当たり前なのですが、ContinuumはあくまでもWindows 10 Mobileのアプリがデスクトップアプリのように使える機能です。見た目がPC用Windows 10っぽいからといって、これまでPCで使っていた既存のWin32アプリが動くわけではありません。
また、Windowsスマホで動く全てのアプリがContinuumに対応しているわけではなく、非対応のアプリはスタートメニューでグレーアウトした状態になります。Continuumに対応するのは、Windows 10 Mobileで動作するWindows 10アプリと、ユニバーサルアプリと呼ばれるUWP(Universal Windows Platform)アプリです。
現状では、EdgeブラウザやOfficeアプリ、Windows 10 Mobile標準アプリの多くでContinuumを利用できますが、サードパーティーのアプリで対応するものは非常に限られています。そのため、スマホをPCっぽく使えるContinuum機能の恩恵もかなり限定的です。
Windows 10 Mobileはただでさえ、iOSやAndroidに比べてアプリの数が圧倒的に少ないため、このContinuumが強力な武器となるかどうかは、これから対応アプリがどれくらい出てくるのかにかかっています。理想としては、PC用Windows 10と同じアプリをスマホ用のUIで使えるというUWPアプリが増えていくと、PCもスマホもWindowsで統一したい、スマホをPC代わりにできる、といったメリットが出てくるでしょう。
それから、Windows PCの特徴は複数ウィンドウを同時に表示して使えることですが、残念ながらContinuumではそれができません。アプリを1つ開くと全画面表示になるので、左右に違うアプリを並べることはできず、あくまでも切り替えて使うことになります。
複数のアプリを一覧表示することはできるので、この機能をうまく利用してマルチタスクの作業をするほかありません。キーボードのAlt+Tabキーでタスクの切り替えは可能です。せっかくの大画面に表示するのだから、せめてマルチウィンドウに対応してくれれば生産性は一気に上がりそうだと思うのですが、惜しいところです。
テキストの入力に関しては、やはりスマホ画面で入力するよりも、外付けディスプレイの大画面を見ながらハードウェアのキーボードを利用するほうがはるかに入力スピードが上がります。
ただし、キーボード操作もマウス操作も、Windows PCを操作しているときとは違い、ほんの少しラグがあります。今回テストした限りでは、ちゃんと文章も入力できているので大きな問題はないと思いますが、いざ実用としてガンガン入力しようとすると、このちょっとのラグは気になってしまいそうです。
また、快適に日本語変換しながら文字入力するという視点では、IMEがカスタマイズできず、Windows 10 Mobileそのままなところはマイナスポイントとなります。正直、使い勝手がよくないので、早々に改善してほしいところです。
一方、よくできているなと思えるのが、Windows 10 Mobile側はタッチパッドから画面を切り替えれば、いつも通りのスマホ操作もできるところです。
Continuum機能を使っているときに電話がかかってきても、すぐに電話の応対ができたり、手元で電卓の計算ができたりと、まるで外付けディスプレイ側とスマホ内蔵ディスプレイ側で別々に動いているかのような使い方にも対応しています。これには感心しました。
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