「ケータイ(フィーチャーフォン)対スマホ(スマートフォン)」という対決特集が組まれた。その番組で「ケータイの方が(スマホより)よっぽどスマート!」と言い放った人がいた。そう、それは筆者である。

 他の人から「ARROWSジャーナリスト」と呼ばれ、ITmedia Mobileを中心にARROWSスマートフォンの魅力を説き、その他称に反して、日々さまざまなスマートフォンやタブレットを使いレビューをしている筆者だが、一番契約期間が長く、仕事相手や知人に番号を教えている“メイン”の携帯電話は、いまだにNTTドコモのiモードケータイなのだ。

photo 筆者のメイン携帯電話「F-07F」。富士通製のiモードケータイとしては“最新機種”で、2014年5月に発売された

 スマホ全盛のこの時代に、なぜケータイをメインに据えているのか、とよく聞かれる。理由をあげるといろいろあるのだが、特に「テンキー」「通話時の耳あたり」「バッテリーの持ち」の3つは非常に大きい。携帯電話の本分は“電話”であって、通話のと快適さは絶対に譲れない。テンキーの“押し返し”のある確実な入力は非常に重要だ。そして、電話・メールがいつでもできるように、バッテリーは長持ちした方がいい。となると、やっぱりメインはフィーチャーフォンがどうしてもいい、ということになる。

photophotophoto テンキー入力、通話時の耳あたり、バッテリー持ちは重要なのです

 しかし、昨今、コミュニケーションツールのスマホシフトは著しいものがある。とりわけ、「LINE」の普及はすさまじく、一部の年齢層ではLINEを使っているかどうかで共有される情報に大きな差が生まれてしまっているという。フィーチャーフォンでもLINEができないわけではないが、機能が大幅に制限されている。トーク(チャット)の自動更新はできないし、スタンプは閲覧できるが利用・取得・購入はできないし、「LINE電話」(音声通話機能)も使えない。

 また、キャリアメールに関しても、クラウドメールである「ドコモメール」が使えない。「『iモードメール』でいいじゃん」と思われるかもしれないが、PCやタブレット、あるいは他のスマホでメールを見たり書いたりするには、現在はドコモメールしか選択肢がない。ケータイを取り出せないシーンでメールを確認するとき、ドコモメールのクラウド対応は非常に便利なのだ。

photo フィーチャーフォンでも「LINE」はできるが、機能は大幅に制限される

 今までと同じ利便性を残しつつ、LINEに完全対応していて、ドコモメールも使えるケータイが欲しい――そんな要望に応えてくれるのが、ドコモから登場した富士通製ケータイ「ARROWSケータイ F-05G」だ。従来のケータイからプラットフォームを刷新し、Androidスマホベースで開発された、“和魂洋才”のケータイで、LINEやドコモメールも使えるという。

 前書きが長くなったが、本稿では、F-05Gの使い勝手をレビューしていく。従来のケータイからの乗り換えを検討している人の参考になれば幸いだ。

photo 「ARROWSケータイ F-05G」はケータイ派の“おめがね”にかなうだろうか?

使い慣れたテンキーで快適 ただし“超古参”ユーザーには注意点も

 スマホベースと言われると、タッチパネル操作を思い浮かべてしまう。タッチパネルが苦手、あるいは慣れたテンキーをしっかり押し込みたいという人にとって、ケータイのテンキーが命綱だ。スマホのタッチパネルでもトグル入力はできるが、それでは“押し込みたい”というニーズには応えられないのだ。

 一方、ARROWSケータイ F-05Gには、ケータイで親しんだテンキーが付いている。機能や配列は2008年冬モデル以降のiモードケータイで統一されたものに準拠しているので、その頃から最近までのiモードケータイを利用している人であれば、わずかにある変更点を覚え直すだけでよい。テンキーの下部には、「お気に入り機能ボタン」が3つ配置され、短押し・長押しの使い分けで最大6つの機能を一発起動することができる。タスクの切り替えは、本体を開いた状態で本体側面のマナーキーを短押しすればよい。

 タッチパネルについては、ケータイらしさを追求するためにあえて搭載していない。ケータイでも、かつてはハイスペックモデルにはタッチパネルが付いていたが、筆者はふとしたときの誤作動に悩まされていた。そのことを踏まえて考えると、F-05Gにタッチパネルを搭載しなかったのは“あり”だと思う。

 文字入力システムには、ジャストシステム製の「ATOK」を採用した。以前の富士通ケータイではATOKを採用していたが、「F-06B」以降の機種では別の文字入力システムを使っていたので、ある意味で“復活”した、ということになる。以前のケータイ用ATOKと比較すると、英字入力時も予測変換ができるようになったり、日本語の変換候補語数が増えたりと、(かつてのケータイ用ATOKと比較すれば)着実な進化を果たしている。

