ハイエンドは主役が不在？ ミッドレンジが成長した1年――選考委員が挙げた5機種：スマートフォン・オブ・ザ・イヤー2015（4/4 ページ）

[井上翔，ITmedia]

房野氏：ミッドレンジモデルに注目

房野麻子氏

房野氏　私はもともと機械のことをよく知らない人間で、「機械のことをよく知らない人ほど、ハイスペックなものを使え」と教えられたので、なるべくハイスペックモデルを選んできました。しかし、2015年の夏に体調を崩してしまった関係で、安い端末にどうしても注目せざるを得なくなり、その流れでミッドレンジ端末に注目するようになりました。でも、ハイエンドモデルが好きで買いたかった、ということもあり、選んだ端末にはハイエンドのものもあります。

　「iPhone 6s」は、2014年まで使っていた「iPhone 6 Plus」から買い換えた時に感じた「あら、なんと使いやすいのかしら、ちょうどいいわ」という喜ばしさから選びました。6 Plusは大きすぎたのですよね……。あと、すずまりさんも指摘していましたが、タッチした時の反応もいいですし、GPSもすごく正確です。慣れもあるかもしれないですが、文字入力も英字と日本語を切り替えたときにiPhoneのキーボードが一番入力しやすいです。使い慣れているせいもあると思いますが、一番快適に使えます。私以外のiPhoneユーザーも、そう考えてiPhoneを選んでいくのかな、と思います。新しいiPhoneは、このような場で選ぶスマホとしては外せないのかな、と思います。

　「Xperia Z5」は「特徴があまりない」と言われますが、改めて見るととてもきれいなんですよね。「Xperia Z5 Premium」はピカピカですが、それよりも落ち着いたフロストガラスの質感がとてもきれいだと思います。背面中央部のロゴの部分だけフロストをしていないという細かいこだわりが、「ソニーモバイルらしい」な、と思います。誰にでも勧められる、という観点で選びました。

　「Galaxy S6 edge」はMWCで見て、すごく感動したモデルです。エッジのカーブにしても、背面の色にしても、すごく斬新できれいで、すごくすっごく欲しかったのですが、ちょうどそのタイミングでいろいろありまして……。販売が振わず元気がない、という印象になってしまったのはちょっと残念です。皆さんも、もっとサムスンを応援してください、と言いたいです。

　「Zenfone 2」については、ZenFoneシリーズ、そしてSIMロックフリースマホの流行の代表として選びました。価格がミッドレンジ（3〜5万円程度）並みであることも評価しています。

　「arrows M02」は、日本メーカーのSIMロックフリーモデルを代表して選びました。「AQUOS SH-M02」と迷ったのですが、「エヴァスマホ」のイメージがどうしても強くって……。どちらの機種も、誰が使っても日本のスマートフォンとして安心使えると思います。M02は（ケイ・オプティコム限定の）Pinkがきれいだった、ということも決めてです。

ITmedia Mobile編集部：メディア視点ではiPhoneは外せない

編集長の田中

ITmedia Mobile編集部　今回はITmedia Mobile編集部も選考に加わることになりました。

　メディアの視点からはiPhoneを外すことはできません。記事の人気も、iPhoneを取り上げたものに集まりますから。その象徴の存在として、「iPhone 6s」を選びました。「iPhone 6s Plus」は万人に勧められるか、というとそうでもないですし。

　「Xperia Z5 Premium」は、昨今「変化に乏しい」と言われてきたXperia Zシリーズにあって、4K液晶を搭載するなど、久しぶりにワクワクする要素を盛り込んできた、ということ選びました。

　「arrows M02」はSIMロックフリースマホがはやってきた中で、日本仕様（おサイフケータイや防水・防じん性能）が入っていて、かつ耐衝撃性を持たせたことを評価して選びました。キャリア仕様とSIMロックフリーのバランスを絶妙に取ったことも注目したいです。

　「ARROWS NX F-04G」は、佐野さんも触れていましたが虹彩認証という新しい取り組みを行ったことと、スペックの高さに注目して選びました。

　「AQUOS EVER SH-04G」は、これも佐野さんが触れましたが2015年夏ごろから見られる、キャリアの姿勢の変化を象徴するスマホです。価格も、SIMロックフリースマホを意識して安価に抑えています。キャリアの潮流の変化を感じる、という点で挙げました。

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　この後、選考委員が推薦した（しなかった）機種に関連して、「SIMロックフリースマホ」「Windows 10 Mobile」「iPhone 6s Plus」をテーマに座談会を実施しました。その模様は、12月26日に掲載予定です。お楽しみに！