MVNO3社に共通 女性ユーザが格安SIMを選ぶ「最後の一押し」SIM通

» 2016年03月23日 06時00分 公開
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 モバイルビジネルに関する調査を行っている研究機関、MMD研究所は3月2日、MVNO市場について議論する勉強会の「MVNO3社に聞く、格安SIMの女性利用の拡大について」を開催。最新調査データを基に、今後普及を拡げていきたい女性ユーザの獲得と課題についての議論が行われました。

MMD研究所が最新調査データを基に勉強会を開催

 勉強会は昨年10月以来2回目の開催。OCNモバイルONEを提供するNTTコミュニケーションズの岡本健太郎氏、BIGLOBE SIMを提供するビッグローブの河口清華氏、mineoを提供するケイ・オプティコムの津田和佳氏が登壇し、同研究所の吉本浩司氏がモデレータを務めました。

 2016年1月の同研究所の調査結果によると、格安SIMの認知度は76.5%で利用者は6.9%。利用者のうち過半数は2015年にSIMを購入しており、吉本氏によると「2016年もユーザ数は倍以上になるのではないか」。

勉強会の様子

 ユーザに占める女性の割合はまだ少ないながらも、音声通話付きのプランを端末とセット購入する傾向がみられるそう。楽天モバイルとイオンスマホは「おそらく普段から企業名になじみがあるので」(吉本氏)、女性の割合が比較的高く、音声通話付きSIMの契約がデータ通信SIMを上回っていて、男女比と通信プランは比例しているとのこと。

男性契約者家族の女性が利用増か

 女性ユーザの特徴について岡本氏は「メディアを通しての情報取得が多い」「知人や家族の口コミを重視する」「設定方法などへの不安が大きく、実店舗での購入が多い」と解説。コミュニティーサイトの活用や今月には女性向け勉強会の開催も予定しており「購入してもらうのが最終目標だが、情報選択の前段階の行動を強化している」と話しました。

 河口氏は、MVNOへ切り替えてもキャリアスマホと同じように使用できるのかという漠然とした不安や疑問を抱えて一歩を踏み出せない女性ユーザへ、MVNOでは最大規模と自任するビッグローブの公衆無線LANサービス「BIGLOBE Wi-Fi」をアピール。空港や商業施設など、全国で8万カ所に設置しており「わかりやすく接続するためにオートコネクトアプリも用意。サポートやバックアップの環境を整えている」と述べました。

 比較的リテラシーの高いユーザが多いケイ・オプティコムでは、ユーザの男女比は8:2だそうですが、契約者自身は男性でも家族の女性も使用しているのではと津田氏は考えているそう。通信容量は無駄なく無理なく使いたいというユーザの要望と、パケットを家族などでわけあえるプランの人気からの考察を明かしました。

流行に敏感なひとの攻略が女性層開拓の鍵

登壇者の写真

 3人による座談会では、ユーザ開拓のための各社の戦略などについて議論に。

 岡本氏は「大容量プランもあるが利用実態を意識すると、ユーザが使い方によって無駄なく使えるのが適正。ラインアップはいろいろ選べるのがいいのかなと思う」、津田氏は「料金的には下げどまりだと感じていたら、イオンが(データ通信で月額480円からという)すごいものを出した。追随はできにくいが頑張ってもらって、市場を広げてほしい」と料金についてコメント。

 MVNOへの疑問点で上位にあげられるサポートの有無について、問い合わせ窓口へ実際に寄せられた相談も明かされました。

 「圧倒的にサービスの内容」と話したのは津田氏。サービス開始前は設定方法などを想定していましたが、「ホームページに記してある内容の確認が多い。我々提供者がいくら『大丈夫』といっても、他のユーザから聞かなければ納得ができないもの。流行に敏感な女性が使い出したら、浸透すると思う」(津田氏)。岡本氏も「近しいひとからの紹介や後押しは不安解消の一番のポイント」と同意していました。

 河口氏は「できないことをちゃんと教えてほしい」という事例を紹介。「キャリアメールが使用できないことなどはちゃんと伝えるようにしている」と話しました。

 女性ユーザ増加の実感をたずねられると、3社とも契約者本人は「そこまでは増えていない」と本音を吐露。河口氏は「女性というよりは、世帯が丸ごと乗り換えている。女性が自身で動くかにはまだ障壁があるが、自分から情報を得ようとする層を狙いたい」と明かしました。

(文:SIM通編集部)

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