「BIGLOBE SIM」が値下げ、通話+12Gバイトで3400円に――複数SIMや通話パックも提供自宅での即時MNPも可能に(2/2 ページ)

» 2015年09月07日 20時50分 公開
[平賀洋一ITmedia]
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上位プラン中止に値下げ 通話アプリにお得なパック料金導入

 今回のサービス強化についてビッグローブ 執行役員 モバイル事業部 事業部長の海老原三樹氏は、「格安SIM、格安スマホの市場が急速に成長しているが、それでも格安SIMはモバイル市場全体の約1.8%に過ぎない。毎年約3000万代のスマホが出荷される中、SIMロック解除が義務化され、SIMの乗り換え需要に大きなポテンシャルを感じている」と述べ、まずはSIMカード単体での競争力強化を図ることを示した。

photo ビッグローブの海老原三樹氏

 また同社が行った街頭インタビューの様子なども交え、「格安SIMはまだまだ認知が足りない。その存在を知っていてもさまざまな不安があり、『料金・サービス』と『サポート・通信品質』の大きく2つの不安を抱いている」(海老原氏)と分析。その料金とサービスの不安を減らすため、データ料金を値下げし、通話パック料金を提供するという。

photo 格安SIMに移行しない理由
photo ビッグローブの対策

 料金の値下げは上位プランで手厚くなっているが、海老原氏は「6Gバイト、12Gバイトの申し込みが増えており、ニーズに応えるためにこの価格帯を中心に値下げする。また乗り換えの手間やコストを考慮してキャッシュバックも用意した。BIGLOBE SIMはWi-Fiも無料で利用できるなど、データ通信に強いことをアピールしたい」と説明。値引きにより、月額650円の通話パックを付けても月額料金が大手キャリアの3分の1を維持できることや、年間で5万1000円、家族で複数SIMを使えば約17万円も通信量を節約できる事例を挙げ、優位性を訴えた。

photo 1カ月の通話時間は1時間以内という調査結果

 通話パックは月に1時間まで650円という内容で、「携帯電話の通話時間は、1カ月で1時間未満が約86%という調査結果がある。多くの人は、月に1時間も話せれば十分」(海老原氏)とその理由を語った。なお、BIGLOBEでんわの通話パック料金はこれが第1弾で、今後はニーズに合わせて異なる時間のパック料金も提供する計画だ。

無制限プランは時期尚早? 目指すは100万回線

 新型iPhoneの発表を前に、SIMカード単体のサービス強化を発表したBIGLOBE。新たにZenFone 2 Laserのセット販売を開始するが、「売り上げはSIM単体が中心で、まずはサービス面で対策を打った。端末ラインアップの強化はこれから」と海老原氏は明かす。

 料金面のてこ入れだけでなく、回線を随時増強し、お昼休みなどに速度が落ちないようトラフィック対策も行っている。一部の事業者が提供している定額制の無制限プランについては、「検討はしたいが、今のトラフィックの考え方からみると、無制限プランの事業性はよく考えないといけない」(海老原氏)と述べ、当面は提供しない方針のようだ。なお、BIGLOBE SIMの6G/12Gバイトプランにはいわゆる3日間制限がなく、月間のデータ容量を使い切るまで、高速に利用できるのも売りだ。

photo モバイル(LTE)とWi-Fi、光回線をニーズに合わせて柔軟に提供する

 海老原氏はデータ通信ビジネスの潮流として、「音楽や映像の定額サービスが増えており、大容量通信のニーズが高まっている。BIGLOBE SIMは新料金でLTEの大容量がしやすくなった。さらにWi-Fiの対応スポットも今後増やしていく。もともとISPでもあり、固定向けにはFTTHの『ビッグローブ光』も提供している。セット販売など、利用スタイルに合わせてフレキシブルに対応したい」と今後の展望を語った。

photo 目標は100万回線

 同社では2017年の年度末までに、BIGLOBE SIMで100万回線の獲得を目指すという。現在の契約数は「その4分の1程度」(海老原氏)ということだが、今回のサービス強化を通じて、データ通信の品質で勝負していくことを強調した。

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