インタビュー
» 2016年02月26日 20時52分 UPDATE

Mobile World Congress 2016:HuaweiがPC市場に参入する狙い/SIMフリー市場で生き残るための秘策

MWCではWindows 10を搭載したタブレット「HUAWEI MateBook」を発表したHuawei。同社がPC市場に参入する狙いは? 日本のSIMフリー市場で生き残るための策とは? ファーウェイ・ジャパンのデバイス事業トップの呉波氏に聞いた。

[末岡洋子,ITmedia]

 日本のSIMロックフリー市場の大きなけん引役を果たしているといえるHuawei、世界ではSamsung、Appleに続くナンバー3のスマートフォンメーカーだ。スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2016」では、Windows 10タブレット「HUAWEI MateBook」を発表、PC市場にも参入する形となった。2011年からファーウェイ・ジャパンでデバイス事業を率いるバイスプレジデントの呉波(ゴハ)氏が、記者グループの取材に応じた。

Huawei ファーウェイ・ジャパン デバイスプレジデントの呉波氏。手にしているのは、CESで発表した最新のフラッグシップ「Mate 8」

「MateBook」は本当の意味でのモバイル端末

―― 「MateBook」をモバイルのイベントであるMWCで発表した理由は? 日本で販売する計画は?

Huawei 12型のディスプレイを搭載したWindows 10タブレット「HUAWEI MateBook」

呉氏 MWCでMateBookを発表するということは、社内でしっかりと検討した結果だ。

 現在市場にあるノートPCはほとんどが産業用グレードであり、デザインからみて消費者の本当のニーズを満たしていない。イノベーションは少ないし変化もあまりないようだ。PCとモバイル(スマートフォン)は違う業界とみられているかもしれないが、今後融合していく。実際、スマートフォンとタブレットだけで仕事をするという人も少なからずいる。

 MateBookはより軽く、より薄いPC。本当の意味でのモバイル端末というコンセプトで作った。一度の充電で10時間以上稼働するなど、モバイルを知るわれわれの工夫を詰め込んだ。MateBookを開発するにあたって、社内のモットーは「自分で自分を革命を起こして変えていかないと、人に革命を起こされてしまう」だった。モバイルのイベントでPC市場参入の意思表示をすることは、Huaweiからのサインとなる。

 MateBookは日本市場で販売するが、時期は未定だ。

―― 日本はPC市場の戦いが激しい。

呉氏 MateBookは、モビリティ、利便性、バッテリー持続時間の3つで消費者のニーズに合致した製品となる。ここは優位性になると考えている。

 日本では1000社以上の多国籍企業がある。法人向けの2in1のWindows端末のニーズは大きいと考えており、重要なターゲットになる。スマートフォンなどと同様にマルチの販売チャネルとルートを使って販売していく。

都内にアフターサービス体験ショップをオープンする

―― 日本市場でのスマートフォンの戦略について。

呉氏 グローバルでは2015年に1億800万台を出荷した。国によってはHuaweiが2位、3位のシェアを取っているところもある。

 デバイス事業の日本市場での戦略は生き残ること。これまで日本では、国外の携帯電話メーカーで長期的に生き残ったところはない。日本市場は競争が激しく、端末に対する要求レベルも高い。われわれとしては、とにかく生き残ることを最優先にやっている。

 スマートフォンでは競争が激しいが、それ以外では順調だ。タブレットは2015年12月単月で15万台を売り上げた。12月のシェアは29%に上昇し、2015年通年のシェアを見ても、AndroidタブレットではHuaweiはトップとなった。機種別では「MediaPad M1」は2015年で最も売れたタブレット製品となった。また、Wi-FiルーターなどMBB(Mobile Broad Band)製品では、7〜8年連続で日本でシェア1位だ。セットトップボックスでは、37%のシェアを獲得した。

 スマートフォンでもしっかり良い業績を打ち出したいと考えている。

―― 具体策は?

呉氏 問題はAndroidメーカーのシェア合計が30%に達していない状況が続いていることだ。このように厳しい状況にあり、生き残るために一歩ずつ着実に製品を改善し、よりよいユーザー体験を提供することにフォーカスしている。

 2016年の上半期に、都内にアフターサービス体験ショップをオープンする。狙いは、アフターサービスの品質と顧客満足度の向上にある。Huaweiの最新製品の展示は行うが販売はせず、あくまでもアフターサービスの提供に特化した店舗となる。ソフトウェアのアップグレードをはじめ、ユーザーが困っていることに対応する場となる。アフターサービスの一環として、商品を無料の受け取りサービスも行う。郵送なら着払いとなり、修理後は製品を届ける。

 このようにアフターサービスをしっかりすることで、安心を提供できる。購入に際して最後の障壁となる懸念を払しょくできるだろう。サービスを体験できるショップを持つところはなく、Huaweiが初となる。

―― 海外では展開するHuaweiショップの日本国内での展開予定は?

呉氏 日本では楽天にファーウェイVモールを展開している。また日本の小売店にはHuawei専用のカウンターが設置されている。これらはHuaweiが強化しているブランディング活動の1つだ。

 Huaweiショップについては、グローバル戦略の一環として計画はある。だがタイミングがいつになるのかはまだ確定していない。

「シェア10%」が生き残りの基準

―― MVNO市場をどのように見ているか。

呉氏 まだ満足がいくものではないが、継続して投資する理由はスマートフォン市場が変わる可能性があるからだ。日本のオープンマーケット(SIMロックフリー市場)は2年前からだが、完全なオープンマーケットではなく、契約が発生するのでセミオープンだと思っている。欧州では契約は発生せず、テレビや家電のようにスマートフォンを買える。

 現在の日本の状況は11〜12年前の欧州と同じだ。欧州ではその頃にオープンマーケットが導入された。現在欧州のスマートフォンの出荷は、キャリア経由とオープンマーケットが半々となっている。当時、半々になるとは誰も予想していなかった。

 このようなことから、日本のSIMロックフリー市場に継続して投資する。すぐに変わることはないが、ゆくゆくは世界と同じようになるだろう。

―― TalkBand、Huawei Watchなどのウェアラブルはどうか?

呉氏 TalkBandではBluetoothイヤフォンが付いているが、これはHuaweiのみだ。Huawei Watchも手応えを感じており、実際に販売実績も順調だ。キャリアの店舗にも置いていただいている。このように、ウェアラブルでは予想を上回る好業績となっている。

 世界的にウェアラブルは成長する段階に来ている。中でもスマートウォッチは、さまざまなメーカーから多彩なものが出てきた。われわれはCESで女性向けのHuawei Watchモデル(ElegantとJewel)を発表しており、ビジネスユーザーに限らず女性もターゲットに展開していく。日本でも時期は未定だが投入する予定だ。

Huawei 「Huawei Watch Elegant」

―― 日本でのシェア目標は?

呉氏 2015年、海外メーカーでは第3位となった。だが、Apple以外はどこも低い数字にとどまっている。具体的な数字目標はないが、シェア10%が生き残りの基準。10%前後ではいつ撤退することになってもおかしくない。

 まだやれることは、たくさんある。先に横浜で研究所を開設し、日本の部品メーカーとの協業も進めて製品を改善していく。これにより顧客満足度を高めることができるだろう。日本からの部品調達は年々増えている。

 ブランディングについても強化しており、近々イベントを計画しているので楽しみにしてほしい。

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