中国国内にとどまらず、アジアや欧州でシェアを上げているHuaweiは、中国メーカーにとっての成功事例だといえる。ここに続けとばかりに、IFAでは中国メーカーの活躍が目立っていた。
インフラ事業も手掛けていることからHuaweiと並べて語られることの多いZTEも、IFAに合わせて、小さな発表会を開いた。ソニーやHuaweiとは異なり、大々的にフラッグシップモデルを発表したわけではないが、欧州、そしてグローバルへの足掛かりをしっかり築いていこうとする、同社の姿勢は感じられた。
ZTEは、米国や中国で展開している「AXON」シリーズのグローバル展開を発表。「AXON Elite」という、指紋センサー、目、音声を使ったセキュリティ機能を売りした機種を新たにグローバル版として用意した。デュアルカメラを搭載しており、あとからフォーカスの位置を変更できるなど、意欲的な機能も盛り込まれている。
日本でも同社はSIMロックフリーモデルに本腰を入れ始めたばかりだが、中国、米国以外のグローバル展開もまさにこれからが勝負といったところ。こうしてラインアップされたAXONシリーズなどが、将来、日本市場に投入される可能性もゼロではないだろう。
中国メーカーという意味では、Motorolaを買収したLenovoも注目しておきたい1社だ。同社も従来は小規模な発表にとどまっていたが、2015年のIFAでは別会場を借り、大規模なプレスカンファレンスを開催した。
LenovoはIFAに合わせ、Lenovo、Motorola双方のブランドから最新のスマートフォンを発表した。Lenovoブランドには5000mAhの大容量バッテリーを搭載した「VIBE P1」や、デュアルインカメラを搭載した「VIBE S1」などを、Motorolaブランドには「Moto X」シリーズの最新モデルである「Moto X Play」「Moto X Style」などをラインアップしている。
同社はデュアルブランド戦略を掲げており、市場に合わせてLenovoとMotorola、2つのブランドを使い分けていく方針。中国市場での不振から事業を立て直しているところだが、今後は徐々にMotorola側に経営資源を集中させていき、「確固とした3位」を目指す。
日本に本格参入したばかりのTCLも、IFAで「ALCATEL ONETOUCH」ブランドの新機種「GO PLAY」を発表。こちらは防水や耐衝撃に対応した、アクティブな若者向けのスマートフォンだ。
以前から、中国メーカーの勢いが拡大しているIFAだったが、この波は日本市場とも無関係ではない。特にSIMロックフリーモデルが増え、MVNO市場が拡大している今、ヒットモデルがIFAで発表されたモデルから誕生する可能性もある。今から注目しておいても、損はないだろう。
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