FREETEL SIMは「ブッチギリだと思う」/端末は「全部自社で開発」――増田社長が語る新戦略MVNOに聞く(3/3 ページ)

» 2015年08月17日 16時04分 公開
[石野純也ITmedia]
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Galaho(仮)は早ければ年内に発売する

―― フルラインアップという意味では、Galaho(仮)を発表されたのには驚きました。

増田氏 あれ、実は2年ぐらい前から狙っていたんです。Androidもフィーチャーフォンもフルラインアップで考えていますから。(MNOから端末が相次いで発売され)ガラホという名前がついてくれたのは、むしろラッキーです。今のところのガラホを見ると、3GだけでLTEが使えなかったり、Google Playが入っていなかったりしますが、それって違うのではないでしょうか。シニアの方も孫の顔はSkypeで見たいし、LINEも使ってみたい。ただ、タッチパネルで文字を打つのは分からない。それだけなんだと思います。ITとは、もともとおもしろいものです。そこに向けて、いい端末を作りたいと思っていました。

 私は、フィーチャーフォンユーザーは2パターンあると思っています。1つは、仕事で使うから、とにかく電池が持ってほしいというもの。ここに対しては、Simpleを作りました。もう1つは、うちの父のような層ですが、興味あるけど「使えるかな」と思っている人たちで、そこの人たちのために作ったのがGalahoです。

―― ちなみに、発売はいつごろでしょうか。

増田氏 早ければ年内です。年を越す可能性もありますが、サンプルは早めにお見せしたいと考えています。

photo Android搭載フィーチャーフォン「Galaho(仮)」

 (ここで増田氏が、「雅」をおもむろに取り出す)

 実は、これもほとんどできています。ネットで見ると、「いつ出るの」とか、最近では「FREETEL暦」なんてことまで書かれていますが(笑)。雅は、バッテリーも外れて、買い替えもできる。SIMカードも2枚刺さります。量産も近いので、期待してください。

photophoto FREETELオリジナルのスマートフォン「雅(MIYABI)」

―― 雅もそうですが、FREETELでは「Made by Japan」をうたっています。どこまでを日本で行っているのか、改めて教えてください。

増田氏 まず、設計はこちらでやっています。日本の某大手で品質管理の責任者だった方や、電波周りの責任者だった方に(プラスワン・マーケティングに)入っていただきました。(中国の工場には)勝手に開発させない。いちから、こちらで全部開発をします。そうするといいものができる。金型も、全部日本の職人が作っています。

 また、ブログにも載せましたが、「極」も雅も、裏ぶたを日本の職人が1枚ずつ6層で塗っています。手作りじゃないと、この質感は出せません。

photophoto 雅は背面のカバーを取り外してバッテリーの着脱が可能(写真=左)。職人の手によって作られたカバー(写真=右)

―― 以前はZTEのベースモデルとほぼ同じ機種(FREETEL XM)もありましたが、ああいった手法はどうお考えですか。

増田氏 もうあんなビジネスは、絶対にしません。あのときは一発目のLTE端末だったので……。これからは、全部自社で開発していきます。

―― つまり、ここからが本気ということですね。

増田氏 なので、ブランドも一新しました。端末もそうですが、会社としても体制を整え、きっちりやっていきます。

取材を終えて:「論より証拠」で不安を払しょくしてほしい

 ブランドを一新したFREETELだが、増田社長のインタビューからは、並々ならぬ“気合い”が伝わってきた。ハードウェアを出しているからこその通信サービスが出せるという点では、MVNO事業を強化したのも合理的だ。明言は避けていたが、おそらくSimpleの発売に合わせて、何か新サービスを投入することもあるだろう。

 一方で、そのSimpleは、発売が遅れに遅れ、ようやく間もなくといった状況になっている。まずは、この端末をきっちり発売すること。そして、「極」や「雅」など、Androidの売れ筋となりそうな端末をタイムリーにマーケットに投入できれば、ユーザーからの信頼を勝ち取ることができるかもしれない。その上で、Windows 10 Mobileを公約通り最速で発売できれば、注目度に信頼感も追いついてくるだろう。

 フルラインアップ戦略を掲げる同社だが、当初、筆者は少々手広くやりすぎてはいないかという印象を受けていた。実際、会社の規模は拡大したものの、手広さは以前より増している。1機種1機種に対する開発やサポートがおろそかにならないかは、心配なところだ。こうした不安を払しょくする一番の材料は、やはり論より証拠。新端末を市場に投入し、筆者たちをあっと驚かせてくれることを期待している。

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