通信関連のスペックも確認しよう。まずはSIMカードスロットだが、microSIMか小型のnanoSIMかは端末ごとに異なる。MVNOのSIMを購入する前に、利用したい端末のSIMカードスロットはしっかりと確認しておこう。honor6 PlusとP8liteのnanoSIMカードスロットはmicroSDスロットと兼用なので、SIMとmicroSDを同時に使いたい場合は、microSIMスロットを利用しよう。
最近のSIMロックフリースマートフォンはデュアルSIMをうたう製品が増えてきており、今回の比較端末でも4モデルが対応する。ただ、SIMスロットが2つあっても、国内でLTEやW-CDMAの通話やデータ通信を利用できるのは1スロットのみだ。日本国内ではデュアルSIM対応でも実際には意味がない。デュアルSIMが効果を発揮するのは、海外で現地のGSM方式対応のSIMを利用するときとなる。
Wi-FiはZenFone 2、honor6 Plus、g03、Xperia J1 Compactの4機種が周波数帯域の広い5GHz帯に対応している。テザリングはいずれの端末もWi-Fiに加えて、省電力なBluetoothテザリングに対応している。
NFCはZenFone 2と、honor6 Plus、Xperia J1 Compactのみが対応。Xperia J1 CompactはFeliCaにも対応しており、おサイフケータイも利用できる。ただし、対応サービスはWAONや楽天Edyなど一部サービスに限られている。
SIMカードスロット | Bluetooth | Wi-Fi | テザリング | NFC | FeliCa | |
---|---|---|---|---|---|---|
ZenFone 2 | microSIM×2※ | V4.0 | IEEE802.11a/b/g/n/ac | Wi-Fi/Bluetooth/USB | ○ | − |
honor6 Plus | microSIM、nanoSIM(microSDと排他利用)※ | V4.0 | IEEE802.11a/b/g/n | Wi-Fi/Bluetooth/USB | ○ | − |
P8lite | microSIM、nanoSIM(microSDと排他利用)※ | V4.0 | IEEE802.11b/g/n | Wi-Fi/Bluetooth/USB | − | − |
g03(ZTE Blade S) | microSIM×2※ | V4.0 | IEEE802.11b/g/n/ac | Wi-Fi/Bluetooth/USB | − | − |
S301 | nanoSIM | V4.0 | IEEE802.11b/g/n | Wi-Fi/Bluetooth/USB | − | − |
Xperia J1 Compact | microSIM | V4.0 | IEEE802.11a/b/g/n/ | Wi-Fi/Bluetooth/USB | ○ | ○ |
※LTEとW-CDMAを利用できるのは片方のスロットのみ。 |
通信機能は6機種ともLTEの下り最大150Mbps、上り最大50Mbpsの通信が可能なCategory 4に対応している。
国内でSIMを契約して通話やデータ通信を利用するには、多くのMVNOが採用しているドコモのネットワークへの対応が必要だ。LTEとW-CDMAをドコモと同じカバーエリアで利用するには、メインバンドの2GHz帯と、山間地や郊外エリアをカバーする800MHz帯に対応している必要がある。
今回の6機種はいずれもW-CDMAの2GHz帯と800MHz帯には対応しており、基本的にはドコモと同じエリアで通話とデータ通信を利用可能だ。
LTEの高速データ通信も、5機種は2GHz帯と800MHz帯に対応しており、LTE対応エリアなら基本的に利用可能だ。ただし、honor6 Plusのみ800MHz帯に対応しておらず、郊外や山間地ではLTE対応エリアでもW-CDMAの低速なデータ通信に切り替わる可能性がある。
LTE | W-CDMA | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最大通信速度 | 2.1GHz (B1) |
800MHz (B19) |
1.8GHz (B3) |
1.5GHz (B21) |
700MHz (B28) |
2.1GHz (B1) |
800MHz (B6/B19) |
|
ZenFone 2 | 下り150Mbps 上り50Mbps |
○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ | ○/− |
honor6 Plus | 下り150Mbps 上り50Mbps |
○ | − | ○ | − | − | ○ | ○/○ |
P8lite | 下り150Mbps 上り50Mbps |
○ | ○ | ○ | − | ○ | ○ | ○/○ |
g03(ZTE Blade S) | 下り150Mbps 上り50Mbps |
○ | ○ | ○ | − | − | ○ | ○/○ |
S301 | 下り150Mbps 上り50Mbps |
○ | ○ | ○ | − | − | ○ | ○/○ |
Xperia J1 Compact | 下り150Mbps 上り50Mbps |
○ | ○ | ○ | ○ | − | ○ | ○/○ |
表の1.8GHz帯は東名阪の都市部を中心に、1.5GHz帯は全国の都市部を中心に通信が混雑しやすい場所にエリア展開しており、スマートフォン側が対応していると混雑時でも快適に通信できる可能性が増える。700MHz帯はまだ整備が始まったばかりだが、今後対応エリアが増える見込みだ。今のところ、6機種の中では、Xperia J1 Compactが一番ドコモのネットワークを利用するSIMを快適に利用できる可能性が高いといえる。
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