 ただし、かなり古くからケータイに親しんでいる人が使っているであろう「2タッチ入力(ポケベル入力)」はできないので、面倒でも「かな入力(トグル入力)」となる。2タッチ入力は、文字の入力スピードがより速くなる、という理由で使っている人もいるだけに残念だ。これからは、かな入力で逆トグル(発話キー)をうまく活用して、入力時間の短縮を図るしかないのだろうか……。

photo テンキーがあるので、しっかりとボタンを押し込んで文字入力できる
photophoto 昔のケータイ版ではできなかった英字の予測変換もバッチリできる(写真=左)。ポケベル時代の名残でもある「2タッチ入力」は、残念ながら用意されていない。逆トグルを活用した文字入力のスピードアップが現実的か(写真=右)

しっかりとした“耳あたり”にスマホ譲りの通話機能 LINE電話もできる

 F-05Gは、折りたたみ式のボディを採用している。ボディの横幅は51ミリと、大画面化が進むスマホと比較して非常に細く、耳あたりが非常によくなっている。スマホだとありがちな、「耳を当てる位置が分かりづらい」という悩みはほとんどない。ボディには「ワンプッシュオープン」ボタンもあり、ボタンを押すだけですぐに画面を開けるのも心地よい。

 さらに、富士通ならではの通話まわりの機能も充実している。従来のiモードケータイでも搭載されていた「ぴったりボイス」(自動音量調整機能)や、「ゆっくりボイス」(通話相手の声のスピードを調整して聞き取りやすくする機能)に加えて、現行のARROWSスマホに搭載されている「スーパーはっきりボイス4」と「あわせるボイス2」が搭載されている。

 「はっきりボイス」は富士通の携帯電話でおなじみの機能で、周囲の騒音などを検知して、通話相手の音声で聞こえにくい音域を自動的に強調・補正してくれる。F-07Fでは「スーパーはっきりボイス3」にとどまっていたが、F-05Gはスマホベースになった恩恵で、最新版のスーパーはっきりボイス4にバージョンアップできた。

 「あわせるボイス」は、ユーザーの可聴音域に合わせて高音部を聞き取りやすく補正してくれる機能で、最新版のあわせるボイス2では、ユーザーの年齢をあらかじめ入力すると、それに合わせて補正できるようになっている。あわせるボイスはもともとARROWSスマホにしか搭載されていなかった機能だが、こちらもスマホベースとなったことで、F-05Gでケータイ初採用された。

 耳あたりのよいボディに、スマホ譲りの通話機能も追加され、「通話こそ命!」と思っているケータイユーザーのニーズをより一層満たす仕様に進化したことは素直に喜んでよいところだろう。ただ、通話にこだわるのであれば、VoLTEにも対応してほしかったのだが……。

photophoto F-07F(中央)と「ARROWS NX F-04G」(奥)と並べてみた。F-05Gは横幅が従来のケータイとほぼ同じである(写真=左)。耳あたりも良好なので、筆者の顔もほころんでしまう(写真=右)
photo 今までスマホ限定だった「あわせるボイス2」がケータイに初搭載された

 また、LINEも、Androidスマホ向けアプリをベースとした“ほぼフル仕様”のアプリがプリインストールされている。トークはリアルタイム更新が可能で、スタンプの送受信や購入にも対応する。さらに、LINE電話での通話も可能で、トークや電話の着信があると、サブディスプレイにも通知が出るようになっている。

 ただし、“ほぼ”というところがポイントで、「LINEゲーム」のように、別途アプリのダウンロードが必要なサービスは使えない。ゲームをがっつりやる、という用途には向かないが、コミュニケーションの道具としてケータイを使いたい、というユーザーにとってはこれで十分すぎるぐらいだ。

 LINE電話はパケット通信で通話するため、スピードや遅延面でどうしてもXi(LTE)に負けてしまうFOMA(3G)にしか対応しないことも気になる人もいるだろうが、筆者が都内近郊の複数の場所でF-05Gを使ってLINE電話をしてみた限りでは、通信速度や遅延が問題になることはなかった。LINE電話であれば、よほどの大混雑地でない限り、FOMAだけでも十分にコミュニケーションできる。

photophotophoto F-05GのLINEは、トークやスタンプ、LINE電話をフルに楽しむことができる。
photo サブディスプレイにも、トークやLINE電話の着信通知が出るようになっているので便利
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