携帯料金はどうなる? 端末やサービスの戦略は?――NTTドコモ加藤社長に聞く(2/3 ページ)

» 2015年11月18日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

端末は「高性能だけど安いもの」も提供したい

―― iPhone 6s/6s Plusが発売されて1カ月が立ちましたが、手応えを教えてください。

photo iPhone 6s/6s Plus。加藤社長はiPhone 6sのローズゴールドを使用している

加藤氏 やっぱり待っていたという方が多かったです。特にローズゴールドは、男性でも人気がありますよね。当初は品切れで、ずいぶんご迷惑をおかけしましたけど。(ドコモに)お戻りいただく方もそれなりにいらっしゃって、うれしく思います。

―― iPhone 6s Plusよりは6sの方が売れているのでしょうか。

加藤氏 6sの方ですね、やっぱり。でも大きい方がいいんだという方も、たまにお会いします。

―― 3キャリアのiPhone比率は近くなったとみていいでしょうか。

加藤氏 あまり意識したことはないのでよく見ていませんけど、量販店の投入の仕方とか、各社で工夫しているので。

―― 「iPad Pro」も扱います。

加藤氏 大きな画面ですよね。やっぱりそちらの方がいいとおっしゃる方は、そちらに行こうかと思いますけど、画面が大きくなりつつありますからね。持ち歩くときにどうかなとは思います。

―― 2015-2016年冬春モデルの自信のほどと手応えは、いかがですか?

加藤氏 お好きなメーカーやシリーズはあるようでして、夏モデルと比べても、それなりに予約も入り、販売も成長しています。

―― 特に売れると思うモデルは?

加藤氏 どうでしょう。やっぱり「Xperia Z5 Premium」は……4Kですから! これは手応えがあるかと。少し長い目で見て、どれぐらい響いていくかは興味がありますね。

photo 「Xperia Z5 Premium SO-03H」

―― Xperia Z5シリーズについては、他キャリアはXperia Z5のみを扱っていますが、ドコモはXperia Z5 CompactもXperia Z5 Premiumも取り扱っています。

加藤氏 ユーザーさんの選択肢を増やしていきたいと思っています。

―― 一方、サムスン電子のスマートフォンは「Galaxy Active neo」を発売しましたが、フラッグシップの「GALAXY Note 5」は見送っています。

photo ドコモからの発売は見送られている「GALAXY Note 5」

加藤氏 Note(GALAXY Noteシリーズ)も出しましたが、こうした「ファブレット」がいいねという声もある一方で「中途半端」とも感じましたので。過去の販売数も含めて(見送った)。

―― 2014年のGALAXY Note Edgeや、2015年春モデルのGalaxy S6/S6 edgeは、思ったほど売れなかったと……。

加藤氏 やっぱり日本で人気があるのはiPhoneで、それが注目を集めています。(発売する)タイミングも違うんですけど。

―― 日本だとiPhoneに人気が偏っていますよね。

加藤氏 アメリカ(北米)と日本は(世界の中で)市場が違うかもしれませんね。

―― 日本でスマートフォンが出始めたころと比べて、端末のラインアップは減りつつありますが、それでも端末はキャリアさんの顔の1つではあります。端末の戦略を教えてください。

加藤氏 あまりにたくさんのバリエーションは持たせたくありませんが、お客さんが選べるだけのバリエーションは必要だとは思っています。「高性能だけど安いものも提供してくださいね」と言っています。

―― ドコモのスマートフォンは従来、ハイスペックなものが多かったですが、2015年の夏モデルでは「AQUOS EVER」など、機能を絞った安価なモデルも投入しました。

加藤氏 それ(安価なモデル)は、もちろんこれからも続けていきたいと思います。

―― 価格帯の幅も持たせていく。

加藤氏 そういうものを求められる方もいらっしゃるので、一辺倒でない方がいいだろうとは思います。

フィーチャーフォンはやめない

―― フィーチャーフォンは今後も提供されていくのでしょうか。またスマートフォンへの移行はどうするのでしょうか。

加藤氏 これはですねぇ、そうです。私もね(と言って富士通のケータイを取り出す)。もう7〜8年前のやつですけど。

―― フィーチャーフォン向けの部材もなくなりつつあると聞いています。

加藤氏 ええ。部材もOSのサポートも、というところなので、今回(2015年夏)、Androidベースのフィーチャーフォン(AQUOSケータイ SH-06G)を出しました。操作性も機能も(従来のフィーチャーフォンと)一緒のものを作っていこうと考えています。

photo Androidベースの「AQUOSケータイ SH-06G」

―― フィーチャーフォンをやめることはない。

加藤氏 「ずっと続けてくれ」と言われているので。こういう形態のものは、要望が強いですから。個人投資家説明会では必ず出ます。一番いいのは、スマホと一緒に(フィーチャーフォンを)持っていただくこと。そういう(2台持ちの)方は多いですよ。

―― フィーチャーフォンのOSはAndroidでも、あまり関係ない。

加藤氏 関係ないですよね。OSって本来そういうもんですよね。

―― 夏のAQUOSケータイ、いわゆる「ガラホ」と呼ばれるものは、ある程度売れたのでしょうか?

加藤氏 あれはLINEが入っていますから。

―― 加藤社長はどういう使い分けを?

加藤氏 電話とメールはこれ(フィーチャーフォン)で。あまりLINEはしませんけど(笑)。

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