―― 日本は携帯電話料金が高いという指摘があるが、どうとらえているか。
加藤社長 物価指数や通貨価値も国によって異なり、なかなか単純には比べられないと思うが、日本は決して高くないと思っている。他国の主要都市ではもっと高い状況になっていたり、競争が入って安くなっているところもある。そんな中で中間よりも少し下くらいだと思っている。
―― 端末が高額だという指摘があるが、今回バリエーションを広げて、その点に応える意図があるのか。
加藤社長 そうだ。バリエーションを増やしながら、一方でいろんなキャンペーンも展開して、一番いい形は何かといつも試行錯誤している。これが決め手というものがなかなかないが、探っていきたい。
―― 総務大臣が通話定額ではないプランにも言及し、ドコモ以外はそういったプランがある。検討しているか。
加藤社長 まだ何も考えていない。そういう考えもあるのかと。
―― 同じAndroid端末なのに、ソフトウェアのバージョン、ホーム画面、メニューの階層など操作性が大きく異なっており、Androidへのハードルを高くしていると感じる。その辺の対策は考えているか。
加藤社長 ハードにもソフトにも、それぞれのメーカーの考え方があり、強調したい部分もメーカーで違っている。我々はマルチベンダーから調達させてもらい、特徴あるものを提供している。その結果として操作性が違うところは迷惑をかけているが、昔のようにドコモの端末として統一させることが、かえってそれぞれの個性をなくすことになるかもしれない。コスト的な問題もあり、合わせていくような考えはない。
丸山氏 ホーム画面などは使い勝手を考えて、統一したホーム画面を使っていただける工夫をしている。使いやすいAndroidにする取り組みは引き続きやっていく。
―― Nexus端末を投入したり、Androidのバージョンアップをやっていくことを力強く断言した。方針の変化があったのか。
加藤社長 ユーザーの声もあった。端末はあまり多彩にすると何を選んでいいか分からないないが、数が少ないと選択肢が少ないといわれ、あんばいをずっと探ることになる。OSは進化していくので、できるだけ早くバージョンアップという気持ちは前々からあった。我々もある程度、力がついてきた。そういうこともあって、チャレンジしていくという決意表明。
―― Android 5.0のバージョンアップのときに少しもたついたところがあったが、6.0のときには早めにアップデートしていけるのか。
加藤社長 そういうところから学んだことがある。
丸山氏 新しいOSで使いたいという要望が増えてきている。前回はうまくいかなかった部分が少しあったが、今後はできるだけ対処していきたい。
―― 料金プランのバリエーションが少ないことが問題視されているが。
加藤社長 2014年に新料金プランを提供しており、これはバリエーションそのもの。長期に使えばシェアもでき、1Gバイトごとの追加もでき、若い人たちには安いプランがあり、らくらくホン向けのプランもそろっている。一定のバリエーションはこの中に内在していると思う。いろんな意見があるのは現実なので、どう取り込んでいくか、どういう設計にしていくかは、本当に毎日といっていいほど考えている。
―― KDDIは3Gバイトのデータ定額プランから選べるが、データ通信料金の対抗はどのように考えているか。
加藤社長 少し構造が違う。我々は2Gバイト、5Gバイト、8Gバイトと刻んでいて、ここをどう理解していただけるか。いろんな割引もあり、それぞれに特徴があっていいのだと思う。
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