同社の商品企画担当部長 平山広道氏は、「これまでにスマートウォッチはテクノロジー寄りの印象で、ギークでガジェット好きなユーザーの物というイメージ。そこでHuawei Watchは、“時計らしい時計”を目指して開発した」と開発背景を説明。ファッション性を前面に打ち出し、著名なカメラマンやトップモデルを起用した世界的なキャンペーンも実施。「GQ」や「VOGUE」などの世界的に有名なファッション誌とのタイアップも進めているという。
そのファション性を実現するため、Huawei Watchはクラシックな腕時計が持つ普遍的なデザインを要素を多く取り込んだ。円形ディスプレイを納めたケースは、男性用腕時計で主流の42ミリというサイズを採用。フレームを細くすることでディスプレイの占有率は72%と広くなり、また有機ELとボディのすきまを0.6ミリに抑えることで“ディスプレイ”であることを感じさせず、人の目ではデジタル表示の画面と見分けが付かないレベルに仕上げたという。
有機ELのディスプレイは他社製品よりも解像度が高く、10000:1の高コントラストで屋外でも視認性が良好なのが特徴。40種類あるフェイスのうちいくつかは秒針もあるが、有機ELのため動きをなめらかに表示できるという。音声認識用のマイクを裏面に隠す、画面を完全に消灯させないなど、細かい点でもスマートウォッチっぽさを限りなく薄めた。一方、スマートウォッチでは使う頻度が多い竜頭は、人間工学に基づいて2時の位置に置くなど使い勝手にも配慮した。
こうした時計らしさは、「スイスにあるグローバル時計メーカーと共同開発」(平山氏)したことで実現した。ケースの素材はアレルギー反応が少なく、医療用としても使われている361Lステンレス鋼を使用。パネルは透明度が高くキズや衝撃に強いサファイアクリスタルガラスを用いた。誘電率も良く、タッチパネル操作もなめらかに行えるという。ちなみにベルトの幅は22ミリ、(ベルトの中に通しケースと固定する)バネ棒の長さは18ミリで、標準的な腕時計のベルトと交換可能な点も腕時計そのものといえるだろう。
OSは「横の広がりがある、アプリが多い」(平山氏)との理由でAndroid Wearを採用。ウェアラブルデバイスでは独自OSを搭載したものもあるが、どうしても対応アプリが少なくなるため、エコシステムに定評がある同OSを採用した。中でも「スマートウォッチ普及のキラーアプリになる」とファーウェイが目しているのが、Google Now。音声認識と組み合わせることで、新たなユーザー体験を開拓したいと意気込む。
利用にはスマートフォンとのペアリングが必要だが、AndroidスマホだけでなくiOS搭載のデバイスでも利用できる。また単独でWi-Fi通信が行え、将来的には離れたスマホともWi-Fi経由で連携する機能も利用できるようになるという。4Gバイトのストレージ容量を持ち、Bluetoothヘッドセットを使って音楽を聞くことも可能だ。また心拍センサーの精度が高く、競合製品より3秒ほど速く脈拍を計測できる点も特徴だという。
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