シャープ、ハンズ、パインアメの中の人が語る、人気企業Twitterの共通点(前編)SNS担当者必見!(2/2 ページ)

» 2015年10月28日 06時00分 公開
[村上万純ITmedia]
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共通点その2:ツイートの先にいるのは「お客様」という想像力

―― ツイートする際、特に意識していることや心がけていることを教えてください。

シャープ いくらゆるいと言われても、フォロワー様のタイムラインにお邪魔するいち企業アカウントであるという意識が常にあります。実際は広告だけれども押しつけがましくなく、友達のように自然と溶け込むようなツイートを目指しています。





ハンズ ツイートの向こう側にいるのは「お客様」です。店舗での接客も同じですが、このツイートが誰かを傷つけないか、不快にさせないかを想像・意識することが大事です。

 また、気軽にやりとりできるTwitterの特性上、現実だと堅苦しくなりがちな接客も、少し柔らかいコミュニケーションになります。親近感を得るためには柔らかさも必要ですが、空気を読むのが大前提です。

パイン なるべく「楽しく、おいしく、身近に」感じていただけるようなツイートを心がけております。また、会社や商品から大きく外れるようなツイートはあまりしないようにしています(たまにしますけど……)。

まとめ

 顔が見えないインターネットの世界では、ついつい画面の向こう側にも人がいるということを忘れがちになりますが、企業アカウントにとっては他のユーザーは全てお客様。東急ハンズの場合は、店舗での接客と同じように接することを心がけています。一方で、友達のように自然と溶け込んで企業ならではの固さや違和感を与えない工夫も求められます。

共通点その3:「フォロワーを増やそう」と考えない

―― フォロワーを増やすために工夫していることはありますか。また、どうやって今のスタイルを確立したんですか。

パイン 特にフォロワーを増やすためにしている訳ではないのですが、パインアメなど自社商品を使った「今日は何の日」のイラストは、いい案が思いついたときにアップしていて、毎日が大喜利の気分です。これは、シャープさんが「今日は何の日」情報をツイートしていたのを参考にさせていただきました。

 また、ツイートの語尾に「( ´◎`)スー」と、鳴らないパインアメを吹く顔文字を入れているのですが、「パインアメは鳴るようには製造していない」という真実をお伝えしたら爆発的にリツイートされたので、それから使うようになりました。





シャープ 「フォロワーを増やそう」と意識しないことです。現在に至るいろいろな事象はたくさんありすぎてここでは伝えきれません。「シャープ ツイッター」で検索すると、ご理解いただけると思います。





ハンズ Twitterを含むソーシャルメディア上での活動を、マーケティングではなくコミュニケーション(カスタマーサポート)と捉えることです。

 当初はPRやマーケティングを意識していましたが、運用を続けてフォロワー(お客様)と交流を続けるうちに、徐々にそういった指向に変わっていきました。それは、ハンズの店員をソーシャル上に出現させて店舗同様の接客ができることを意味します。「電話やメールで問い合わせるのは面倒だけど、Twitterなら気軽に質問できる」という、これまでは見えていなかったお客様への対応ができるようになり、それが結果的にロイヤルティーの向上や来店喚起、フォロワー増につながったと考えています。



まとめ

 あくまで他のユーザーが快適かつ楽しく過ごせることを心がけており、フォロワーを増やすことが目的ではない、目的と手段を履き違えてはいけないということですね。日頃のゆるふわなツイートの裏にある熱い思いや確固たるポリシーが垣間見えてきます。


 今回は、数ある企業アカウントの中でも多くのフォロワーに支持される人気企業の共通点を紹介しました。ツイートの先にいるのはお客様だという意識を忘れず、地道に毎日コツコツと運用していくことで結果的にフォロワーは増えていくようです。後編では、企業アカウントならではの苦労や失敗談、運用ポリシーなど、実際運用する上で気になる話に切り込んでいきます。

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